A株式会社 A工場様におけるエネルギー使用割合は、電力が62%、燃料が38%です。電力では、コンプレッサ、照明設備、また 燃料では、熱風発生炉や蒸気ボイラー設備などが消費の多い設備です。希望されたペレット設備周辺機器の省エネでは、熱風発生炉に係る運用改善、炉壁や出口ダクトの保温対策,ファンモータの高効率化などを、またその他では、蒸気ボイラーの空気比改善、コンプレッサの吐出圧力低減、変圧器の統合化、デマンド監視装置の導入等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
軽油 (kL/年) |
LPG (千kg/年) |
A重油 (kL/年) |
灯油 (kL/年) |
上水 (千m3/年) |
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改善前 | 2,275 | 25 | 0 | 288 | 51 | 5 |
改善後 | 2,158 | 25 | 0 | 248 | 51 | 5 |
提案1
生産設備
非定常操業時の熱風発生炉の温度を下げ燃料削減
省エネ効果 | 9.0kL/年 |
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削減金額 | 637千円/年 |
設備概要 | 熱風発生炉[バーナー燃焼量 100L/h(280℃運転時)] |
キーワード
運過剰能力設備の適正化
内容
ペレット生産工程には、常時一定量の生産を行う定常操業と、設備の保守点検等による生産量が減少する非定常操業とがある。現状は、両者とも操業時の熱風発生炉温度を280℃で運転(水分2回添加)をしているが、非操業時は170℃運転(水分1回添加)に温度を下げることができる。これによりA重油燃料を削減することを提案。
提案2
コンプレッサ
圧縮空気配管のエア漏れ量の低減
省エネ効果 | 7.5kL/年 |
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削減金額 | 439千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ 77.5kW<br /> (22kW×2台、15kW、11kW、7.5kW各1台) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
圧縮空気配管を通してエアは使用側へ送られている。定期的なエア漏れの検知および巡回点検による漏れ箇所の確認・補修により、漏れ量を低減することを提案。ここでは、漏れ率を吐出空気量の10%として電力削減量を試算。
提案3
コンプレッサ
吸い込みフィルタの清掃
省エネ効果 | 6.0kL/年 |
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削減金額 | 351千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ 77.5kW<br /> (22kW×2台、15kW、11kW、7.5kW各1台) |
キーワード
吸い込みフィルタの清掃
内容
コンプレッサの吸い込み側フィルタが清掃されていなく目詰りがひどい状況であった。吸い込み側フィルタの現状圧損は15kPaであり、これを清掃後5kPaに低減することで、コンプレッサの軸動力を減らし電力消費量を削減することを提案。
提案4
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 5.2kL/年 |
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削減金額 | 308千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ 77.5kW<br /> (22kW×2台、15kW、11kW、7.5kW各1台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
工場内の各工程に、5台のコンプレッサが設置され、いずれも吐出圧力は0.75MPaで運転されている。このエアの用途は、エアシリンダ用(必要圧力0.5MPa)であり、配管などの圧力損失を考慮に入れても現状の吐出圧力は高いため、吐出圧力を0.65MPaに低減して、圧縮機の軸動力を下げ電力消費量を削減することを提案。
提案5
ボイラー
空気比の適正化
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 23千円/年 |
設備概要 | 蒸気ボイラー |
キーワード
空気比の適正化
内容
微生物資材用蒸気ボイラーは、稼動頻度が少なく、且つ定期的な保守点検がされてない。またボイラーのばい煙測定も行われていない。この種のボイラーの類似例から排ガス酸素濃度を7.9%(空気比=1.6)と想定し、空気比を適正値1.3に下げ、ボイラー燃料(灯油)を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
生産設備
熱風発生炉の炉壁および出口ダクトの保温対策
省エネ効果 | 31.4kL/年 |
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削減金額 | 2,208千円/年 |
設備投資額 | 1,350千円(回収0.6年) |
設備概要 | 熱風発生炉 [バーナーの燃焼量:100L/h(280℃運転時)] |
キーワード
保温対策
内容
①熱風発生炉の炉体円筒部の外面温度は、160~170℃と省エネ法で定められた炉壁外面温度80~160℃に比して高い。保温対策を施すことで約40℃(推定)に抑える。②熱風発生炉の出口ダクトの垂直部約3mの外面温度は100~50℃となっている。すでに保温対策が施されているが、更に保温強化により放熱を防止する。これ等の保温対策を施すことで熱風発生炉の燃料(A重油)を削減することを提案。
提案7
照明
水銀灯をセラミックメタルハライドランプへ交換
省エネ効果 | 7.8kL/年 |
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削減金額 | 459千円/年 |
設備投資額 | 1,080千円(回収2.4年) |
設備概要 | 水銀灯 (400W×24台)<br /> →セラミックメタルハライドランプ(190W×24台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
水銀灯が使用されているが、消費電力が大きい。同じ光束でも消費電力の少ないセラミックメタルハライドランプに交換して電力消費量を削減することを提案。なお、ここでは安定器、ランプを交換。
提案8
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入による契約電力の低減
省エネ効果 | ー |
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削減金額 | 257千円/年 |
設備投資額 | 350千円(回収1.4年) |
設備概要 | デマンド監視制御装置 (452kW→432kW) |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
現在の契約電力は452kWであるが、12月に最大電力477kWが突発的に発生している。その要因を究明して負荷シフト、カットなどの対策を施すと共に、最大電力の低減については、目標値を432kWと定め、この値に近づいたら、デマンド監視制御装置から警報を出力させ、予め定めた遮断可能な負荷(空調機、電気炉等)の電源オフして最大電力を抑制し、契約電力を20kW低減することを提案。
提案9
工業炉
熱風発生炉のファンモーターを高効率モーターへ更新
省エネ効果 | 2.5kL/年 |
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削減金額 | 146千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収2.7年) |
設備概要 | ファンモーター (18.5kW×1台) |
キーワード
高効率設備への更新
内容
熱風発生炉にファンモーターが設置されている。このファンモーターの効率は86%と低いため、高効率モーター(効率92.6%)に更新することで電力消費量を削減することを提案。
提案10
受変電設備
変圧器の統合
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
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削減金額 | 67千円/年 |
設備投資額 | 295千円(回収4.4年) |
設備概要 | 動力用変圧器 3Φ1000kVA、300kVA→1000kVA、<br /> 電灯用変圧器 1Φ50kVA、30kVA→50kVA |
キーワード
変圧器の統合
内容
動力用変圧器3Φ-1,000kVAと3Φ-300kVAとが設置されている。両変圧器とも定格容量に比して負荷が少ないことから、両者を統合して3Φ-1000kVA1台とする。また同様に電灯用変圧器1Φ-50kVAと1Φ-30kVAとを統合して1Φ-50kVA1台として、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。