A社様では、不要な照明の間引きや電気加熱装置の保温対策等の省エネ活動に取り組まれており、今回、蒸気使用設備を中心に全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、蒸気配管の保温対策強化や蒸気ドレン回収利用、循環ポンプの非操業時停止、乾燥炉の給排気ファンのインバータ化、照明のLED化等をご提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
LPG (t/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 560 | 10 | 108 |
改善後 | 439 | 10 | 96 |
提案1
空調設備
設定温度の緩和
省エネ効果 | 2.6kL/年 |
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削減金額 | 180千円/年 |
設備概要 | 空調機(15台、能力計99kW) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
政府推奨の冷房/暖房の設定温度28℃/20℃を参考に、工場内の冷房/暖房の設定温度25℃/24℃を各々2℃緩和し、電力消費量を削減することを提案。
提案2
生産設備
循環ポンプの非操業時停止
省エネ効果 | 16.5kL/年 |
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削減金額 | 1,140千円/年 |
設備概要 | 循環ポンプ(11kW×1台) |
キーワード
不要設備の停止
内容
生産設備用の冷却水循環ポンプは、操業に関係なく連続運転されている。冷却塔の充填材に支障が発生するためとのことであるが、全く問題ない。非操業時にポンプを停止し、電力消費量を削減することを提案。
提案3
生産設備
生産設備操作制御盤の待機電力削減
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 15千円/年 |
設備概要 | 操作制御盤(3台、待機電力の計97W) |
キーワード
待機電力の削減
内容
A製造設備の元電源は24時間365日入っているが、平均すると年間1ヶ月程度の稼働である。設備が稼働しない時は元電源を切り、待機電力(DC電源、シーケンサ、インバータ、冷却ファン、表示灯等)を削減することを提案。
提案4
デマンド管理
デマンド監視装置の活用
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲10kW) |
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削減金額 | 135千円/年 |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用その他(最大電力の低減)
内容
最大電力は、今回の省エネ提案実施により10kW低減可能(171→161kW)。デマンド監視装置を活用し、警報発生時に空調設定温度の緩和、照明の部分消灯、生産設備の重複運転回避等により、最大電力を抑制することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
蒸気配管
蒸気配管・バルブの保温対策強化
省エネ効果 | 9.2kL/年 |
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削減金額 | 981千円/年 |
設備投資額 | 4,060千円(回収4.1年) |
設備概要 | フランジ型玉形弁(40A×10個、25A×20個)、<br /> フランジ(40A×20個、25A×40個)、<br /> 配管(40A×2m、25A×4m)等 |
キーワード
保温対策
内容
蒸気バルブや配管の保温対策を強化して熱放散の防止を図り、燃料消費量を削減することを提案。
提案6
蒸気使用設備
ドレン回収によるボイラの給水予熱
省エネ効果 | 2.2kL/年 |
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削減金額 | 237千円/年 |
設備投資額 | 570千円(回収2.4年) |
設備概要 | ボイラ(2台、灯油消費量72kL/年) |
キーワード
蒸気ドレンの回収
内容
蒸気加熱器のドレンを回収してボイラ給水に利用し、ボイラの燃料消費量を削減することを提案。
提案7
乾燥炉
給排気ファンのインバータ化
省エネ効果 | 2.4kL/年 |
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削減金額 | 170千円/年 |
設備投資額 | 660円(回収3.9年) |
設備概要 | 給排気ファン(15kW×1台、5.5kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
①乾燥炉の排気ファンは内圧を一定範囲内に保つように、吐出ダンパで調整している。②熱風発生装置の2次給気ファンの風量は、吐出ダンパで調整している。①②ともに、ダンパ全開+排気ファンのインバータ化(回転数制御)により、電力消費量を削減することを提案。
現状 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
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①排気ファン(15kW)のインバータ制御化 | 450 | 105 | 4.3 |
②給気ファン(5.5kW)のインバータ制御化 | 210 | 65 | 3.2 |
提案8
照明
不要照明の消灯徹底
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 88千円/年 |
設備投資額 | 20千円(回収0.2年) |
設備概要 | 水銀灯(415W/台:32→26台)、<br /> FLR蛍光灯(85W/台:50→40台) |
キーワード
照明の間引き個別スイッチ設置その他(点灯区分細分化による消灯)
内容
①水銀灯には点灯回路の細分化と間引き、②蛍光灯にはプルスイッチを取り付けて明るい窓際や不在時の消灯。①②より、電力消費量を削減することを提案。
提案9
照明
照明のLED化
省エネ効果 | 7.6kL/年 |
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削減金額 | 528千円/年 |
設備投資額 | 2,867千円(回収5.4年) |
設備概要 | 水銀灯、FLR蛍光灯→LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
水銀灯と蛍光灯を高効率のLED灯に更新し、電力消費量を削減することを提案。
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
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①水銀灯(415W/台) | LED灯(104W/台) | 32 | 2,081 | 438 | 4.8 |
②FLR蛍光灯(85W/台) | LED灯(44W/台) | 50 | 786 | 90 | 8.7 |
提案10
受変電設備
低負荷変圧器の統合
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 30千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収6.7年) |
設備概要 | 変圧器2台(3φ75kVA、3φ300kVA)→変圧器(3φ300kVA) |
キーワード
変圧器の統合
内容
負荷率の低い変圧器2台(3φ75kVA、3φ300kVA)を統合し、変圧器損失を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。