株式会社長野金属 山形工場様におけるエネルギー使用割合は電力が86%、燃料が14%です。電力ではコンプレッサの消費が70%を占め、残りが照明設備、生産設備等です。また燃料では、灯油が冬場の暖房に使用されています。診断では、特に消費の多いコンプレッサでは、吐出圧力の低減、インバータ機の導入、レギュレータの設置、吸気温度の低減などを、また照明では、個別スイッチの設置、不要時の消灯、外灯点灯時間帯の見直し等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
灯油 (kL/年) |
上水 (千m3/年) |
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改善前 | 631 | 27 | 1 |
改善後 | 449 | 27 | 1 |
提案1
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 12.6kL/年 |
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削減金額 | 792千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ (75kW×1台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
工場内に設置されているコンプレッサの吐出圧力は0.73MPaで運転されている。エア使用側の必要圧力は0.5MPa程度であり、配管などの圧力損失を考慮に入れても現状の吐出圧力は高いため、吐出圧力を0.6MPaに低減して、圧縮機の軸動力を下げ電力消費量を削減することを提案。
提案2
コンプレッサ
圧縮空気配管のエア漏れ量の低減
省エネ効果 | 6.7kL/年 |
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削減金額 | 425千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ (75kW×1台) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
圧縮空気配管を通してエアは使用側へ送られている。診断時に生産設備でエア漏れが散見された。定期的なエア漏れの検知および巡回点検による漏れ箇所の確認・補修により漏れ量を低減することを提案。ここでは、漏れ率を吐出空気量の10%として電力削減量を試算。
提案3
照明
不要時 消灯の徹底
省エネ効果 | 0.7kL/年 |
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削減金額 | 44千円/年 |
設備概要 | 蛍光灯(40W2灯用×33台) |
キーワード
不要照明の消灯(昼休み時の消灯)
内容
トラックヤードに蛍光灯が設置され常時点灯している。日中は消灯しても作業に支障のない照度が確保されるので、消灯して電力消費量を削減することを提案。
提案4
給排水
止水栓による吐出量調整
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 16千円/年 |
設備概要 | 止水栓、吐出量(8L/回→6L/回) |
キーワード
その他(吐出量調整)
内容
現状、洗面器の湯水の吐出量が8L/回と多い。診断時、適正な吐出量の実験を行ったところ、50%閉止が適当(吐出量6L/回)であるので調整し、上水を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
コンプレッサ
インバータ機の導入
省エネ効果 | 15.1kL/年 |
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削減金額 | 954千円/年 |
設備投資額 | 4,000千円(回収4.2年) |
設備概要 | コンプレッサ 75kW×1台<br /> (吸込み絞り方式→インバータ制御方式へ更新) |
キーワード
インバータの導入
内容
現在、スクリュー型コンプレッサ(吸込み絞り方式)が稼動している。電力量測定結果から想定すると負荷率は70%程度とやや低い。また、本機は設置後14年を経過していることも考慮に入れ、この際、インバータ機に更新して電力消費量を削減することを提案。
提案6
コンプレッサ
レギュレータ設置による使用端圧力の低減
省エネ効果 | 8.5kL/年 |
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削減金額 | 537千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収0.6年) |
設備概要 | レギュレータ 20箇所 <br /> (圧力調整 0.5MPa→0.4MPaまたは0.3MPa) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
コンプレッサの圧縮空気は、エアシリンダ、エアブローの用途に圧力0.5MPaで使用されている。この圧力は、必要圧力より高い圧力であるので、設備毎にレギュレーターを取り付け、必要圧力(エアシリンダ:0.4MPa、エアブロー:0.3MPa)に下げて、電力消費量を削減することを提案。
提案7
照明
蛍光灯器具に個別スイッチの設置
省エネ効果 | 2.1kL/年 |
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削減金額 | 131千円/年 |
設備投資額 | 150千円(回収1.1年) |
設備概要 | 蛍光灯 (40W2灯用×40台) |
キーワード
個別スイッチ設置
内容
第1工場内には蛍光灯が10台、第2工場には蛍光灯が30台が使用されているが、部屋の隅や機械の真上の蛍光灯が常時点灯している。常時点灯する必要がないので、これ等の蛍光灯器具にプルスイッチを取り付けて必要時のみ点灯するように改善し、電力消費量を削減することを提案。
提案8
受変電設備
動力用変圧器の統合
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 26千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収3.8年) |
設備概要 | 動力用変圧器<br /> (3Φ75kVA×1台、200kVA×1台→3Φ200kVA×1台) |
キーワード
変圧器の統合
内容
受電室に油入り変圧器、3Φ75kVAと、3Φ200kVA各1台が設置されている。両変圧器とも定格容量に比して負荷が少ないので、両者を統合して3Φ200kVA1台として電力消費量を削減することを提案。
提案9
コンプレッサ
吸気温度の低減
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 18千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収5.6年) |
設備概要 | コンプレッサ(75kW×1台) |
キーワード
吸気温度の低減
内容
コンプレッサの排気は排気ダクトにより排出されているが、排気ファンがないため、夏季・中間期は常時高温状態になる。排気ファンを設置して十分な排気を行い、吸気温度を35℃→30℃に下げて圧縮機の軸動力を低減、電力消費量を削減することを提案。
提案10
照明
外灯照明の消灯設定時間の見直し
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 15千円/年 |
設備投資額 | 50千円(回収3.3年) |
設備概要 | 外灯照明(400W×3台) |
キーワード
不要照明の消灯(昼休み時の消灯)
内容
現在、外灯照明は、週間式タイマーにより日曜日の夜だけ消灯している。週間式タイマーをプログラムタイマーに替えて、会社が休みには消灯するよう設定変更して、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。