S社様では、ISO14001活動などを実践することで素晴らしいエネルギー管理が行われています。今回、計測や解析の具体的方法を得ることを目的に受診されました。現状のエネルギー消費は、熱量比率でみると、電力が99%、燃料が1%であり、油圧ポンプのインバータ化や天井水銀灯のLED化など電力関連と、エアコンプレッサの排気を乾燥炉に利用するなど燃料関連の省エネを、ご提案しました。
提案1
冷却設備
冷却塔ファンの夏季設定温度の見直し
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 95千円/年 |
設備概要 | 冷却塔送風機(2.2kW×3台) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
合計で6.6kWの冷却塔ファンの冷却水戻り温度が年間を通し23℃に設定されている。6~10月は冷却水温度を25℃以下とすることは困難であり、ファンが無駄に回っている。6~10月は設定温度を30℃に引き上げ、ファンを部分的に停止し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案2
生産設備
油圧ポンプのインバータ化による消費電力の削減
省エネ効果 | 12.5kL/年 |
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削減金額 | 824千円/年 |
設備投資額 | 1,920千円(回収2.3年) |
設備概要 | 油圧ポンプ(2.2kW×12台) |
キーワード
インバータの導入
内容
合計で26.4kWの油圧ポンプはシリンダ稼働時に加圧されるが、待機中は保持圧だけで余分な油はリリーフ弁で油タンクに戻っている。保持圧に必要な流量(定格時の約70%)だけを供給するようにインバータ化することで、電力消費量を削減することを提案。
提案3
生産設備
排気ダクト設置による押出機出口からの熱気放出
省エネ効果 | 10.7kL/年 |
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削減金額 | 710千円/年 |
設備投資額 | 4,500千円(回収6.3年) |
設備概要 | 押出機、休憩室(表面積 約400m2) |
キーワード
室内への熱排気対策
内容
押出機出口のローラー部表面温度は90℃以上になり、夏季には周囲温度が40℃以上となる。熱気を積極的に排気ダクトから天井ファンを経由し屋外に放出することで、空調機の冷房負荷を軽減し、電力消費量を削減することを提案。
提案4
コンプレッサ
エアコンプレッサ排気を乾燥炉に利用
省エネ効果 | 6.6kL/年 |
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削減金額 | 572千円/年 |
設備投資額 | 1,600千円(回収2.8年) |
設備概要 | エアコンプレッサ(22kW×2台) |
キーワード
その他(エアコンプレッサ排気利用)
内容
乾燥炉が必要とする熱風温度は高々40℃である。旧工場のエアコンプレッサ(合計で44kWの圧縮機容量)は乾燥炉に近いため、エアコンプレッサの排気を乾燥炉の熱源の一部とすることで、燃料消費量を削減することを提案。
提案5
照明
準備室天井水銀灯をLED化
省エネ効果 | 5.9kL/年 |
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削減金額 | 387千円/年 |
設備投資額 | 1,820千円(回収4.7年) |
設備概要 | 水銀灯→LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
工場の天井照明は水銀灯(400W/台×14台)であり、ランプ光束が同じLED灯(200W/台×14台)に更新することで、電力消費量を削減することを提案。
提案6
生産設備
乾燥炉排ガスの一部再循環
省エネ効果 | 3.8kL/年 |
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削減金額 | 329千円/年 |
設備投資額 | 1,200千円(回収3.6年) |
設備概要 | 乾燥炉(年間A重油使用量19kL) |
キーワード
排熱利用
内容
乾燥炉を出る排ガス温度は40℃程度あり、外気温度よりも高い。製品の品質に影響しない範囲で排ガスの一部(20%)を再循環することで、燃料消費量を削減することを提案。
提案7
コンプレッサ
エアコンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 2.8kL/年 |
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削減金額 | 186千円/年 |
設備投資額 | 135千円(回収0.7年) |
設備概要 | エアコンプレッサ(22kW×3台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサ(合計定格容量66kW)から0.62MPa-Gの吐出圧力で供給、減圧弁で減圧し、需要先で使用されている。そこで、吐出圧力を0.58MPa-Gまで0.04MPaだけ下げ、電力消費量を低減することを提案。
提案8
照明
照明回路を分割し不要照明の消灯
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 86千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収4.7年) |
設備概要 | FLR40×2灯 |
キーワード
個別スイッチ設置 タスクアンビエント照明の導入
内容
工場照明をより細かな消灯ができるように回路分割し、部分的に消灯する(合計容量4.25kW)とともに、照度不測の箇所は手元照明(合計容量1.28kW)で対応することで、電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。