A市クリーンセンター様では、不要照明の間引き、OA機器の節電モード設定等の省エネ活動に取り組まれており、今回、全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、白煙低減装置停止による自家発電量増加、空調用外気取入量の適正化、冷温水ポンプ等のインバータ化、照明の高効率化更新等をご提案しました。
提案1
空調設備
電気室・タービン室の空調管理
省エネ効果 | 16.6kL/年 |
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削減金額 | 593千円/年 |
設備概要 | 空調機(3台、計90kW)、給排気ファン(2台、計13kW) |
キーワード
設定温度の適正化間欠運転
内容
①電気室:電気品は周囲温度40℃で設計されているため、空調の設定温度を緩和(25→35℃)、②タービン室:常時換気されているが、室温が低い冬期は給排気ファンを停止。①②により、電力消費量を削減することを提案。
提案2
蒸気使用設備
白煙低減装置停止による発電量増加
省エネ効果 | 332.9kL/年 |
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削減金額 | 11,939千円/年 |
設備概要 | 白煙低減用蒸気量(約9千t/年) |
キーワード
その他(蒸気使用設備の停止)
内容
煙突からの白煙低減のため、空気予熱の熱源として発電用ボイラからの蒸気を使用している。白煙は有害ではないため、白煙低減装置を停止して発電に供給する蒸気量を増やし、発電量を増加(+3%)させることを提案。
提案3
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 14.7kL/年 |
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削減金額 | 527千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(5台、計74kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサの吐出圧は0.56~0.64MPaであるが、使用先では減圧弁で0.25MPaに調整している。動作状況を確認しながら吐出圧を0.1MPaを下げて、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
空調設備
外調機にCO2濃度制御を導入
省エネ効果 | 100.4kL/年 |
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削減金額 | 3,604千円/年 |
設備投資額 | 5,490千円(回収1.5年) |
設備概要 | 外調機(10台、計63kW) |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
空調システムは外調機とパッケージエアコンで構成され、室内CO2濃度(年平均490ppm)がビル管法の推奨値(1,000ppm以下)と比較し大幅に小さい。CO2濃度制御(目標CO2濃度700ppm)により外気取入量を低減し、外調機の送風動力の削減を図ることを提案。
提案5
空調設備
室外機の間欠運転
省エネ効果 | 11.5kL/年 |
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削減金額 | 414千円/年 |
設備投資額 | 5,000千円(回収12.1年) |
設備概要 | 室外機の圧縮機(定格容量計:101kW) |
キーワード
間欠運転
内容
施設の躯体壁や機器類の熱容量が非常に大きいため、室外機の圧縮機を短時間停止しても、室内温度はほとんど変化しない。室内機の送風機は運転継続、外調機の圧縮機を間欠停止(30分のうち4.5分停止)し、電力消費量を削減することを提案。
提案6
空調設備
冷温水ポンプ等のインバータ化
省エネ効果 | 79.5kL/年 |
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削減金額 | 2,851千円/年 |
設備投資額 | 10,048千円(回収3.5年) |
設備概要 | 冷水/冷温水/温水ポンプ(8台、計122kW)、<br /> 冷却水ポンプ(4台、計104kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
冷却水や冷温水の往還温度差は負荷増減により変化するが、熱源水ポンプは定流量で運転され、現状の温度差は年平均2.5℃と小さい。ポンプにインバータを導入して温度差5℃で送水量を制御し、ポンプの電力消費量を削減することを提案。
現状 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
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①冷水ポンプ3台、冷温水ポンプ3台、 温水ポンプ2台(計104kW) |
5,368 | 2,037 | 2.6 |
②冷却水ポンプ(4台、計104kW) | 4,680 | 814 | 5.7 |
提案7
排水処理
曝気ブロワのDO制御化
省エネ効果 | 25.2kL/年 |
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削減金額 | 903千円/年 |
設備投資額 | 1,114千円(回収1.2年) |
設備概要 | 曝気ブロワ(18.5kW×1台) |
キーワード
インバータの導入その他(曝気ブロワの回転数低減)
内容
曝気ブロワ2台は交互運転であるが、生物処理槽後の放流水のBOD値(生物化学的酸素要求量:実測5ppm、設計値10ppm)より、過曝気状態。同放流水のDO(溶存酸素量)を連続測定し、曝気ブロワの回転数制御(DO制御、バルブ開度固定+インバータ導入)を行い、電力消費量を削減(▲60%)することを提案。
提案8
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 181.8kL/年 |
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削減金額 | 6,523千円/年 |
設備投資額 | 30,202千円(回収4.6年) |
設備概要 | 蛍光灯、水銀灯、蛍光灯型誘導灯→<br /> LED灯、セラミックハライドランプ、LED誘導灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
FLR蛍光灯及び水銀灯、蛍光灯型誘導灯を高効率照明に更新し、電力消費量を削減することを提案。
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
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①FLR蛍光灯(85W/台) | LED灯(40W/台) | 1,352 | 21,632 | 4,347 | 5.0 |
②水銀灯(400W/台) | セラミックハライドランプ(190W/台) | 122 | 5,490 | 2,071 | 2.7 |
③蛍光灯型誘導灯(15W/台) | LED誘導灯(2.0W/台) | 100 | 3,080 | 105 | 29.3 |
提案9
その他
太陽光発電設備の導入
省エネ効果 | 10.9kL/年 |
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削減金額 | 1,522千円/年 |
設備投資額 | 20,000千円(回収:13.1年) |
設備概要 | 太陽光発電設備(50kW×1台) |
キーワード
太陽光発電の導入
内容
管理棟屋上は日射条件もよく、太陽電池アレイ設置に十分なスペースがある。本事業所では太陽光発電設備導入の計画があるため、50kW設備の効果を算定。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。