協同精機株式会社様では、不要な照明の間引き等の省エネ活動に取り組まれており、今回、乾燥炉やコンプレッサを中心とした省エネ診断を希望されました。診断の結果、乾燥炉の保温対策強化や空気比低減、エアブローノズルの小口径化、コンプレッサの吐出圧力低減、高効率・長寿命の照明への更新、デマンド監視装置導入よる最大電力低減等をご提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
LPG (t/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 145 | 9 | 5 |
改善後 | 114 | 7 | 5 |
提案1
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 43千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(1台、15kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
エア使用機器の必要圧力は0.5MPa程度以上であるため、コンプレッサ吐出圧力を段階的に下げることを提案(吐出圧力を0.1MPa低減(0.85→0.75MPa)した場合の効果を試算)。
提案2
工業炉
乾燥炉の空気比低減
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 57千円/年 |
設備概要 | 乾燥炉(LPG消費量7.5千kg/年) |
キーワード
空気比の適正化
内容
乾燥炉の空気比を省エネ法に基づく基準値に低減(2.0→1.5)し、燃料消費量を削減することを提案(但し、現状の空気比2.0は推定値)。
(注)燃焼用空気を必要以上に供給すると、高温の排ガス量が増えてエネルギー損失が増大する。空気量を適正値に下げる事で省エネとなる。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
空調設備
作業場空調機の高効率化
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
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削減金額 | 99千円/年 |
設備投資額 | 1,200千円(回収12.1年) |
設備概要 | 空調機(冷房能力37kW、冷房のCOP2.08→3.60) |
キーワード
高効率空調機への更新
内容
工場内のヒートポンプ空調機は、設置後22年経過し老朽化している。高効率空調機に更新し、電力消費量を削減することを提案。
(注)最近の空調機はピーク消費電力カット機能を装備しており、この活用により消費電力や最大電力(契約電力)の低減対策が可能。
提案4
コンプレッサ
コンプレッサ排気を暖房熱源として利用
省エネ効果 | 1.2kL/年 |
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削減金額 | 251千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収0.8年) |
設備概要 | コンプレッサ(1台、15kW) |
キーワード
その他(コンプレッサ排気を暖房等の熱源として利用)
内容
空冷式コンプレッサの排気をダクトで室外に放出しているが、冬季は室内に放出して暖房熱源として有効利用する。その結果、屋内温度上昇により乾燥炉の給気温度がアップし、燃料消費量(LPG)を軽減することを提案。
提案5
エア配管
エアブローノズルの小口径化
省エネ効果 | 4.1kL/年 |
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削減金額 | 360千円/年 |
設備投資額 | 45千円(回収0.1年) |
設備概要 | エアノズル(15個、エア量1.6m3/分・個) |
キーワード
その他(エアノズルの形状適正化)
内容
エアブローはφ6mm銅管で行っているが、先端のエア噴出し部をパイプ状から小口径ノズル(又は先細ノズル、φ3mm)に変更してエア消費量を削減し、電力消費量を削減することを提案。
(注)空気消費量を低減しブロー効果を上げるためには、吹出し口をパイプ状から先端部に絞りを設けることが重要。一般的に水切りに必要な風速は受圧面で50m/s以上であるが、今回提案の小口径ノズルでも十分対応可能。
提案6
工業炉
乾燥炉の保温対策強化
省エネ効果 | 2.0kL/年 |
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削減金額 | 425千円/年 |
設備投資額 | 1,760千円(回収4.1年) |
設備概要 | 乾燥炉(W3m×D8m×H3m) |
キーワード
保温対策
内容
乾燥炉表面の温度が50℃と高いため、表面の保温対策強化により熱放散を低減し、燃料消費量を削減することを提案。
提案7
生産設備
水切り用乾燥機ファンへのインバータ導入
省エネ効果 | 0.6kL/年 |
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削減金額 | 53千円/年 |
設備投資額 | 160千円(回収3.0年) |
設備概要 | ファン(3.7kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
乾燥機のファンは錆発生防止のため待機時も稼働させ、ダンパ開度で風量を調整している。ダンパ全開+ファンモータへのインバータ導入により待機時の風量を1/2に低減し、電力消費量を削減することを提案。
提案8
照明
高効率・長寿命の照明への更新
省エネ効果 | 1.2kL/年 |
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削減金額 | 103千円/年 |
設備投資額 | 315千円(回収3.1年) |
設備概要 | 水銀灯、白熱電球→セラミックメタルハライドランプ、LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①天井の水銀灯をセラミックハライドランプに、②水洗ブースの白熱電球をLED灯に 更新することにより、電力消費量低減及び長寿命化によるランプ交換頻度低減を提案。
現状 | 更新案 | 定格寿命 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
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①水銀灯(400W/台) | セラミック メタルハライドランプ (190W/台) |
12,000 →18,000h |
10 | 300 | 92 | 3.3 |
②白熱電球(100W/台) | LED灯(15.7W/台) | 1,000 →40,000h |
3 | 15 | 11 | 1.4 |
提案9
受変電設備
動力用変圧器の更新
省エネ効果 | 0.4L/年 |
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削減金額 | 33千円/年 |
設備投資額 | 900千円(回収:老朽更新時に実施) |
設備概要 | 変圧器(3φ100kVA→3φ150kVA) |
キーワード
高効率変圧器への更新
内容
動力用変圧器は稼動後24年経過し、更新検討時期を迎えている。また、変圧器容量は100kVAであるが、夏季の電力ピーク時には負荷率上昇により過負荷状態と推定。容量アップ(100→150kVA)及び高効率変圧器への更新による変圧器損失の削減を提案。
提案10
デマンド管理
デマンド監視装置導入よる最大電力低減
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲10kW) |
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削減金額 | 121千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収3.3年) |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入その他(最大電力の低減)
内容
デマンド監視装置を導入して最大電力を監視し、設定値に近づいた場合には、空調機や照明等を調整して抑制(102→92kW、▲10kW)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。