株式会社吉川国工業所様におけるエネルギー使用量は、電力が100%です。電力消費の内訳は、射出成形機とその付帯設備、コンプレッサなどの生産設備が約50%、空調と照明設備で約35%、その他が15%となっています。また、工場の機械設備、空調、照明設備の診断を希望されました。従って、生産設備操業改善や射出成形機や油圧ポンプの省エネを中心に、また。その他コンプレッサ吐出圧力の低減、吸い込みフィルタの清掃、エア漏れ量の低減、水銀灯の高効率化、デマンド監視装置の活用等をご提案しました。
提案1
デマンド管理
デマンド監視制御装置の活用
省エネ効果 | 契約電力 462kW→390kW(72kWの低減) |
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削減金額 | 1,292千円/年 |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
現在の契約電力は462kWであり最大電力は8月に462kWが発生している。最大電力の低減目標を390kWと定め、この値に近づいたらデマンド監視制御装置から警報を出力させ、予め定めた遮断可能な負荷(成形機ヒーター、冷房用チラー、冷却水ポンプ、空調機等)の電源オフして最大電力を抑制することで、契約電力を72kW低減することを提案。
提案2
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 6.2kL/年 |
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削減金額 | 359千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ 48kW (22kW、15kW、11kW 各1台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
工場内に設置されているコンプレッサは、いずれも吐出圧力0.7MPaで運転され、使用端必要圧力(0.5MPa)や配管などの圧力損失を考慮に入れても吐出圧力は高いため、吐出圧力を0.6MPaに低減して圧縮機の軸動力を下げ、電力消費量を削減することを提案。
提案3
コンプレッサ
圧縮空気配管のエア漏れ量の低減
省エネ効果 | 2.3kL/年 |
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削減金額 | 135千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ 48kW (22kW、15kW、11kW 各1台) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
圧縮空気配管を通してエアは使用側へ送られている。定期的なエア漏れの検知および巡回点検による漏れ箇所の確認・補修により漏れ量を低減することを提案。ここでは、漏れ率を吐出空気量の10%として電力削減量を試算。
提案4
コンプレッサ
吸込みフィルタの清掃
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 11千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ (15kW×1台) |
キーワード
吸込みフィルタの清掃
内容
第1工場のスクリューコンプレッサの吸込み側フィルタが清掃されてなく汚れが見受けられた。吸込み側フィルタの現状平均圧損は、2.5kPaであったが、清掃後1.25kPaに低減することで、コンプレッサの軸動力を減らし電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
照明
水銀灯を高効率照明へ更新
省エネ効果 | 10.4kL/年 |
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削減金額 | 604千円/年 |
設備投資額 | 550千円(回収0.9年) |
設備概要 | 照明 水銀灯(400W×24台)<br /> →無電極型ランプ(150W×11台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
水銀灯24台が使用されているが、消費電力が大きい。同じ光束でも消費電力が少なく、長寿命である無電極型ランプ11台に更新して電力消費量を削減することを提案。なお、現状の適正照度は300lxであるため台数を24台→11台に減らしている。
提案6
生産設備
操業改善による省エネ
省エネ効果 | 10.3kL/年 |
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削減金額 | 602千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収0.7年) |
設備概要 | 生産設備 |
キーワード
不要設備の停止 運転時間の短縮
内容
生産設備の稼動状況を電力消費量(計測値)と生産数量との原単位により把握・分析して電力消費ロスの発見と対策を実施する。その視点は①生産品がなくとも、搬送機等の付帯設備が稼動している。②熱源が入っていない状況でも換気系ファンが稼動している。③生産ラインが稼動していない時間帯でも「ヒーター」は設定値を維持している。④設備トラブルによる停止を減らすため予防保全を行うことが稼働率向上に繋がる。この対策により3%の効果を期待できるとし、生産設備の電力消費量を削減することを提案。
提案7
生産設備
油圧ポンプに低損失作動油を採用
省エネ効果 | 9.7kL/年 |
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削減金額 | 565千円/年 |
設備投資額 | 835千円(回収1.5年) |
設備概要 | 油圧ポンプ10台、総容量470kW (30kW~67kW) |
キーワード
その他(低損失作動油の採用)
内容
射出成形機の油圧ポンプが設置されている。現状、油圧ポンプに使用している作動油は一般タイプのものであるが、これを低損失型の耐摩耗性作動油に換えることで、配管抵抗による損失やポンプ摩擦損失の減少しポンプ動力の低減となる。このことで電力消費量を削減することを提案。
提案8
生産設備
射出成型機のスクリューヒーター部の保温対策
省エネ効果 | 8.6kL/年 |
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削減金額 | 503千円/年 |
設備投資額 | 1,196千円(回収2.4年) |
設備概要 | 射出成形機14台 |
キーワード
保温対策
内容
射出成形機が14台あり、そのスクリューヒーター部は、カバーはあるが、保温されてなく放熱量が大きい。ヒーター表面温度は100℃(平均値)あり、この表面を保温効果の高い保温材で保温してヒーター表面温度40℃(目標)に低減を図り、ヒーターに使用する電力消費量を削減することを提案。
提案9
冷却設備
冷却塔ファン動力の削減
省エネ効果 | 5.7kL/年 |
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削減金額 | 333千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収0.6年) |
設備概要 | 冷却塔ファン(2.2kW×2台) |
キーワード
非製造時(不要)時・休日の稼働台数削減
内容
冷水チラー用冷却塔ファン2台が、外気温度が低いときでも常時運転している。自動運転回路が機能していないことが原因と考えられる。対策として制御回路を再設定(改造)して外気温度により冷却塔ファンを停止することで、電力消費量を削減することを提案。
提案10
受変電設備
変圧器の統合
省エネ効果 | 0.9kL/年 |
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削減金額 | 52千円/年 |
設備投資額 | 150千円(回収2.9年) |
設備概要 | 変圧器 (3Φ300kVAと500kVA) |
キーワード
変圧器の統合
内容
新工場の受電設備内の変圧器は将来の増設対応のため余力が大きい。変圧器3Φ300kVAと3Φ500kVA戸が設置されている。両変圧器とも定格容量に比して負荷が少ないことから、両者を統合して3Φ500kVA変圧器1台として、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。