K株式会社様では、指定管理者施設であるA福祉センター及びB文化センター等において、省エネ対策として不要な照明の間引きや不要な空調の停止を実施されています。今回、空調や照明を中心に全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、空調設定温度の緩和、空調用エアハンドリングユニットやポンプのインバータ化、外気導入量の低減、高効率照明への更新等を提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
都市ガス13A (千m³/年) |
|
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A福祉センター | 改善前 | 284 | 13 |
改善後 | 229 | 8 | |
B文化センター | 改善前 | 824 | - |
改善後 | 682 | - |
運用改善
提案1 空調設備
(文化センター) アトリウム及び温水プールの外気導入量低減
提案2 空調設備
(福祉センター) 空調設定温度の緩和
提案3 空調設備
(福祉センター) 玄関入口の空調開始時間の遅延
提案4 換気設備
(福祉センター) エレベーター機械室排気ファンの設定温度緩和
提案5 照明
(福祉センター) 共用部廊下照明の間引き
提案1
空調設備
(文化センター) アトリウム及び温水プールの外気導入量低減
省エネ効果 | 7.3 kL/年 |
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削減金額 | 806 千円/年 |
設備概要 | 空調機(冷/暖房COP:2.6/3.3) |
キーワード
外気導入量の適正化
内容
①アトリウムのCO2濃度(490ppm)が低く外気導入量が過大であるため、管理値(900ppm)まで外気導入量を低減。②温水プール(CO2濃度は未測定)は、ピーク時の利用者数から計算した必要外気導入量に低減。①②より、空調用の消費電力を削減することを提案。
項目 | 省エネ量 | 効果金額 |
---|---|---|
①アトリウムの外気導入量低減 | 17,073 kWh/年 | 487 千円/年 |
②温水プールの外気導入量低減 | 11,210 kWh/年 | 319 千円/年 |
計 | 28,283 kWh/年 | 806 千円/年 |
提案2
空調設備
(福祉センター) 空調設定温度の緩和
省エネ効果 | 5.6 kL/年 |
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削減金額 | 487 千円/年 |
設備概要 | ①GHP空調機(都市ガス消費量:12千m³/年)、②EHP空調機(電力消費量:57千kWh/年) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
①共用部用GHP空調機、②テナント用EHP空調機の設定温度を緩和し(冷/暖房:24/24°C→26/22°C)、省エネを図ることを提案。
提案3
空調設備
(福祉センター) 玄関入口の空調開始時間の遅延
省エネ効果 | 2.4 kL/年 |
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削減金額 | 224 千円/年 |
設備概要 | GHP空調機(冷/暖房時の都市ガス消費量:44.3/43.8m³/h) |
キーワード
運転時間の短縮
内容
玄関入口部用の室内機(2台)は、他の室外機(6台)より1時間早く運転している。運転開始時間を遅らせて他と同じにし、GHPの消費燃料量及び消費電力を削減することを提案。
提案4
換気設備
(福祉センター) エレベーター機械室排気ファンの設定温度緩和
省エネ効果 | 0.3 kL/年 |
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削減金額 | 22 千円/年 |
設備概要 | 排気ファン(1台、250W/台) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
建築基準法施行令やJIS「昇降機の検査基準」等で、機械室の温度は原則として40℃以下に維持することが定められているが、診断時の排気ファン設定温度(20°C)は低い。設定温度を緩和(20→35°C)し、節電を図ることを提案。
提案5
照明
(福祉センター) 共用部廊下照明の間引き
省エネ効果 | 0.4 kL/年 |
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削減金額 | 33 千円/年 |
設備概要 | 蛍光灯(4台、40W2灯/台) |
キーワード
照明の間引き
内容
共用部廊下の照明は既に間引きが行われているが、診断時(3F)は150~250Lxであり、JISの照度基準100Lxより明るい。3F及び4Fの照明を間引きし、省エネを図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
空調設備
(福祉センター) 室外機への日覆設置
省エネ効果 | 0.8 kL/年 |
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削減金額 | 64 千円/年 |
設備投資額 | 400 千円(回収:6.3年) |
設備概要 | 空調機(10台、圧縮機計:65kW) |
キーワード
室外機の日射対策
内容
1階と2階の西面および屋上にエアコン用室外機が設置されており、直射日光の影響を受けている。室外機の日陰化(よしず等)により室外機(凝縮器)の温度を下げて冷房負荷を軽減し、節電を図ることを提案。
提案7
空調設備、温水プール
(文化センター) AHUや冷温水ポンプ等のインバータ化
省エネ効果 | 20.7 kL/年 |
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削減金額 | 2,300 千円/年 |
設備投資額 | 2,138 千円(回収:0.9年) |
設備概要 | AHUファン(4台:計37kW)、冷温水ポンプ等(6台、計:20.4kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
①空調用エアハンドリングユニット(AHU)のファンはダンパ開度50%に絞り風量調整を行っている。空調用の冷温水二次ポンプ及び温水二次ポンプは、吐出弁を開度30%程度に絞っている。そのため、ダンパ全開+インバータ導入により、モータ回転数減による風量/流量減を行う。②プール循環水用ポンプは営業終了後の夜間も定速運転しているため、インバータを導入して汚れの少ない夜間時間帯のポンプ回転数を下げて循環水量を低減(▲70%)する。①②より、節電を図ることを提案。
提案8
温水プール
(文化センター) ジャグジーポンプ運転方法改善とシャワー節水
省エネ効果 | 1.7 kL/年 |
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削減金額 | 302 千円/年 |
設備投資額 | 270 千円(回収:0.9年) |
設備概要 | ポンプ(1台、2.2kW)、シャワーヘッド(8個) |
キーワード
(温水設備)運転時間の短縮 節水型水栓等の取り付け
内容
①温水プール利用時間中ジャグジーポンプを連続運転しているが、利用頻度は多くない様子。ジャグジー使用時のみポンプの運転を行い、消費電力を削減することを提案。方法としては、利用者がジャグジーポンプの起動スイッチON後タイマで自動停止、ジャグジー上部への人感センサ設置によるポンプ自動運転などがある。②シャワー室のシャワーヘッドを従来型から節水型に取替え、節水と温水ヒートポンプチラーの電力使用量を削減することを提案。
提案9
照明
(文化センター、福祉センター) 高効率照明への更新
省エネ効果 | 6.0 kL/年 |
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削減金額 | 526 千円/年 |
設備投資額 | 1,957 千円(回収:3.7年) |
設備概要 | 白熱灯→LED灯、水銀灯・ハロゲン灯→セラミックメタルハライド灯、蛍光灯型誘導灯→LED誘導灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①トイレのダウンライト(白熱灯)、②体育集会室の水銀灯、③アトリウムのマルチハロゲン灯、④蛍光灯型誘導灯を、高効率機種に更新し、消費電力の低減を図ることを提案。
現状 | 更新案 | 台数 | 点灯時間 (h/年) |
効果金額 (千円/年) |
投資金額 (千円) |
回収 年数 |
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①ダウンライト (白熱灯、40W/台) |
LED灯 (5.2W/台) |
20 | 4,485 | 66 | 50 | 0.8 |
②水銀灯 (300W/台) |
セラミックメタルハライド灯 (190W/台) |
20→15 | 828 | 55 | 675 | 12.3 |
③マルチハロゲン灯 (430W/台) |
セラミックメタルハライド灯 (250W/台) |
8 | 3,926 | 161 | 280 | 1.7 |
④蛍光灯型誘導灯 (98W/台) |
LED誘導灯 (3.5W/台) |
11 | 8,760 | 244 | 952 | 3.9 |
蛍光灯型誘導灯 (49W/台) |
LED誘導灯 (3.5W/台) |
6 | ||||
計 | 45 | 526 | 1,957 | 3.7 |
提案10
デマンド管理
(福祉センター) デマンド監視装置導入
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲12kW) |
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削減金額 | 253 千円/年 |
設備投資額 | 400 千円(回収:1.6年) |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入、活用
内容
デマンド監視装置を導入して最大電力の変化を監視し、設定値に近づいた場合には、予め定めた空調設備の運転停止や照明の間引き等により、最大需用電力を抑制する(142→130kW、▲12kW)ことを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。