キングパーツ株式会社様では空調対象エリアの断熱工事や不要な照明の消灯等の省エネ活動に取り組まれており、今回、全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、コンプレッサの台数制御化・インバータ機種の導入、ファンやポンプのインバータ導入、デマンド抑制による最大電力低減等をご提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
A重油 (kL/年) |
LPG (t/年) |
---|---|---|---|
改善前 | 4,200 | 66 | 220 |
改善後 | 3,991 | 65 | 215 |
提案1
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
---|---|
削減金額 | 47千円/年 |
設備概要 | 重油焚きボイラ(2台) |
キーワード
空気比の適正化
内容
ボイラ2台の空気比が 1.48~1.59 と高く、必要以上の燃焼用空気が供給され、排ガスによるエネルギー損失が大きい。空気比を適正化(1.40)し、燃料(A重油)消費量を削減することを提案。
提案2
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 5.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 439千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(4台、計148kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
減圧弁でエア圧を調整して使用していることから吐出圧力を0.1MPa低減(0.70→0.60MPa)し、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案3
エア配管
エア漏れ対策
省エネ効果 | 2.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 190千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(12台、計257kW) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
エア配管の点検~エア漏れ対策の実施により、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案(効果は漏れ率10%の80%改善として試算)。
提案4
工業炉
鋳型焼成炉の空気比適正化
省エネ効果 | 6.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 704千円/年 |
設備概要 | 焼成炉5台 |
キーワード
空気比改善
内容
鋳型焼成炉の空気比は1.40と高目で、必要以上の燃焼用空気が供給され、排ガスによるエネルギー損失が大きい。空気比を適正化(1.30)し、燃料(LPG)消費量を削減することを提案。
提案5
照明
照明の間引き
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 65千円/年 |
設備概要 | 蛍光灯(85W/台)56台→38台 |
キーワード
照明の間引き
内容
検査・出荷場はタスク(作業)照明を実施しているため、アンビエント(周囲環境)の照明を間引きし、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
コンプレッサ
台数制御の導入、及びインバータ制御コンプレッサの導入
省エネ効果 | 26.9kL/年 |
---|---|
削減金額 | 2,194千円/年 |
設備投資額 | 12,000千円(回収5.5年) |
設備概要 | コンプレッサ(9台、計294kW)→<br /> コンプレッサ(2台、計74kW) |
キーワード
台数制御 高効率機への更新
内容
単独稼働かつ70%程度の低負荷で運用中のコンプレッサが多数あるため、配管で統合し、所要負荷に応じた運転台数とすることで、効率を上げる。更に、風量調整を吸入弁絞り方式で行う効率の低い既存設備の更新時に、インバータ制御コンプレッサを導入し、台数制御と組み合わせ、風量に応じた最適運転を行うことでコンプレッサ群の電力消費量を削減することを提案。
提案7
生産設備
ファン、ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 8.9kL/年 |
---|---|
削減金額 | 724千円/年 |
設備投資額 | 930千円(回収1.3年) |
設備概要 | ①ファン(30kW×1台)、②ポンプ(1.5kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
集塵機ファン、炉冷却水循環ポンプは、流量を吐出側で各々50%、60%程度に絞って運用されている。インバータを導入し、ダンパ及び弁を全開状態で、回転数制御により流量を調整し、電力消費量を削減することを提案。
提案8
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 9.5kL/年 |
---|---|
削減金額 | 769千円/年 |
設備投資額 | 3,660千円(回収4.8年) |
設備概要 | 水銀灯、FLR蛍光灯→<br /> セラミックメタルハライドランプ、LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①工場内の水銀灯、②Z工場天井の蛍光灯を高効率照明に更新し、電力消費量を削減することを提案。
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
---|---|---|---|---|---|
①水銀灯 (400W/台) | セラミックメタルハライドランプ(190W/台) | 60 | 2,700 | 519 | 5.2 |
②FLR蛍光灯(85W/台) | LED灯(40W/台) | 60 | 960 | 250 | 3.8 |
提案9
デマンド管理
熱処理工場の電力ピークシフト
省エネ効果 | 契約電力を75kW低減 |
---|---|
削減金額 | 1,265千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収0.3年) |
設備概要 | リーチング炉(定格120kW) |
キーワード
その他(使用電力のピークシフト) その他(契約電力の低減)
内容
熱処理炉は、15時頃からの12時間連続稼働(2回/月程度)である。契約電力に余裕のある夜間時間帯に移行して稼働し、契約電力を75kW低減(655→580kW)することを提案。
提案10
デマンド管理
デマンド監視制御装置導入による最大電力低減
省エネ効果 | 契約電力を31kW低減 |
---|---|
削減金額 | 523千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収0.8年) |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
A・B工場は夏季が高負荷であり、空調の影響と思われる。デマンド監視制御装置を導入して最大電力を監視し、設定値に近づいた場合に予め定めた機器(大容量の空調機、電気炉等)の運転を停止することにより最大需要電力を抑制し、契約電力を31kW低減(1,051→1,020kW)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。