株式会社丸美屋 菊水工場様では、空調の設定温度適正化や不要照明の消灯等の省エネ活動に取り組まれており、今回はボイラの省エネや高効率照明の導入等についての診断を希望されました。診断の結果、ボイラの空気比適正化やボイル・クール槽の運転方法改善、天井照明の高効率化等をご提案しました。個別の改善提案の他に、エネルギー原単位(重油消費量/大豆俵数)管理、蒸気の収支分析などの管理・検討手法もご提示しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
A重油 (kL/年) |
灯油 (kL/年) |
LPG (t/年) |
---|---|---|---|---|
改善前 | 3,700 | 1,100 | 150 | 2 |
改善後 | 3,619 | 1,052 | 150 | 2 |
区別 | 経済産業省 |
---|---|
補助金名称 | エネルギー使用合理化事業者支援補助金 |
受給年度 | 平成25年度 |
対象設備名 | 高効率ボイラ、高効率チラー |
提案1
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 40.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 3,014千円/年 |
設備概要 | 貫流ボイラ(2t/h×3台) |
キーワード
空気比の適正化
内容
空気比が1.6と高く、燃焼用空気を必要以上に供給しており、排熱によるエネルギー損失が大きい。空気比を適正値(1.3)に下げる事で、燃料消費量を削減することを提案。
提案2
エア配管
エア漏れ対策
省エネ効果 | 3.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 177千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(2台、計59kW) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
エア配管の漏れ点検を停電点検日に実施することでエア漏れ量を調査~削減し、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案3
デマンド管理
デマンド監視装置活用による最大電力の低減
省エネ効果 | 最大電力を10kW低減 |
---|---|
削減金額 | 251千円/年 |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視(制御)装置の活用
内容
井水はタンクに一旦貯蔵して使用している。デマンド監視装置を活用してピーク電力を監視し、設定値に近づいたとき、井水ポンプ(8台、計27.4kW)の一部を停止して最大デマンドを抑制(736→726kW、▲10kW)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
蒸気配管
蒸気漏れの改善
省エネ効果 | 6.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 461千円/年 |
設備投資額 | 20千円(回収0.04年) |
設備概要 | 貫流ボイラ(2t/h×3台) |
キーワード
蒸気漏れ対策
内容
蒸気配管の末端のバルブからの蒸気漏れ(1か所)を止めることで、ボイラの燃料消費量を低減することを提案。
提案5
蒸気配管
保温対策
省エネ効果 | 1.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 135千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収0.7年) |
設備概要 | 配管(15A×1m×10ヶ所) |
キーワード
保温対策
内容
蒸気配管の一部に保温が施されていない部分があり、無駄な放熱がある。保温カバーにて保温し熱放散の防止を図ることで、ボイラの燃料消費量を低減することを提案。
提案6
生産設備
ボイル・クール槽の粗熱取り改善
省エネ効果 | 21.9kL/年 |
---|---|
削減金額 | 1,133千円/年 |
設備投資額 | 2,000千円(回収1.8年) |
設備概要 | 冷凍機4台 |
キーワード
その他(冷却水温度の適正化)
内容
ボイル・クール槽では、製品を加熱後に粗熱を取り、冷水(5℃)で冷却している。粗熱を取る槽からの排水温度が60℃であり、粗熱取りが不十分。粗熱を取る水を冷却(40℃)して循環させる等により冷却前の製品温度を下げ、冷凍機の電力消費量を削減(▲36%)することを提案。
提案7
照明
水銀灯をLEDに交換し、点灯時間短縮
省エネ効果 | 6.7kL/年 |
---|---|
削減金額 | 347千円/年 |
設備投資額 | 1,600千円(回収4.6年) |
設備概要 | 水銀灯(415W/台×16灯)→LED灯(172W/台×16灯) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
天井の水銀灯は瞬時点灯ができないため、部屋が無人時でも消灯していない。水銀灯をLEDに更新し有人時のみ点灯することで、点灯時の消費電力低減と点灯時間短縮(12→3時間/日)し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。