A社様では、不要な照明の間引きやデマンド監視装置の導入等の省エネ活動に取り組まれており、今回、全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、ボイラの空気比や蒸気圧力の低減、蒸気配管の保温対策、エア配管用のレシーバタンクの設置、高効率照明への更新等をご提案しました。
提案1
ボイラ
空気比の低減
省エネ効果 | 2.2kL/年 |
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削減金額 | 196千円/年 |
設備概要 | ボイラ(1t/h×2台) |
キーワード
空気比の適正化
内容
定期点検記録によればボイラの空気比(1.62)が高いため、燃焼用空気の過剰供給によるエネルギー損失が大きい。空気比を省エネ法に基づく判断基準レベル(1.40)に調整し、燃料消費量を削減することを提案。
提案2
ボイラ
蒸気圧力の低減
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 47千円/年 |
設備概要 | ボイラ(1t/h×2台) |
キーワード
蒸気圧力の適正化
内容
ボイラの蒸気設定圧は0.7MPaであるが、蒸気使用機器側では0.3MPaに減圧して使用している。設定蒸気圧を0.5MPaに低減し、燃料消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
蒸気配管
蒸気バルブの保温対策
省エネ効果 | 2.6kL/年 |
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削減金額 | 229千円/年 |
設備投資額 | 395千円(回収1.7年) |
設備概要 | フランジ型玉形弁(80A×1個、50A×9個、25A×4個、<br /> 20A×5個)、減圧弁(50A×1個、32A×1個)等 |
キーワード
保温対策
内容
ボイラ室や配管の蒸気バルブの保温対策強化により熱放散を低減し、ボイラの燃料消費量を削減することを提案。
提案4
コンプレッサ
レシーバタンクの設置
省エネ効果 | 0.9kL/年 |
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削減金額 | 55千円/年 |
設備投資額 | 250千円(回収4.5年) |
設備概要 | レシーバタンク(100L×1台)、コンプレッサ(2台、計18.5kW) |
キーワード
吐出圧力の低減その他(レシーバタンクの設置)
内容
エアシリンダ(10数台)が一斉動作する際の圧力低下対策として、エア設定圧力を高くしている。小容量のレシーバタンク設置により、①エア圧力低下の防止、②コンプレッサの吐出圧力低減(0.70→0.60MPa)を行い、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
(注)レシーバタンクは、バッファタンクとも言う。
提案5
衛生設備
温水便座の省エネ対策
省エネ効果 | 0.1kL/年 |
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削減金額 | 10千円/年 |
設備投資額 | 14千円(回収1.4年) |
設備概要 | 温水便座(2台、291kWh/年・台)、<br /> ウイークリータイマ(2台)の設置 |
キーワード
不要時の便座保温停止、暖房便座の蓋閉め
内容
温水洗浄便座は通年使用されているが、ウイークリータイマ設置により、①夏季(半年)はOFF、②冬期使用時にはタイマで稼働時間外はOFF。さらに、③使用時間帯で設定温度緩和と便座の蓋閉め徹底により放熱を低減し、電力消費量を削減することを提案。
提案6
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 4.1kL/年 |
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削減金額 | 300千円/年 |
設備投資額 | 2,001千円(回収6.7年) |
設備概要 | 水銀灯、FLR蛍光灯→セラミックメタルハライドランプ、LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①天井水銀灯をセラミックメタルハライドランプに、②FLR蛍光灯をLED灯に更新し、電力消費量を削減することを提案。
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
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①水銀灯(400W/台) | セラミック メタル ハライド ランプ(230W/台) | 23 | 920 | 182 | 5.1 |
②FLR蛍光灯(110W/台) | LED灯(110W/台) | 23 | 1,081 | 118 | 9.2 |
提案7
受変電設備
動力用変圧器の統合
省エネ効果 | 0.6kL/年 |
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削減金額 | 44千円/年 |
設備投資額 | 450千円(回収10.2年) |
設備概要 | 変圧器(3φ300kVA、2→1台) |
キーワード
変圧器の統合
内容
動力用変圧器は300kVAが2台設置されているが、1台でも十分対応可能。変圧器1台に負荷を集約し、変圧器による損失を軽減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。