フジイコーポレーション株式会社様は、環境・省エネへの積極的な取り組みを行っています。コンプレッサやポンプへのインバータの導入、高効率照明への更新、更には配管の断熱・保温対策などを実施され、省エネ意識の高さが見られます。今回、更に省エネを推進する目的で受診されました。診断の結果、運用改善面で、空調設定温度の緩和やインバータが導入されたコンプレッサでも吐出圧力の低減、空気配管のエア漏れ対策、粉体塗装作業場での不要照明等があり、また設備投資案件では、換気設備の設置による空調機の停止、デマンド監視制御装置の導入による契約電力の低減等があり、これ等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
灯油 (kL/年) |
上水 (千m3/年) |
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改善前 | 573 | 119 | 5 | 4 |
改善後 | 519 | 119 | 5 | 4 |
提案1
空調設備
空調設定温度の適正化
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 88千円/年 |
設備概要 | 空調設備 |
キーワード
設定温度の適正化
内容
政府推奨温度は、冷房28℃、暖房20℃である。しかし、一般に現場は余裕をもって温度設定をしている場合が多いこと。また、中間期も換気が不十分なため空調を運転するなどの状況から温度設定に余裕があると推測、設定温度を1℃緩和することにより電力消費量を削減することを提案。
提案2
コンプレッサ
コンプレッサの吐出圧力の低減
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
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削減金額 | 53千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ45kW×1台,37kW×1台 |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
工場には、37kWと45kW各1台のコンプレッサが設置され、交互運転をしている。いずれも吐出圧力、0.7Mpaで運転されている。エアの使用先はグラインダーやボルトレンチなどで、必要圧力が把握されていない。一般的に必要圧力は、0.5Mpaで十分と判断し、配管などの圧力損失を考慮に入れ0.1Mpa下げて吐出圧力を0.6Mpaに低減することで、圧縮機の軸動力を下げ電力消費量を削減することを提案。
提案3
コンプレッサ
コンプレッサのエア漏れの対策
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
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削減金額 | 53千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ 45kW×1台,37kW×1台 |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
コンプレッサの配管系統はループ状で、今まで漏れの管理は実施していないことから、エア漏れがあると推測される。漏れは、末端のホースやエアガンの接続部、継手などに多く、定期的にエア漏れ検査を行い、漏れを確認・補修して漏れを防止することを提案。一般的に漏れ率は10%程度あるとされているので、10%として年間電力削減量を試算する。
提案4
照明
不要時消灯の徹底
省エネ効果 | 0.7kL/年 |
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削減金額 | 46千円/年 |
設備概要 | 照明 |
キーワード
その他(不要時消灯の徹底)
内容
粉体塗装の作業場には、蛍光灯(FLR40W×2灯用)が24台設置されているが、すべてが常時点灯している。作業をしない時間帯は消灯を徹底し、電力消費量を削減することを提案。日作業期間10h/日の内、消灯可能時間は半分の5h/日で試算。
提案5
OA・事務機器
パソコンの待機電力の削減
省エネ効果 | 0.1kL/年 |
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削減金額 | 7千円/年 |
設備概要 | パソコン |
キーワード
節電モード設定(待機電力の削減)
内容
事業所に約20台のパソコンが使用されている。終業後も電源に繋がれたままで待機電力が発生している。スイッチ付きテーブルタップを用意して、各自が終業時電源を開放して終業後の電力消費量を削減することを提案。効果は小さいが、省エネ活動の意識をもつ意味があるので提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
生産設備
粉体塗装設備用ファンへインバータの導入
省エネ効果 | 6.1kL/年 |
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削減金額 | 419千円/年 |
設備投資額 | 1,100千円(回収2.6年) |
設備概要 | 塗装設備 |
キーワード
インバータの導入
内容
現状、粉体塗装用ファン(22kW×1台)は、ダンパーで風量を80%(推定)に絞って運転している。ファンにインバータを装着して、回転数制御により風量を80%に落とすことで電力消費量を削減することを提案。なおその際、ダンパーは全開とする。
提案7
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入による契約電力の低減
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 147千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収2.7年) |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
現在の契約電力は232kWである。最大電力は8月に発生している、その要因は、空調負荷の増大によるものと想定される。最大電力の低減目標を220kWと定め、この値に近づいたら、デマンド監視制御装置から警報を出力させ、予め定めた遮断可能な負荷(空調機、照明)の電源オフして最大電力を抑制することで、契約電力を、232kW→220kWへ12kW低減することを提案。
提案8
換気設備
換気設備の設置による空調機の停止(中間期)
省エネ効果 | 3.9kL/年 |
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削減金額 | 270千円/年 |
設備投資額 | 750千円(回収2.8年) |
設備概要 | 換気設備 |
キーワード
換気設備の導入
内容
機械事業部門(含む事務棟)は、中間期でも窓の開閉操作をせず空調機を運転している。空調機を設置してある各部屋に換気扇を設置して、中間期は空調機を停止して電力消費量を削減することを提案。なお空調機全台の消費電力は54.3kW、換気扇全台の消費電力は1.95kWである。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。