市立千歳市民病院様は、これまで省エネ対策として、省エネ型Hf蛍光灯やトイレ照明の人感センサー化等、照明を中心に積極的に推進されています。又、エネルギー管理面でも、エネルギー使用量のグラフ化や原単位管理が行われていますが、さらなる改善をめざして診断を希望されました。診断の結果、蒸気ボイラの空気比適正化、空調・換気設備の省エネ等についての提案をしました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
LPG (千kg/年) |
灯油 (kL/年) |
上水 (千m3/年) |
井水 (千m3/年) |
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改善前 | 3,610 | 449 | 8 | 2 | 26 | 24 |
改善後 | 3,576 | 381 | 8 | 2 | 26 | 24 |
提案1
空調設備
外気導入量低減
省エネ効果 | 40.5kL/年 |
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削減金額 | 3,213千円/年 |
設備概要 | ― |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
室内環境計測記録では、外来待合、管理厚生エリアのCO2濃度は平均で600ppmである。建築物環境衛生基準値(1000ppm)に対して余裕があるので、換気用外気導入量を絞り、暖房時の外気負荷を低減することを提案。これにより、外気加熱のエネルギー(都市ガス)の削減を提案。
提案2
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 13.6kL/年 |
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削減金額 | 1,078千円/年 |
設備概要 | 空気比(2.0→1.3) |
キーワード
空気比の適正化
内容
蒸気ボイラ(炉筒煙管式)3台が負荷に応じて台数制御運転されている。しかし、燃焼する際の空気比の値が、3台とも約2.0と高くエネルギー損失が大きい。省エネ法の基準に基づき空気比を適正値1.3程度に調整することでボイラ燃料である都市ガスの削減することを提案。
提案3
換気設備
全熱交換型換気扇の運転モード改善
省エネ効果 | 8.8kL/年 |
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削減金額 | 696千円/年 |
設備概要 | ― |
キーワード
全熱交換換気設備の導入、有効活用
内容
各室の全熱交換換気装置について、『冬期間に全熱交換モードで運転する』ことを使用者に徹底する。これによって、室内からの排熱損失を低減し、暖房の燃料削減を提案。
提案4
換気設備
電気室・機械室の換気設定温度見直し
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 26千円/年 |
設備概要 | 換気設備動力(合計9.7kW) |
キーワード
運転時間の短縮(待機時)
内容
電気室及び機械室の換気は、給気用・換気用共にファンによる換気であり、いずれも、換気が起動する室温を30℃に設定している。室温設定を35℃に緩和することで、ファンの年間運転時間を短縮し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
ボイラ
ボイラ室の蒸気バルブ等の保温
省エネ効果 | 15.5kL/年 |
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削減金額 | 1,231千円/年 |
設備投資額 | 540千円(回収0.4年) |
設備概要 | ― |
キーワード
保温対策
内容
熱源機器まわりの蒸気弁が保温されていない。断熱保温カバーで覆い、熱放散を防止することで、燃料の使用量を削減することを提案。
提案6
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入
省エネ効果 | 3.0kL/年 契約電力770kW→734kW(36kW低減) |
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削減金額 | 967千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収0.4年) |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
デマンド監視制御装置を導入して最大電力の変化を監視し、設定値に近づいた場合に、空調機器などを停止することで契約電力の抑制を図ることを提案。
提案7
受変電設備
受電設備の統合
省エネ効果 | 4.2kL/年 |
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削減金額 | 249千円/年 |
設備投資額 | 1,000千円(回収4.0年) |
設備概要 | 高圧変圧器(11台→8台) |
キーワード
変圧器の統合
内容
変圧器二次側の配線を改造して、不要な高圧変圧器3台を停止し統合することで、電力消費量を削減することを提案。
提案8
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
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削減金額 | 67千円/年 |
設備投資額 | 324千円(回収4.8年) |
設備概要 | NH110F(0.125kW/台×1台) <br /> NH180F(0.195kW/台×13台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
外灯の水銀灯を高圧ナトリウムランプに更新することで電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。