要薬品株式会社 臨海第一、第二工場様では、会社トップの経営改善意識は高く、空調設定温度の緩和、不要な空調・照明の停止、高効率空調設備の導入、ポンプ・ファンへのインバータ導入などを推進されています。今回、全所の設備を対象に省エネテーマの発掘を目的に受診されました。現状のエネルギー消費は、熱量比率でみると、電力が81%、燃料が19%であり、エアコンプレッサ設備や排水・冷却設備などの電力関連と、蒸気配管、空調設備や生産設備の燃料関連の省エネをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
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改善前 | 430 | 23 |
改善後 | 392 | 17 |
提案1
コンプレッサ
エアコンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 3.2kL/年 |
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削減金額 | 217千円/年 |
設備概要 | エアコンプレッサ(11kW×6台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサ(全6台で合計の定格容量66kW)から0.9MPa-Gの吐出圧力で供給されているが、需要先での必要圧は0.5MPa-Gである。吐出圧を0.7MPa-Gまで0.2MPaだけ下げ、電力消費量を削減することを提案。
提案2
空調設備
クリーンルーム空調の改善
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 90千円/年 |
設備概要 | 空調設備(定格消費電力7.2kW) |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
現状のクリーンルームの空調(定格消費電力7.2kW)運転状況は、循環空気量がゼロに近く、全量外気空調に近い運転と考えられる。外気導入量を絞った本来の空調方式に戻すことで、電力消費量を削減することを提案。
提案3
空調設備
事務所空調設定温度の緩和
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 24千円/年 |
設備概要 | GHP(定格能力50kW×2台) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
第一工場事務所の暖房設定温度は23℃、第二工場事務所は28℃であった。夏季と冬季の設定温度を2℃緩和することで20%の省エネ効果が得られることから、燃料消費量を削減することを提案。(空調設備はGHPで、定格能力は50kW×2台、そのうちの10%分を事務所に供給)
提案4
照明
事務所照明の間引き
省エネ効果 | 0.1kL/年 |
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削減金額 | 8千円/年 |
設備概要 | 蛍光灯(FHF32W2灯式) |
キーワード
照明の間引き
内容
第二工場の事務所蛍光灯は高効率Hf型で、従来型よりも20%明るく1000lxであった。500lx程度まで間引き(10台→6台)することで、電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
蒸気配管
蒸気配管放熱損失改善
省エネ効果 | 5.2kL/年 |
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削減金額 | 513千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収0.4年) |
設備概要 | 蒸気配管 |
キーワード
保温対策
内容
現状、第一工場50A蒸気配管(蒸気圧力は0.6MPa-G)は全て裸管配管になっている。比較的作業性の良い範囲のバルブと配管に40mmの保温を施工することで、蒸気配管・バルブ表面からの熱放散を年間で140GJ削減し、燃料消費量を削減することを提案。
提案6
排水処理
排水処理ブロワー等の省エネ
省エネ効果 | 3.0kL/年 |
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削減金額 | 192千円/年 |
設備投資額 | 250千円(回収1.3年) |
設備概要 | ポンプ(1.5kW×1台)、攪拌機(0.75kW×1台) |
キーワード
非生産(不要)時・休日の稼働台数削減 インバータの導入
内容
排液中和処理装置を構成するブロワー(1.5kW)と撹拌装置(0.75kW)は、生産設備が停止する夜間でも100%連続運転を行っている。インバータを導入し、非操業時は回転数を1/2まで落とすことで、電力消費量を年間12千kWh削減する提案。
提案7
冷却設備
冷却塔設備の省エネ
省エネ効果 | 1.7kL/年 |
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削減金額 | 120千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収4.2年) |
設備概要 | 冷却塔ファン(1.5kW×3台)、<br /> 冷却水ポンプ(11kW×1台) |
キーワード
インバータの導入 制御法改善
内容
冷却塔ファン3台(合計容量4.5kW)は外気温に拘わらず全シーズン連続運転中である。この状態で、冷却水ポンプ(11kW)の出口弁は約1/3開度の運転をしている。冷却水戻り温度制御ならびにインバータを導入し、電力消費量を年間6.5千kWh削減する提案。
提案8
蒸気配管
屋外蒸気配管放熱損失改善
省エネ効果 | 1.0kL/年 |
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削減金額 | 106千円/年 |
設備投資額 | 40千円(回収0.4年) |
設備概要 | 蒸気配管 |
キーワード
その他(不使用個所への送気停止)
内容
第二工場の屋上にある80A蒸気配管30mは、殆ど使用していないにも拘わらず加圧されている(蒸気圧力0.60MPa-G)。元弁を設置して必要時のみ開放することにより放熱損失を年間で29GJ削減し、燃料消費量を削減することを提案。
提案9
空調設備
空調室外機の遮熱対策
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 22千円/年 |
設備投資額 | 50千円(回収2.3年) |
設備概要 | 空調設備(冷房能力45,9.0,4.5,15kW×各1台) |
キーワード
室外機への散水、日射対策、移設
内容
空調室外機4台(合計冷房能力73.5kW)が日射の影響を受ける場所に設置されているため、夏季ピーク時に日射の影響を受け、効率低下が懸念される。遮蔽ネットを設置し、吸い込み温度を下げることで、EHPの電力消費量とGHPの燃料消費量を削減することを提案。
提案10
生産設備
苛性加温水槽の放熱損失改善
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 19千円/年 |
設備投資額 | 15千円(回収0.8年) |
設備概要 | 苛性加温用水槽(0.75m3) |
キーワード
保温対策
内容
冬季に限り運用される苛性加温用水槽(0.75m3)は生蒸気で45℃以上に加温されている。屋外開放型で水面からの蒸発があり放熱損失が大きい。液面(3m2)に断熱シートを浮かべ、壁面に簡易保温を施工し、放熱損失を年間で5.2GJ削減し、燃料消費量を削減することを提案。
提案11
照明
明かり窓のある作業場窓際蛍光灯の消灯
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 16千円/年 |
設備投資額 | 50千円(回収3.1年) |
設備概要 | FLR40W2灯式×6台 |
キーワード
個別スイッチ設置 不要照明の消灯(昼休み時の消灯)
内容
第二工場には明かり窓のある作業場があり、蛍光灯も点灯している。照度は作業場の奥側で250lx、窓側で600lxであり、窓側の蛍光灯(FLR40W2灯式×6台)については消灯可能である。晴天時は消灯することで、電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。