帯広電子株式会社様では、省エネに対する意識が高く、積極的な取組みが感じられます。今回、効率の良い運用法、清掃の方法・効果、設備更新時の留意点等についてアドバイスを得ることを目的に受診されました。現状のエネルギー消費は、熱量比率でみると、電力が97%、燃料が3%であり、運用改善面ではエアコンプレッサの吐出圧低減、照明の間引きなど、設備改善面ではデマンド監視制御装置の導入、空調のサイクリック制御など電力関連の省エネをご提案しました。
提案1
コンプレッサ
エアコンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 14.4kL/年 |
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削減金額 | 690千円/年 |
設備概要 | エアコンプレッサ(55kW×1台、37kW×4台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
エアコンプレッサ(全5台で合計の定格容量203kW)から各機械への供給はエアチューブを使用しているが、配管経路が長く、また各種フィルタを装備していて圧損が大きい。そこで、圧損低減の諸対策を講ずることによって吐出圧力を0.64MPa-Gから0.60MPa-Gまで0.04MPaだけ下げ、電力消費量を削減することを提案。
提案2
照明
照明の間引き
省エネ効果 | 3.5kL/年 |
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削減金額 | 166千円/年 |
設備概要 | 照明 |
キーワード
照明の間引き
内容
1階作業室、巻線ラインと2階作業室は蛍光灯の設置台数が多く、照度は1,000lx程度である。JISに従い750lx程度まで蛍光灯を間引くことで、電力消費量を削減することを提案。(現状照明設備の定格容量10.5kW→間引き後の照明設備の定格容量8.9kW)
提案3
空調設備
空調設定温度の見直し
省エネ効果 | 3.2kL/年 |
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削減金額 | 153千円/年 |
設備概要 | 電動機定格容量 54.1kW |
キーワード
設定温度の適正化
内容
各作業室の空調設定温度は夏季(5~9月)22℃で運用されている。夏季の冷房温度は25℃に上げても製品品質に影響を与えないようである。夏季の設定温度を25℃とすることで20%の省エネ効果が得られることから、電力消費量を削減することを提案。
提案4
換気設備
コンプレッサ室等換気扇の回転数設定変更
省エネ効果 | 1.9kL/年 |
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削減金額 | 88千円/年 |
設備概要 | 換気設備(0.75kW×2台) |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
コンプレッサ室と厨房に設置されている換気扇(合計定格容量1.5kW)にはインバータユニットが設置されている。その周波数は45Hzと50Hzに固定されている。季節や使用状況に応じて周波数の設定を変えることで、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
デマンド管理
デマンド監視制御装置導入
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 825千円/年 |
設備投資額 | 1,000千円(回収1.2年) |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
平成24年度は、5月~9月、11月の最大電力が契約電力を超過し、50%増しの契約超過料金を支払っている。これは、夏季の冷房負荷によるものである。デマンド監視制御装置を設置し、空調を主体とした節電対策に本格的に取り組むことで、超過電力(合計で275kW)を解消することを提案。
提案6
空調設備
空調のサイクリック制御
省エネ効果 | 15.2kL/年 |
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削減金額 | 727千円/年 |
設備投資額 | 2,000千円(回収2.8年) |
設備概要 | 電動機容量合計47kW |
キーワード
間欠運転、交互運転
内容
エアコンを一定サイクルでオン・オフ運転するサイクリック制御を導入する。具体的には、該当エアコン17台を8ブロック(合計電動機容量47kW)に分割し、2ブロックずつ平均で20%停止することで、電力消費量を削減する提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。