青森県りんごジュース株式会社様では空調設定温度の適正化やポンプ・ファンへのインバータ導入等の省エネ活動に取り組まれていますが、今回、ボイラと照明設備の診断に加え運用改善全般の診断を希望されました。診断の結果、高効率照明への更新、冷凍機の冷媒蒸発圧力の適正化、デマンド監視装置の追加導入と運用強化等をご提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
A重油 (kL/年) |
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改善前 | 3,800 | 870 |
改善後 | 3,665 | 866 |
提案1
冷凍冷蔵設備
冷凍機の冷媒蒸発圧力の適正化
省エネ効果 | 6.6kL/年 |
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削減金額 | 480千円/年 |
設備概要 | 冷凍機<br /> (1台、電動機55kW、COP:改善前1.15→改善後2.16) |
キーワード
その他(冷凍機の冷媒蒸発圧力の適正化)
内容
チルド水製造用冷凍機の冷媒蒸発圧力は、0.02MPaと極低温域(-35℃相当)の設定となっている。4℃の冷水を製造しているため、冷媒蒸発温度設定を適正な値に上げて冷凍機効率を改善することで、電力消費量を削減することを提案。(効果は-15℃設定に変更したとして試算)
提案2
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
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削減金額 | 64千円/年 |
設備概要 | 貫流ボイラ(2t/h×7台) |
キーワード
空気比の適正化
内容
蒸気ボイラ7台のうち1台だけが空気比が高い(1.4)。空気比を他の6台と同じ1.3に調整し、燃料使用量を削減することを提案。
提案3
排水処理
曝気ブロワの休日運転台数削減
省エネ効果 | 4.0kL/年 |
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削減金額 | 247千円/年 |
設備概要 | 曝気ブロワ(5.5kW×6台) |
キーワード
稼働台数の削減
内容
曝気ブロワは3台運転と6台運転のパターンをタイマで切り替えている。
休日等の工場非操業日は排水負荷が減るため、DO値を確認した上で曝気ブロワ運転台数を低減し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
エア配管
エア漏れ防止対策
省エネ効果 | 1.8kL/年 |
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削減金額 | 110千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(8台、計41kW) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
コンプレッサは、対象設備単位で設置されているが、生産機器の稼動状況と合わないon/offが繰り返されており、エア漏れが疑われる。配管系統のエア漏れチェック及び対策を行い、コンプレッサの消費電力削減を図ることを提案。(効果は、漏れ率10%で、内80%を削減として試算)。
提案5
冷凍冷蔵設備
冷却水循環ポンプの制御
省エネ効果 | 3.6kL/年 |
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削減金額 | 222千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収1.4年) |
設備概要 | ポンプ(1台、5.5kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
冷凍・冷蔵庫用冷凍機の冷却水ポンプで、吐出バルブを絞って流量調整しているものがある。ポンプへインバータを導入し、回転数制御により流量調整を行い、ポンプ用の電力消費量を削減することを提案。
提案6
蒸気配管
保温対策の追加
省エネ効果 | 3.4kL/年 |
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削減金額 | 270千円/年 |
設備投資額 | 260千円(回収1.0年) |
設備概要 | フランジ型玉形弁(80A×11個)、ヘッダの端末部(4箇所) |
キーワード
保温対策
内容
蒸気ヘッダのバルブや両端末部で、保温対策が施されていないものがある。保温対策を行い、ボイラの燃料消費量を削減することを提案。
提案7
コンプレッサ
メインコンプレッサをインバータ式に更新
省エネ効果 | 3.4kL/年 |
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削減金額 | 214千円/年 |
設備投資額 | 1,800千円(回収8.4年) |
設備概要 | コンプレッサ(1台、22kW) |
キーワード
高効率機への更新
内容
吸込み弁絞り方式のスクリューコンプレッサが低負荷(50%程度)で運転されており、アンロード運転時の無駄な電力消費が多い。インバータ制御型コンプレッサを導入し、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案8
照明
FLR蛍光灯をHf蛍光灯に更新
省エネ効果 | 11.0kL/年 |
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削減金額 | 684千円/年 |
設備投資額 | 8,700千円(回収12.7年) |
設備概要 | FLR蛍光灯(435台、2灯式、85W/台)→<br /> G-Hf蛍光灯(435台、1灯式、52W/台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
従来型のFLR型蛍光灯(2灯型)を、高効率のG-Hf蛍光灯(1灯)に更新することにより、電力消費量を削減することを提案。
提案9
受変電設備
高効率変圧器への更新
省エネ効果 | 4.4kL/年 |
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削減金額 | 273千円/年 |
設備投資額 | 3,440千円(回収12.6年) |
設備概要 | 変圧器<br /> (3φ:200kVA×1台、600kVA×1台、1φ:75kVA×1台) |
キーワード
高効率変圧器への更新
内容
変圧器は38年を経過しており、更新時期を迎かえている。高効率変圧器への更新により、電力損失の低減を図ることを提案。
提案10
デマンド管理
簡易デマンド監視制御装置の導入
省エネ効果 | 最大電力の抑制(1,000→950kW) |
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削減金額 | 964千円/年 |
設備投資額 | 1,100千円(回収1.1年) |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
デマンド監視制御装置が設置されているが、警報発令時の停止対象機器が大型冷凍庫のチラーに限定されており、対象機器が既に停止している場合に対応遅れが発生している。4か所の変電室毎に、簡易デマンド監視制御装置を導入し、警報発令時の機器停止体制を整備・運用することで、事業所全体の最大電力を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。