静岡製機株式会社 浅羽工場様は、すでにエアコン屋外機(一部)への散水、不要な空調の停止、排水処理装置の制御やポンプ・ファンのインバータ化などを実施、今後は、高効率照明器具、エアコンおよび変圧器の更新を計画されるなど確実に省エネ対策を推進されています。このような状況下で、電気関係では、診断先の依頼事項でもあるコンプレッサの省エネとして、エア漏れ対策、フィルタの清掃を、またデマンド監視装置の活用や照明器具の更新など。燃料(LPG)関係では、蒸気配管・バルブや乾燥炉の保温対策などをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
灯油 (kL/年) |
軽油 (kL/年) |
上水 (千m3/年) |
工業用水 (千m3/年) |
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改善前 | 1,491 | 301 | 3 | 7 | 4 | 21 |
改善後 | 1,329 | 298 | 3 | 7 | 4 | 21 |
提案1
デマンド管理
デマンド監視制御装置の活用による契約電力の低減
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 811千円/年 |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
現在の契約電力は830kWである。最大電力は8月に発生している。最大電力の低減目標を780kWと定め、この値に近づいたら、デマンド監視制御装置から警報を出力させ、予め定めた遮断可能な負荷(空調機、照明)の電源オフして最大電力を抑制することで、契約電力を、830kW→780kWへ50kW低減することを提案。
提案2
コンプレッサ
コンプレッサのエア漏れの対策
省エネ効果 | 3.1kL/年 |
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削減金額 | 265千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ 55kW×1台、37kW×1台 |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
コンプレッサ55kW及び37kWの各1台が稼動している。圧縮空気の使用先にシリンダ弁の駆動等があるが、そのジョイント部からの漏れがある。漏れを確認・補修し、漏れを防止して電力消費量を削減することを提案。なお一般に漏れ率は10%程度あるとされるので、10%として電力削減量を試算した。
提案3
コンプレッサ
スクリューコンプレッサの吸込みフィルタの清掃
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 38千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ 55kW×1台、37kW×1台 |
キーワード
吸込みフィルタの清掃
内容
現在、スクリューコンプレッサ55kW及び37kWの各1台が運転されている。このコンプレッサの吸込みフィルタの清掃は、およそ1回/2ケ月の頻度で行っているが、この清掃頻度を1回/1ケ月に増加することにより電力消費量を削減することを提案。吸気抵抗が大きくなると動力が増加するので、吸い込みフィルタを定期的に清掃して圧損を減らし消費動力を低減する。
提案4
空調設備
非使用期間エアコンの電源遮断
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 37千円/年 |
設備概要 | 空調設備 |
キーワード
その他(非使用期間エアコンの電源遮断)
内容
停止中のエアコン屋外機(30W×38台)は、圧縮機に冷媒が滞留(凝縮)するのを防ぐため、ヒータで冷媒を常時加熱しているため待機電力が発生している。エアコンを使用しない中間期には電源を遮断して待機電力を無くし、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
受変電設備
高効率変圧器への更新
省エネ効果 | 27.2kL/年 |
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削減金額 | 2,316千円/年 |
設備投資額 | 17,010千円(回収7.3年) |
設備概要 | 変圧器 |
キーワード
高効率変圧器への更新
内容
①第1変電所には、油入り3Φー300kVA変圧器8台が設置されている。この変圧器は1970年製で、変圧器の寿命30年を大幅に超えている。また、当時の変圧器は損失も多いことから高効率変圧器に更新する。②第2変電所には、油入り3Φ-300kVA変圧器2台が設置されている。この変圧器も1970年製で変圧器寿命を超えている。また両変圧器の負荷が少なく1台で賄えることから、高効率変圧器1台を新規更新し置き換える。①、②を行うことで電力消費量を削減することを提案。
提案6
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 10.2kL/年 |
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削減金額 | 869千円/年 |
設備投資額 | 4,141千円(回収4.8年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①従来型蛍光灯(FLR40W×2灯用)60台を効率のよいHf蛍光灯(FHR32W×2灯用)に更新。②避難誘導灯(C級片面)16台を消費電力の少ないLED型に更新。③水銀灯(400W)60台を効率のよいセラミックメタルハライドランプ(190W)に更新。④水銀灯(400W)14台を効率のよいHf蛍光灯(FHR32W×2灯用)に更新。なお台数は、水銀灯と同等の光束を得るためHf蛍光灯の台数を増やしている。以上の高効率照明への更新により電力消費量を削減することを提案。
提案7
ボイラ
蒸気配管・バルブの保温対策
省エネ効果 | 3.2kL/年 |
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削減金額 | 202千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収2.0年) |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
保温対策
内容
蒸気ボイラより173℃(0.75Mpa)の蒸気を送っている。未保温箇所として玉形弁、フランジ、配管部があり、そこから放熱している。これ等を保温し放熱を防止することで、ボイラ燃料(LPG)を削減することを提案。
提案8
乾燥炉
乾燥炉未保温部分の保温対策
省エネ効果 | 0.9kL/年 |
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削減金額 | 56千円/年 |
設備投資額 | 99千円(回収1.8年) |
設備概要 | 乾燥炉 |
キーワード
保温対策
内容
乾燥炉の一部に保温されていない箇所があり、その表面(鋼板)温度は170℃であり、そこから放熱している。その部分を保温材(グラスウール50mm)で保温して、燃料(LPG)消費量を削減することを提案。
提案9
排水処理
曝気用ブロワーの運転時間短縮
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 24千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収4.2年) |
設備概要 | 排水処理 |
キーワード
その他(運転時間短縮)
内容
現在、曝気用ブロワー(2.2kW×2台)は、操業時間中連続運転をしている。活性汚泥への流入負荷量を低減して、曝気用ブロワーの運転時間を短縮(8.5h/日→6h/日)することにより、電力消費量を削減することを提案。なおPH他の規定値を保つように廃水の流入量を調整する。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。