株式会社九州タブチ 国分工場様は、全員参加の省エネルギー活動の推進のきっかけとして省エネ診断を受診されました。エネルギー使用状況では、電気がエネルギー使用量全体の93%を占めています。その主な設備としては、空調設備、コンプレッサ、照明設備などです。また燃料では、ボイラ設備となります。これ等の設備に関する省エネ提案と診断先からご要望のありました、デマンド監視制御装置の導入などを含めてご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
A重油 (kL/年) |
灯油 (kL/年) |
上水 (千m3/年) |
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改善前 | 2,493 | 1 | 42 | 2 | 18 |
改善後 | 2,427 | 1 | 34 | 2 | 18 |
提案1
空調設備
外気導入量の適正化
省エネ効果 | 12.3kL/年 |
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削減金額 | 795千円/年 |
設備概要 | 空調設備 |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
現状は、年間を通して屋上排気ファン4台で、風量40,000m3/hを排気している。空調機を運転する夏季(7月~9月)および冬季(12月~3月)は、排気ファンを2台とし、風量を20,000m3/hに減らし、空調負荷を軽減して電力消費量を削減することを提案。
提案2
ボイラ
ボイラの空気比の適正化
省エネ効果 | 1.7kL/年 |
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削減金額 | 134千円/年 |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
空気比の適正化
内容
現在、蒸気ボイラが運転されており、そのボイラのばい煙測定データによると排ガス酸素濃度は、8.9%(空気比=1.75)である。燃焼用空気を必要以上に供給すると、排ガス量が増えるとともに燃料消費量が増加するので、空気量を適正値(空気比=1.25)に下げて燃料(A重油)消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
ボイラ
蒸気ドレンの回収
省エネ効果 | 4.2kL/年 |
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削減金額 | 333千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収0.9年) |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
メッキ装置熱交換器の蒸気ドレンは、回収されずに排水されている。蒸気ドレン温度は、100℃であり、これを回収してボイラの給水として利用することで、ボイラ燃料(A重油)を削減することを提案。
提案4
照明
水銀灯をメタルハライドランプに交換
省エネ効果 | 4.3kL/年 |
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削減金額 | 277千円/年 |
設備投資額 | 1,755千円(回収6.3年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
水銀灯(400W)39台が使用されているが、消費電力が大きい。同じ光束でも消費電力の少ないセラミックメタルハライドランプ(190W)39台に交換して電力消費量を削減することを提案。なお、ここでは安定器、ランプ、セード(反射笠)を交換。
提案5
ボイラ
蒸気配管・バルブの保温対策
省エネ効果 | 2.1kL/年 |
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削減金額 | 171千円/年 |
設備投資額 | 420千円(回収2.5年) |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
保温対策
内容
蒸気ボイラより159℃の蒸気を送っている。未保温箇所としてバルブ(50A×12個及び25A×24個)があり、そこから放熱している。これ等を保温し放熱を防止することで、ボイラ燃料(A重油)を削減することを提案。
提案6
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入による契約電力の低減
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 120千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収4.2年) |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
現在の契約電力は301kWである。最大電力は8月、9月に発生している、その要因は、期末で生産負荷が増え稼動設備の増大によるものと想定される。最大電力の低減目標を295kWと定め、この値に近づいたら、デマンド監視制御装置から警報を出力させ、予め定めた遮断可能な負荷(空調機、照明)の電源オフして最大電力を抑制することで、契約電力を、301kW→295kWへ6kW低減することを提案。
提案7
コンプレッサ
コンプレッサのエア漏れの対策
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 23千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収4.3年) |
設備概要 | コンプレッサ 37kW×1台 |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
第1工場のコンプレッサ37kWインバータ機1台が100%負荷で運転している。その配管系統は、年月の経過とともに大きな力による変形やネジ類の緩み、腐食、劣化などによりエア漏れを起す。特に末端のホースやエアガンの接続部、継手などに多い。定期的にエア漏れ検査を行い、漏れを確認・補修し、漏れを防止することを提案。なお一般に漏れ率は10%程度あるとされるが、5%として電力削減量を試算。
提案8
換気設備
排気ファン能力の適正化
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 12千円/年 |
設備投資額 | 40千円(回収3.3年) |
設備概要 | 換気設備:5.5kW |
キーワード
その他(扇風機の活用など)
内容
メッキ装置の排気ファン(モーター出力5.5kW)の吸気ラインは、バルブで風量を20~50%に絞って運転している。吸気ラインのバルブを全開とする。更に排気ファンモーターのプーリーを小型化して、回転数を5%下げてモーターの軸動力を低減、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。