K社様は、エコアクション21による環境活動を実施して確実に省エネを推進されています。今回更に省エネを推進するために受診されました。診断の結果、エアコン屋外機への散水、コンプレッサの台数制御運転、高効率蛍光灯への更新、不要照明・空調の停止、コンプレッサ吐出圧力の低減、デマンド監視制御装置の導入等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
灯油 (kL/年) |
井水 (千m3/年) |
---|---|---|---|---|
改善前 | 1,172 | 60 | 11 | 24 |
改善後 | 1,114 | 60 | 11 | 24 |
提案1
コンプレッサ
コンプレッサのインバータ制御機能の活用
省エネ効果 | 4.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 340千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ 55kWインバータ機×1台、55kW定速機×1台 |
キーワード
台数制御
内容
コンプレッサは、ベース機(55kWインバータ機)とバックアップ機(55kW定速機)とがあり、台数制御運転を行っている。しかし、インバータ機の負荷に応じた流量制御機能が十分に生かされた設定となっていない。そこで、インバータ機を優先とした2台の台数制御運転に見直すことで、負荷に見合った理想的な運転として、電力消費量を削減することを提案。
提案2
コンプレッサ
コンプレッサのエア漏れ対策
省エネ効果 | 3.1kL/年 |
---|---|
削減金額 | 249千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
55kWのコンプレッサ(インバータ機)が稼動している。診断先より漏れがあると聞いたので、チェックしたところ手触りでも漏れを確認できた。漏れ箇所を特定して対策をたてることにした。定期的にエア漏れ検査を行い、漏れを確認・補修して漏れを防止することを提案。一般的に漏れ率は10%程度あるとされているので、10%として年間電力削減量を試算。
提案3
コンプレッサ
コンプレッサの吐出圧力の低減
省エネ効果 | 1.6kL/年 |
---|---|
削減金額 | 125千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
55kWのコンプレッサ(ベース機1台)が設置され吐出圧力、0.6Mpaで運転されている。設備側の配管圧力は、0.53Mpaであり、必要圧力は、0.42~0.45Mpaである。配管などの圧力損失を考慮に入れても余裕があるので、0.05Mpa下げて吐出圧力を0.55Mpaに低減することで、圧縮機の軸動力を下げ電力消費量を削減することを提案。
提案4
空調設備
非使用期間エアコンの電源遮断
省エネ効果 | 0.7kL/年 |
---|---|
削減金額 | 57千円/年 |
設備概要 | 空調設備 |
キーワード
その他(エアコンの電源遮断)
内容
停止中のエアコン屋外機(38W×20台)は、圧縮機に冷媒が滞留(凝縮)するのを防ぐため、ヒーターで冷媒を常時加熱しているため待機電力が発生している。エアコンを使用しない中間期には電源を遮断して待機電力を無くし、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 5.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 432千円/年 |
設備投資額 | 3,685千円(回収8.5年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①水銀灯(400W)33台を効率のよいセラミックメタルハライドランプ(190W)33台に更新。②従来型蛍光灯器具(FLR36W×2灯用)110台を効率のよいLED照明器具(22W×2灯用)110台に更新。以上の高効率照明への更新により電力消費量を削減することを提案。
提案6
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入により契約電力の低減(工場)
省エネ効果 | ― |
---|---|
削減金額 | 325千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収1.2年) |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
現在の契約電力は610kWである。最大電力は7月に発生している。最大電力の低減目標を590kWと定め、この値に近づいたら、デマンド監視制御装置から警報を出力させ、予め定めた遮断可能な負荷(洗浄機ヒータ、空調設備、照明設備)を電源オフして最大電力を抑制することで、契約電力を、610kW→590kWへ20kW低減することを提案。
提案7
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入による契約電力の低減(事務所)
省エネ効果 | ー |
---|---|
削減金額 | 234千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収1.6年) |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
現在の契約電力は49kWである。最大電力は8月に発生している。最大電力の低減目標を34kWと定め、この値に近づいたら、デマンド監視制御装置から警報を出力させ、予め定めた遮断可能な負荷(空調設備、照明設備)の電源オフして最大電力を抑制することで、契約電力を、49kW→34kWへ15kW低減することを提案。
提案8
生産設備
温水洗浄槽の保温対策
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 37千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収5.4年) |
設備概要 | 洗浄槽 |
キーワード
保温対策
内容
温水洗浄槽の容量は650L、蒸気ボイラからの120℃蒸気で15℃のりん酸溶液を60℃まで加温している。特に、上部の蓋など保温が施されていない箇所があるので、表面から周囲へ熱放散がある。グラスウール(50mm)で保温を施して、蒸気ボイラ燃料(LPG)を削減することを提案。
提案9
生産設備
気化脱脂装置の保温対策
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 33千円/年 |
設備投資額 | 75千円(回収2.3年) |
設備概要 | 脱脂装置 |
キーワード
保温対策
内容
気化脱脂装置は、蒸気で加熱された120℃のエアで真空乾燥している。一部保温施工されていない箇所があるので、その表面から周囲への熱放散がある。グラスウール(50mm)で保温を施して蒸気ボイラ燃料(LPG)を削減することを提案。
提案10
生産設備
炭化水素系洗浄機の保温対策
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 31千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収3.2年) |
設備概要 | 洗浄機 |
キーワード
保温対策
内容
炭化水素系洗浄機では、蒸気で昇温した溶剤で①30℃、300sec、②100℃、180sec、③130℃、100secの3段階の洗浄をしている。一部保温が施工されていない箇所のタンク表面(90℃)から周囲へ熱放散がある。グラスウール(50mm)で保温を施して温水ボイラ燃料(灯油)を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。