株式会社ニレコ様は、エコアクション21の一環として省エネ活動を推進され、年間1%の電力使用量の削減目標を掲げ、すでに一部照明のLED化を進められています。今回更に省エネを進めるために受診されました。エネルギー使用の実態を棟別及び機器別に把握して具体的に展開することが必要と思われます。エネルギー使用状況では電気が全体使用量の94%を占め、その主な設備は空調、照明およびコンプレッサなどです。今回、省エネ効果の大きいと思われる空調設定温度の緩和、照明の間引き、コンプレッサの吐出圧力の低減、老朽化した変圧器の統合などをご提案しました。
提案1
空調設備
外気取入れ量の適正化
省エネ効果 | 7.0kL/年 |
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削減金額 | 558千円/年 |
設備概要 | 空調設備 |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
現状の室内CO2濃度は、夏季、冬季とも十分低い値(500ppm)と推定される。室内CO2濃度の目標管理値(ビル管理法による1,000ppm)に対して余裕があるので、管理値を900ppmとして外気導入量を減らし、夏季冷房、冬季暖房の空調負荷を軽減して電力消費量を削減することを提案。
提案2
空調設備
E棟(研究施設)の空調設定温度の適正化
省エネ効果 | 5.5kL/年 |
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削減金額 | 369千円/年 |
設備概要 | 空調設備 |
キーワード
設定温度の適正化
内容
診断時、E棟(研究施設)の暖房設定温度は23℃であった。冷房も余裕をもって設定していると思われる。政府推奨温度は、冷房28℃、暖房20℃である。設定温度を推奨温度に緩和することにより電力消費量を削減することを提案。なお、省エネ率は10%で試算。
提案3
コンプレッサ
コンプレッサの吐出圧力の低減
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 88千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
事業所内には、3.7kW×2台、22kW、1.5kW各1台のコンプレッサが設置され、いずれも吐出圧力は0.7Mpaで運転されている。このエアは、組立作業および製品テスト時のブロワー用に使用されている。ブロワー用必要圧力及び配管などの圧力損失を考慮に入れても現状の吐出圧力は高いため、0.2Mpa下げて吐出圧力を0.50Mpaに低減することで、圧縮機の軸動力を下げ電力消費量を削減することを提案。
提案4
照明
蛍光灯管型LED照明の間引き
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
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削減金額 | 55千円/年 |
設備概要 | 照明 |
キーワード
照明の間引き
内容
A棟ロビー及びE棟5階に蛍光灯管型LED照明(20W×2灯用)が設置されている。これらの棟は、外の光が入り易い構造であるため消灯可能なエリアがある。回路変更により消灯するか、間引きするかのいずれかの方法で電力消費量を削減することを提案。なお、ここでは間引きする方法で、E棟5階の蛍光灯管型LED、72台中の27台を間引きして試算。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 2.1kL/年 |
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削減金額 | 141千円/年 |
設備投資額 | 810千円(回収5.7年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
C棟の倉庫に水銀灯(400W)18台が設置されている。この水銀灯を効率のよいセラミックメタルハライドランプ(190W)18台に更新して電力消費量を削減することを提案。(ランプ、安定器、セードの交換で対応)
提案6
受変電設備
変圧器の統合
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 35千円/年 |
設備投資額 | 170千円(回収4.9年) |
設備概要 | 変圧器 |
キーワード
変圧器の統合
内容
第1キュービクルに、3Φ-75kVA油入り変圧器(1980年製)、第2キュービクルに、3Φ-150kVA油入り変圧器(1990年製)が設置されている。両変圧器とも定格容量に比して負荷が少ない、また、75kVA変圧器は老朽化していることから、両者を統合して3Φ-150kVA油入り変圧器1台として電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。