A社様は、エネルギー管理組織を整備してエネルギー管理を確実に推進しています。しかし、2002年に他社が建設した建屋およびユーティリティ設備などを購入した関係上、これ等設備がオーバースペックとなっているため、省エネルギー推進の目的で受診されました。診断先からのクリーンルーム空調、ボイラの省エネの要望を踏まえ、オーバースペックとなっている、クリーンルームの加温・加湿用の貫流ボイラ、冷却・除湿用のガス焚吸収式冷水発生機、付帯設備であるポンプ、多くの製造工程で使われているコンプレッサについて省エネをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
上水 (千m3/年) |
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改善前 | 2,144 | 313 | 35 |
改善後 | 1,921 | 300 | 35 |
提案1
換気設備
ボイラ室の給排気ファンの運転時間短縮
省エネ効果 | 1.0kL/年 |
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削減金額 | 59千円/年 |
設備概要 | 換気設備 0.75kW |
キーワード
運転時間の短縮(待機時)
内容
ボイラ室の吸排気ファン(0.75kW×1台)は、年間をとおして連続運転している。ボイラ室内の温度上昇による制御機器への影響を考慮したものである。しかし、必要外気は開口部や隙間より十分供給されるので、特に、外気温度の低い冬季は終日停止しても支障ないと想定、給排気ファンを停止して電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案2
コンプレッサ
コンプレッサをブロワーベビコンに分割し更新
省エネ効果 | 42.3kL/年 |
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削減金額 | 2,548千円/年 |
設備投資額 | 2,300千円(回収0.9年) |
設備概要 | コンプレッサ 45kW |
キーワード
その他(用途による分割と更新)
内容
45kWコンプレッサが、終日運転されている。このエアの利用状況を実測データを基に詳細検討すると、大半が「エアブロワー」で消費されていた。エアブロワー用機種としてルーツブロワーがあるが、コンプレッサに比較して、消費電力が少なく設定圧力が低いことから配管ロスやエア漏れなどが定常的に軽減される。そこで、診断時の運転電流実測値から負荷割合を想定して、ルーツブロワー(5.8kW×1台at0.08Mpa)とベビコン(1.5kW×2台at0.7Mpa)とに分割更新し、電力消費量を削減することを提案。
提案3
冷却設備
冷水ポンプへインバータの導入
省エネ効果 | 7.8kL/年 |
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削減金額 | 468千円/年 |
設備投資額 | 600千円(回収1.3年) |
設備概要 | ポンプ 30kW |
キーワード
インバータの導入
内容
現状の冷却水ポンプ(30kW×1台)は、能力が過大であり、バルブで冷却水量を80%に絞って運転している。診断時に調査したところ、冷却水ポンプの全揚程32mに対して、実揚程は20m程度であった。インバータを導入・設置して、バルブを全開として電動機の回転数を変えて冷却水量を調整することで電力消費量を削減することを提案。
提案4
ボイラ
蒸気ドレンの回収
省エネ効果 | 6.4kL/年 |
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削減金額 | 415千円/年 |
設備投資額 | 2,300千円(回収5.5年) |
設備概要 | ボイラ 1.6t/h×1台 |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
貫流ボイラ(1.6t/h×1台)が運転されている。蒸気ドレンは、回収されずに排水されている。ドレン温度は75℃であり、これを回収してボイラの給水として再利用することで、ボイラ燃料(都市ガス)を削減することを提案。
提案5
ボイラ
蒸気配管・バルブの保温対策
省エネ効果 | 5.0kL/年 |
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削減金額 | 324千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収0.3年) |
設備概要 | ボイラ 1.6t/h×1台 |
キーワード
保温対策
内容
貫流ボイラ(1.6t/h×1台)より165℃(at0.6Mpa-G)の蒸気を送っている。未保温箇所として、配管、フランジ玉形弁、コントロール弁があり、そこから放熱している。これ等を保温し放熱を防止することで、ボイラ燃料(都市ガス)を削減することを提案。
提案6
その他
工場窓面への断熱材の貼り付け
省エネ効果 | 4.1kL/年 |
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削減金額 | 264千円/年 |
設備投資額 | 50千円(回収0.2年) |
設備概要 | 窓 |
キーワード
その他(断熱材の貼り付け)
内容
工場は岐阜県にあり、冬季の外気温低下による暖房負荷が比較的大きいので、工場窓面にプラスチックダンボール等の簡易断熱材を貼り付け、空調負荷を低減することで、熱源(ガス吸収式冷温水機)の燃料(都市ガス)を削減することを提案。
提案7
コンプレッサ
コンプレッサのエア漏れの対策
省エネ効果 | 3.2kL/年 |
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削減金額 | 194千円/年 |
設備投資額 | 80千円(回収0.4年) |
設備概要 | コンプレッサ 45kW |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
コンプレッサ45kW(吸込み絞り方式×1台)が80%負荷で運転している。オートドレントラップの劣化により、常時エアが漏れていた。また、配管からのエア漏れ箇所も見受けられた。定期的にエア漏れ検査を行い、漏れを確認・補修し、漏れを防止することを提案。なお漏れ率は20%程度あるとして電力削減量を試算した。
提案8
冷却設備
冷水ポンプへインバータの導入
省エネ効果 | 3.0kL/年 |
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削減金額 | 182千円/年 |
設備投資額 | 350千円(回収1.9年) |
設備概要 | ポンプ 7.5kW×1台 |
キーワード
インバータの導入
内容
現状の冷水ポンプ(7.5kW×1台)は、能力が過大であり、バルブで冷水量を60%に絞って運転している。診断時に調査したところ、冷水ポンプの全揚程32mに対して、実揚程は20m程度であった。インバータを導入・設置して、バルブを全開として電動機の回転数を変えて冷水量を調整することで電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。