アンデス株式会社オプトロエレクトロニクス様におけるエネルギー使用割合は電力が77%、燃料が23%となっています。年間24時間操業のクリーンルームがあるため、電力では空調熱源搬送動力(ポンプ類)が、また、燃料では蒸気式吸収式冷温水機用の蒸気ボイラ燃料(A重油)が多いことが特徴と言えます。診断では、冷水・冷却水ポンプのインバータ化、蒸気ボイラの空気比の適正化、蒸気配管・バルブの保温対策を、またその他では圧縮空気配管でのエア漏れ量の低減、高効率照明への更新、最大電力の低減、変圧器の統合等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
A重油 (kL/年) |
軽油 (kL/年) |
上水 (千m3/年) |
井水 (千m3/年) |
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改善前 | 9,695 | 743 | 11 | 3 | 120 |
改善後 | 9,311 | 719 | 11 | 3 | 120 |
提案1
コンプレッサ
圧縮空気配管のエア漏れ量の低減
省エネ効果 | 33.1kL/年 |
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削減金額 | 1,674千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ (125kW×3台) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
圧縮空気配管を通してエアは使用側へ送られている。定期的なエア漏れの検知および巡回点検による漏れ箇所の確認・補修により漏れ量を低減することを提案。ここでは、漏れ率を吐出空気量の10%として電力削減量を試算。
提案2
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 16.4kL/年 |
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削減金額 | 1,176千円/年 |
設備概要 | 蒸気ボイラ 3台 |
キーワード
空気比の適正化
内容
現在蒸気ボイラ3台が運転されており、ばい煙測定データから空気比を算出すると、1号機、3号機は空気比=1.7で、2号機は空気比=3.0であった。2号機の値は異常なため、3台とも空気比=1.7として、これを適正値(空気比=1.4)に下げて燃料(A重油)消費量を低減することを提案。
提案3
デマンド管理
デマンド監視制御装置活用
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 559千円/年 |
設備概要 | デマンド監視制御装置 (1,329kW→1,300kW) |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
最大電力が10月に1,329kWが発生している。デマンド監視制御装置を活用し、最大電力の低減目標を1,300kWと定め、この値に近づいたらデマンド監視制御装置から警報を出力させ、予め定めた遮断可能な負荷(空調機など)を電源オフして、最大電力を29kW低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
冷却設備
冷水・冷却水ポンプへのインバータ導入
省エネ効果 | 52.3kL/年 |
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削減金額 | 2,644千円/年 |
設備投資額 | 3,600千円(回収1.4年) |
設備概要 | ①冷水1次ポンプ(7.5kW×1台)、<br /> ②冷水2次ポンプ(22kW×3台}、<br /> ③冷却水ポンプ(22kW×3台) |
キーワード
インバータの導入
内容
①冷凍機3台に対して冷水1次ポンプ1台が設置され、冷凍機に連動して運転している。ポンプ能力が過大のため負荷に応じたインバータ制御を導入。②冷水2次ポンプが3台設置され、その内の2台が常時運転している。まだ負荷が少ないため常時1台運転に変更すると伴にインバータ制御を導入。③冷却塔用冷却水ポンプが3台設置され、各冷凍機と連動運転し、年間を通して定格運転している。冬季は冷却負荷の少ないためインバータ制御を導入。インバータ制御機を導入して電動機の軸動力を低減、電力消費量を削減することを提案。
提案5
ボイラ
蒸気バルブの保温対策
省エネ効果 | 7.4kL/年 |
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削減金額 | 533千円/年 |
設備投資額 | 360千円(回収0.7年) |
設備概要 | 蒸気バルブ (フランジ型玉形弁65A×15個) |
キーワード
保温対策
内容
蒸気ボイラより蒸気圧力0.3MPa、蒸気温度144℃(at0.4MPa)の蒸気を送っている。蒸気配管二方弁系統のバルブ類に保温がなく放熱ロスが見られる。これ等を保温して放熱を防止することで、ボイラ燃料(A重油)を削減することを提案。
提案6
受変電設備
変圧器の統合
省エネ効果 | 9.4kL/年 |
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削減金額 | 477千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収0.2年) |
設備概要 | 変圧器 オプト(1)キュービクル <br /> (3Φ300kVA×1台、3Φ500kVA×3台)、<br /> 管理課キュービクル<br /> (1Φ75kVA×2台、3Φ200kVA×1台、3Φ300kVA×1台) |
キーワード
変圧器の統合
内容
オプト(1)キュービクルおよび管理課キュービクルに設置された変圧器の負荷率はいずれも低い。オプト(1)キュービクルの変圧器は、500kVA×3台を停止して、それらの負荷を300kVA×1台に統合する。管理課キュービクルは、1Φー75kVA×1台と3Φー300kVA×1台を停止して、夫々の負荷を他の1Φー75kVA×1台、3Φー200kVA×1台に統合し、電力消費量を削減することを提案。
提案7
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 4.0kL/年 |
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削減金額 | 200千円/年 |
設備投資額 | 576千円(回収2.9年) |
設備概要 | 従来型蛍光灯(FLR40W2灯用×56台)<br /> →Hf型蛍光灯(Hf32W2灯×48台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
本社工場のエッチング室には、従来型蛍光灯が56台設置されている。設置後30年を経過し更新時期を迎えていること、また消費電力も大きいことから、消費電力の少ないHf型蛍光灯48台(同等の明るさとする)に更新し、電力消費量を削減することを提案。
提案8
冷却設備
吸収式冷温水機の冷水設定温度の適正化(参考)
省エネ効果 | ー |
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削減金額 | ー |
設備投資額 | ー |
設備概要 | 蒸気式吸収式冷温水機 (冷房能力 125kW×3台) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
蒸気式吸収式冷温水機が空調熱源機として使用されている。現状は冷水出口温度の設定温度を7℃で年間を通して運転している。しかし盛夏でも冷房負荷が少なく余裕があることから、年間を通して冷水出口温度を9℃程度に緩和し、蒸気ボイラの燃料(A重油)を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。