A社様では、不要な照明の間引きやファン・ポンプのインバータ化等の省エネ活動に取り組まれており、今回、空調設備やコンプレッサを中心とした省エネ診断を希望されました。診断の結果、換気方法改善や工場内発熱対策等による空調負荷軽減、コンプレッサの吐出圧力低減、高効率・長寿命の照明への更新、デマンド監視装置の運用改善等をご提案しました。
提案1
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 7.8kL/年 |
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削減金額 | 517千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(4台、計150kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
エア使用機器側では減圧弁で調整(0.5~0.55MPa)しているため、吐出圧力を必要な圧力まで低減(0.68→0.63MPa、▲0.05MPa)し、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案2
照明
不要な照明の消灯
省エネ効果 | 4.5kL/年 |
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削減金額 | 297千円/年 |
設備概要 | 水銀灯(415W/台×16台)、蛍光灯(65W/台×50台) |
キーワード
不要照明の消灯
内容
①部品倉庫の不要な水銀灯(415W/台×16台の60%)、②工場の不要な蛍光灯(65W/台×50台の10%)の消灯により、電力消費量を削減することを提案。
提案3
デマンド管理
デマンド監視装置の運用改善
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲50kW) |
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削減金額 | 924千円/年 |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用その他(最大電力の低減)
内容
直近の電力使用状況を踏まえて、デマンド監視装置の目標最大電力値を1550kW(▲50kW)とし、警報発生時に予め定めた特定機器(空調機や照明等)をOFFし、最大電力を抑制することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
空調設備
屋根への散水
省エネ効果 | 18.5kL/年 |
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削減金額 | 1,233千円/年 |
設備投資額 | 10,540千円(回収8.5年) |
設備概要 | 対象の屋根面積(11千m2) |
キーワード
日射対策
内容
A工場の一部に屋根散水設備が設けられており、診断時に天井の表面温度は屋根散水により51℃から34℃まで低下していた。散水設備を工場全体に広げて冷房負荷を低減し、電力消費量を削減することを提案。
提案5
換気設備
ボイラ室の換気改善による冷房負荷軽減
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 11千円/年 |
設備投資額 | 900千円(回収:老朽更新時に実施) |
設備概要 | 床面積225m2、スプレー冷却装置、スプレー吹き出し口等 |
キーワード
その他(室内の排熱対策)
内容
ボイラ室内の発熱量が多く天井部に熱気が滞留(52℃)し、二重天井でないため2F居室の冷房負荷を増大している。スプレー冷却された外気を水平方向に流し、そのエアカーテン効果により室内上部の温度を下げて2F居室の冷房負荷を軽減し、空調用の電力消費量を削減することを提案(お客様の要望対応)。
提案6
換気設備
工場の全体換気方式の改善
省エネ効果 | 46.0kL/年 |
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削減金額 | 3,058千円/年 |
設備投資額 | 4,500千円(回収1.5年) |
設備概要 | 排気ファン(0.4kW×100台)<br /> →排気ファン(0.4kW×50台)、給気ファン(0.4kW×50台) |
キーワード
外気冷房活用その他(換気方法の改善)
内容
工場は密閉構造で第3種換気方式(排気ファン+換気口等からの自然給気)のため負圧となり、給気量不足と推定。また、搬入口開放時に多量の外気が浸入し、搬入口近辺の環境を悪化させている。そのため、①第1種換気方式(排気ファン+給気ファン)に変更、即ち、排気ファン(100台)のうち50台を給気ファンに取り換えて交互に配置し、給気量の安定化と換気の均一化を図る。②夏期の夜間において外気温度が低い時期(6月・9月、平均20.9℃・22.7℃)にナイトパージ(外気冷房)実施を実施し、電力消費量を削減することを提案。
提案7
換気設備
コンプレッサ室の換気方式改善
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 89千円/年 |
設備投資額 | 440千円(回収4.9年) |
設備概要 | コンプレッサ(4台、計150kW)、排気ファン(0.4kW×4台) |
キーワード
台数制御その他(換気方法の改善)
内容
コンプレッサ室は第2種換気方式(給気ファン+排気口から自然排気)であるが、給気ファンが部屋上部・排気口が部屋下部にあるため、低温空気が排気され換気効果が低い。そのため、①給気ファンを排気ファンに取り換えてコンプレッサの吸気温度低減を図り、コンプレッサの電力消費量を削減する。②ファンの運転を室温による台数制御化し、ファンの電力消費量を削減することを提案。
提案8
工業炉、空調設備、蒸気配管
発熱対策による冷房負荷低減
省エネ効果 | 5.5kL/年 |
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削減金額 | 365千円/年 |
設備投資額 | 1,045千円(回収2.9年) |
設備概要 | 工業炉(表面積6.2m2)、変圧器(発熱量17.3kW)、<br /> フランジ型玉形弁(25A×30個) |
キーワード
その他(室内の排熱対策)保温対策保温対策
内容
工場内の発熱対策として、①工業炉(表面温度60℃)の保温対策、②変圧器(40℃)への排気ダクト設置、③蒸気弁の保温対策 により、空調負荷低減による電力消費量低減、炉加熱用電力消費量の低減、ボイラ燃料消費量の低減を提案。
項目 | 効果1 | 効果2 |
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①工業炉(表面温度60℃)の保温対策 | 空調負荷低減による 空調用電力消費量の削減 |
炉加熱用電力消費量の削減 |
②変圧器(40℃)への排気ダクト設置 | ― | |
③蒸気弁の保温対策 | ボイラ燃料消費量の削減 |
提案9
照明
水銀灯を高効率・長寿命のLED灯に更新
省エネ効果 | 20.4kL/年 |
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削減金額 | 1,353千円/年 |
設備投資額 | 12,350千円(回収:9.1年) |
設備概要 | 水銀灯(415W/台×130台、定格寿命12,000h)<br /> →LED灯(98W/台×130台、定格寿命40,000h) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
工場内の水銀灯をLED灯に更新し、電力消費量を削減することを提案。LED照明は、同じ光束に対し水銀灯より消費電力が少なく、ランプ寿命も長いため、省電力とランプ交換の軽減が図れる。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。