A社様では、不要照明の間引き・消灯や、高効率ボイラの導入、デマンド監視装置の導入活用等の省エネ活動に取り組まれており、今回は加工設備を中心に全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、加工ラインへの供給蒸気圧低減や排気ファンのインバータ活用、蒸気配管と工業炉外周部の保温対策、事務所と工場の照明のLED化等を提案しました。
提案1
空調設備
空調設定温度の緩和
省エネ効果 | 10.8 kL/年 |
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削減金額 | 554 千円/年 |
設備概要 | 空調機(冷/暖房電力消費量計:約350/68千kWh/年) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
冷/暖房設定温度の基準は28/18℃であるが、一部では設定温度管理が不十分な様子。冷/暖房設定温度の1℃緩和(27/21→28/20℃)と基準値厳守徹底により、電力消費量を低減することを提案。
提案2
生産設備
排気ファンのインバータ活用
省エネ効果 | 41.6 kL/年 |
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削減金額 | 2,137 千円/年 |
設備概要 | 排気ファン(2台:18.5kW、22kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
加工ラインの排気ファンは24時間連続定格運転であるが、非生産時には風量低減が可能。A・B品種ライン用排気ファンのインバータを活用して非生産時の風量を50%に低減し、電力消費量を削減することを提案。効果は、生産時間を16時間/日×245日として試算。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
蒸気使用設備
加工ラインの供給蒸気圧低減
省エネ効果 | 35.3 kL/年 |
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削減金額 | 3,175 千円/年 |
設備投資額 | 500 千円(回収:0.2 年) |
設備概要 | 加工ライン用ボイラ(都市ガス13A消費量:430千m³/年) |
キーワード
減圧弁による供給蒸気圧の低減
内容
加工ラインの供給蒸気圧0.6MPaは高い様子。減圧弁を取り付けて蒸気圧を低減(0.6→0.30MPa、▲0.30MPa)し、都市ガス消費量を低減(▲4.1%)することを提案。
提案4
蒸気配管
保温対策強化
省エネ効果 | 29.6 kL/年 |
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削減金額 | 2,663 千円/年 |
設備投資額 | 500 千円(回収:0.2 年) |
設備概要 | フランジ型仕切弁(80A:2個、40A:8個)、フランジ(40A:10個、25A:182個)、配管(40A:6個)等 |
キーワード
保温対策
内容
ボイラ室と加工ラインの蒸気配管の保温対策を強化して無駄な放熱を低減し、ボイラの燃料(都市ガス)消費量を削減することを提案。
提案5
工業炉
工業炉外周部の保温対策強化
省エネ効果 | 14.5 kL/年 |
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削減金額 | 862 千円/年 |
設備投資額 | 373 千円(回収:0.4 年) |
設備概要 | リフロー炉、乾燥炉、調質炉 |
キーワード
保温対策
内容
①リフロー用電気炉の外周部は平均80℃と高い。②蒸気乾燥炉の外周部は平均55℃と高い。③調質炉の外周部は平均75℃と高い。①②③の外周部への保温対策強化により放散熱量を低減し、省エネを図ることを提案。
現状 | 外周 平均温度 |
炉数 | 炉表面積 計(m²) |
効果金額 (千円) |
投資金額 (千円) |
回収 年数 |
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①リフロー用電気炉 | 80℃ | 5 | 8.6 | 419 | 84 | 0.2 |
②蒸気乾燥炉 | 55℃ | 1 | 20 | 286 | 222 | 0.8 |
③調質用電気炉 | 75℃ | 2 | 6.0 | 157 | 67 | 0.4 |
計 | 862 | 373 | 0.4 |
提案6
工業炉
乾燥炉給気ファンのインバータ化
省エネ効果 | 2.0 kL/年 |
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削減金額 | 101 千円/年 |
設備投資額 | 125 千円(回収:1.2 年) |
設備概要 | ファン(1台、3.7kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
乾燥炉(電気炉)の給気ファンはダンパで風量を30%に絞っているが、ダンパ絞りでは絞り抵抗損失が発生するため、ダンパ全開+インバータ制御により省エネを図ることを提案。
提案7
照明
事務所と工場の照明のLED化
省エネ効果 | 50.4 kL/年 |
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削減金額 | 2,583 千円/年 |
設備投資額 | 7,199 千円(回収:2.8 年) |
設備概要 | 蛍光灯、水銀灯→LED灯、メタルハライド灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①工場と事務所のラピッド形蛍光灯を直管型LED灯に、②工場の水銀灯を高効率のメタルハライド灯に更新し、省エネを図ることを提案。
現状 | 更新案 | 点灯時間 (h/日) |
台数 | 効果金額 (千円) |
投資金額 (千円) |
回収 年数 |
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①FLR蛍光灯(47W/台) | 直管型LED灯(25W/台) | 24 | 545 | 2,323 | 7,135 | 3.1 |
FLR蛍光灯(115W/台) | 直管型LED灯(50W/台) | 67 | ||||
FLR蛍光灯(47W/台) | 直管型LED灯(25W/台) | 12 | 632 | |||
FLR蛍光灯(115W/台) | 直管型LED灯(50W/台) | 58 | ||||
②水銀灯(400W/台) | メタルハライド灯(400W/台) | 24 | 11→6 | 260 | 64 | 0.2 |
水銀灯(400W/台) | メタルハライド灯(400W/台) | 12 | 16→8 | |||
計 | 1,302 | 2,583 | 7,199 | 2.8 |
提案8
デマンド管理
管理強化によるデマンド削減
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲130kW) |
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削減金額 | 2,821 千円/年 |
設備投資額 | 1,000 千円(回収:0.4 年) |
設備概要 | デマンド監視装置、自動デマンド負荷制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入、活用
内容
現有のデマンド監視制御装置を活用し、空調負荷等を対象に自動デマンド負荷制御を導入して、最大電力(契約電力)を低減(1,301→1,171kW、▲130kW)することを提案。効果は、今回の省エネ提案によるデマンド低減(約60kW)を含め、現状契約より10%のデマンド削減として試算。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。