A社様では、空調設定温度の緩和や不要照明の間引き・消灯、デマンド監視装置の導入活用等の省エネ活動に取り組まれており、今回は全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、高効率空調機への更新、ボイラの蒸気圧低減、高効率のインバータ制御型コンプレッサへの更新、事務所や工場の照明のLED化等を提案しました。
提案1
ボイラ
蒸気圧力の低減
省エネ効果 | 0.8 kL/年 |
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削減金額 | 70 千円/年 |
設備概要 | ボイラ(2台、0.8t/h/台、A重油消費量計:52kL/年) |
キーワード
蒸気圧力の適正化
内容
蒸気は反応缶他で使用しているが、減圧弁で減圧しているため蒸気圧を低減(0.70→0.60MPa、▲0.1MPa)し、A重油消費量を削減することを提案。
(注)診断実施年度にボイラが更新され、燃料転換(A重油→都市ガス)を実施しているが、燃料消費量の前年度実績データが無いため、効果はA重油で試算。
提案2
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 0.3 kL/年 |
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削減金額 | 28 千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(1台、22.5kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
工場内では、反応缶・溶解機のエアシリンダ、ドラム反転機などでエアを消費している。コンプレッサの吐出圧力は定格の0.69MPaと高く減圧が可能と考えられ、吐出圧力を0.05MPa引下げ、電力消費量を削減することを提案。
提案3
エア配管
エア漏れ防止対策
省エネ効果 | 0.5 kL/年 |
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削減金額 | 44 千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(1台、22.5kW) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
エア配管の漏れは検知や漏れ量が分かりにくいが、漏れ量は工場のエア使用量の10~20%にも達すると言われる。エア配管からの漏れ量を低減し、コンプレッサの電力使用量を削減することを提案(効果は漏れ率10%で、うち80%を改善した場合で試算)。
提案4
デマンド管理
デマンド監視装置活用による最大電力抑制
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲10kW) |
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削減金額 | 139 千円/年 |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入、活用
内容
導入済みのデマンド監視装置を活用して最大電力の変化を監視し、設定値に近づいた場合には予め定めた機器(空調機)の運転停止や生産設備の稼働シフト等により、最大電力を抑制(210→200kW、▲10kW)することを提案。
提案5
自販機
高効率自販機への更新
省エネ効果 | 0.5 kL/年 |
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削減金額 | 40 千円/年 |
設備投資額 | -(ベンダによる設置のため投資無し) |
設備概要 | 缶・ボトル用自販機(2台、電力消費量計:3.3千kWh/年) |
キーワード
高効率自販機への更新
内容
自販機を最新の省エネ型自販機(ピークシフト自販機)に更新し、電力消費量を削減(▲58%)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
空調機
室外機への日射遮蔽
省エネ効果 | 0.6 kL/年 |
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削減金額 | 47 千円/年 |
設備投資額 | 58 千円(回収:1.2 年) |
設備概要 | 電動HP空調機(29台、定格電力計:97kW、冷/暖房COP:2.3~5.0/2.3~5.6) |
キーワード
室外機の日射対策
内容
空調機が多数あり、その室外機は屋外やベランダに設置されている。夏期に、室外機への日射遮蔽(よしず等)により、熱交換器フィン等の温度上昇を抑えて凝縮器負荷を軽減し、空調用電力消費量を低減することを提案。
提案7
蒸気配管
保温対策強化
省エネ効果 | 6.2 kL/年 |
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削減金額 | 564 千円/年 |
設備投資額 | 1,040 千円(回収:1.8 年) |
設備概要 | フランジ型玉形弁(50A:2個)、減圧弁(50A:10個)、フランジ(50A:40個) |
キーワード
保温対策
内容
工場内の反応缶、加温ムロなどに供給される蒸気配管において、保温カバー等により保温対策を強化し、ボイラのA重油消費量を低減することを提案。
提案8
コンプレッサ
高効率のインバータ制御型コンプレッサへの更新
省エネ効果 | 3.5 kL/年 |
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削減金額 | 284 千円/年 |
設備投資額 | 1,800 千円(回収:6.3 年) |
設備概要 | コンプレッサ(1台、22.5kW) |
キーワード
高効率コンプレッサへの更新
内容
コンプレッサは定速型でロード/アンロード制御を行っているが、アンロード時においても電力を消費している。インバータ制御型コンプレッサに更新し、電力消費量を低減することを提案。
(注)インバータ制御型コンプレッサは吐出エア量に応じて圧力を一定に保つように回転数を制御するため、消費電力はエア量減に応じて減少し、部分負荷において省エネ効果がある。
提案9
照明
事務所と工場の照明のLED化
省エネ効果 | 3.3 kL/年 |
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削減金額 | 272 千円/年 |
設備投資額 | 2,220 千円(回収:8.2 年) |
設備概要 | FLR蛍光灯、水銀灯→LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①事務所のFLR蛍光灯、②工場の水銀灯を LED照明に更新し、省電力を図ることを提案。
現状 | 更新案 | 台数 | 効果金額 (千円) |
投資金額 (千円) |
回収 年数 |
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①FLR蛍光灯(79W/台) | 直管型LED灯(40W/台) | 100 | 144 | 1,800 | 12.5 |
②水銀灯(310W/台) | LED灯(79W/台) | 6 | 128 | 420 | 3.3 |
計 | 106 | 272 | 2,220 | 8.2 |
提案10
給茶機
不要時間帯の停止
省エネ効果 | 0.3 kL/年 |
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削減金額 | 26 千円/年 |
設備投資額 | 24 千円(回収:0.9 年) |
設備概要 | 給茶機(2台、電力消費量計:2.4千kWh/年) |
キーワード
不要時の電源OFF(夜間休日等)
内容
食堂と事務所の自動給茶機は24時間連続運転であるが、スケジュールタイマにより利用者のいない夜間時間帯(20~8時)で電源OFFし、電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。