三重新生電子株式会社 明和工場様では、不要な照明の間引き、操業時間や休日のシフト等の省エネ活動に取り組まれており、今回、契約電力の低減を中心に全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、デマンド監視装置導入による契約電力低減、チラーへの給排気法改善、炉設置室の間仕切りによる空調負荷低減、排気ファンのインバータ化等をご提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
LPG (t/年) |
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改善前 | 2,800 | 120 |
改善後 | 2,638 | 111 |
提案1
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 3.2kL/年 |
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削減金額 | 204千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(37kW×1台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
A工場のエア使用先では、エア圧力を減圧弁で調整(0.53MPa)しており、余裕がある。コンプレッサの吐出圧力を低減(0.68→0.60MPa)し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案2
空調設備
高効率エアコンへの更新
省エネ効果 | 4.9kL/年 |
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削減金額 | 311千円/年 |
設備投資額 | 2,500千円(回収8.0年) |
設備概要 | 空調機(2台、冷房・暖房能力40kW・45kW/台、<br /> 冷暖房平均COP2.65→3.91) |
キーワード
高効率空調機への更新
内容
C工程のエアコンは1996年製と古く、効率がよくない。最新の高効率タイプに更新し、電力消費量を削減することを提案。
提案3
空調設備
工業炉設置室の間仕切り
省エネ効果 | 12.0kL/年 |
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削減金額 | 914千円/年 |
設備投資額 | 10,000千円(概算、詳細の検討が必要)(回収10.9年) |
設備概要 | 空調用室内機(28→24台) |
キーワード
運転台数の削減
内容
B工場のK室において、炉廻り(熱負荷大)と炉以外(熱負荷小)の間仕切りにより、空調用室内機の運転台数を低減(空調負荷低減)し、空調用燃料の消費量を削減(▲30%)することを提案。
提案4
換気設備
天井換気ファンの運転管理強化
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 92千円/年 |
設備投資額 | 50千円(回収0.5年) |
設備概要 | ファン(0.75kW/台×5台) |
キーワード
非生産(不要)時の稼働台数削減
内容
A工場の天井換気ファン(5台)において、給排気の区別化と、非操業時(夜間・休日)の運転台数低減(5→2台、給気・排気各1台)により、電力消費量を削減することを提案。
提案5
コンプレッサ
コンプレッサ室の給排気改善
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 19千円/年 |
設備投資額 | 80千円(回収4.2年) |
設備概要 | コンプレッサ(30kW×1台) |
キーワード
吸気温度の低減
内容
B工場のコンプレッサ室では、排気ダクトからの排ガスが吸気口から流入(ショートサーキット)し、吸気温度上昇によるコンプレッサ動力増加を招いている。排気ダクトの排気口位置を改善し、電力消費量を削減することを提案。
提案6
エア配管
エア漏れ対策
省エネ効果 | 3.2kL/年 |
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削減金額 | 204千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収0.5年) |
設備概要 | コンプレッサ(37kW×1台) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
工場内のエア配管は天井裏を通っているため、漏れの点検は未実施の様子。長期連休を利用してエア漏れ対策を実施し、電力消費量を削減することを提案(漏れ率10%、うち80%の漏れを防止した場合の効果を試算)。
提案7
工業炉
チラーユニットへの冷却空気供給方法の改善
省エネ効果 | 14.4kL/年 |
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削減金額 | 919千円/年 |
設備投資額 | 2,000千円(回収2.2年) |
設備概要 | チラー(7台、外気導入量計13.9千m3/h)、<br /> 空調機(33kW/台×7台) |
キーワード
その他(給排気方法の改善、空調負荷の軽減)
内容
工業炉に付帯しているチラー(室内設置)冷却用空気は、室内から吸引して室外排気している。そのため、空気は排気量だけ室外から侵入して外気導入量が過大となり、室内CO2濃度が低下(600ppm~ビル管理法1000ppmと比較して大幅に低い)し、空調負荷が増大している様子。チラー冷却用空気を室外から100%供給して外気侵入量を低減(室内CO2濃度管理値900ppm)し、空調用の電力消費量を削減することを提案。
提案8
工業炉
炉付属排気ファンのインバータ化
省エネ効果 | 2.9kL/年 |
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削減金額 | 184千円/年 |
設備投資額 | 210千円(回収1.1年) |
設備概要 | ファン(5.5kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
工業炉は、休日でも内部温度(40℃)維持のため、ヒータ通電と炉付属排気ファンを運転をしている。休日はダンパ全開+インバータ制御(ファン回転数低下)により排気量を低減(▲50%)し、電力消費量を削減することを提案。
(注)排気量減によりヒータ電力も低減されるが、その効果は計算外。
提案9
デマンド管理
デマンド監視装置の導入
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲18kW) |
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削減金額 | 292千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収1.4年) |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入その他(最大電力の低減)
内容
デマンド監視装置を導入して、最大電力発生時間とその時の設備稼動状況を把握(可視化)し、最大電力(契約電力)の低下対策を検討する。低減目標値に近づいた場合に予め定めた機器の運転を停止し、最大電力を抑制(355→337kW)することを提案。
提案10
受変電設備
変圧器の統合と高効率化
省エネ効果 | 11.5kL/年 |
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削減金額 | 730千円/年 |
設備投資額 | 10,000千円(概算、詳細の検討が必要)(回収13.7年) |
設備概要 | 動力用変圧器(8台、計1,600kVA→1台、1,000kVA)、<br /> 電灯用変圧器(4台、計230kVA→1台、150kVA) |
キーワード
変圧器の統合高効率変圧器への更新
内容
負荷率の低い変圧器の統合と高効率機種への更新により、変圧器損失を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。