M株式会社様では、ISO14001を取得しエネルギー管理体制もそれに準拠し、不要な照明の消灯、デマンド監視装置の導入、ボイラ運転時間の見直し、冷蔵庫運転停止など省エネの推進を図っています。現状のエネルギー消費は、熱量比率でみると、電力が31%、燃料が69%と燃料消費量が多いことから、ボイラ運転台数の削減、蒸気ドレン回収や廃棄温水の有効活用など燃料関連と、給排気ファンの風量適正化など電力関連の省エネをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
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改善前 | 3,600 | 1,800 |
改善後 | 3,418 | 1,564 |
提案1
ボイラ
ボイラ運転台数の削減
省エネ効果 | 86.1kL/年 |
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削減金額 | 5,375千円/年 |
設備概要 | ボイラ:2.5t/h、4台 |
キーワード
運転台数の削減
内容
現状、ボイラ(2.5t/h×4台)中、3.5台が運転されているが、ボイラの負荷率が年平均で45%と低い。負荷率が50%以下となると一般に点火、消火、炉内パージを頻繁に繰返し運用効率が低下する。そこで運転台数を2.5台としてボイラの負荷率を高め(63%)、運用効率を改善して都市ガス消費量を削減することを提案。
提案2
ボイラ
ボイラ蒸気圧力の低減
省エネ効果 | 6.0kL/年 |
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削減金額 | 372千円/年 |
設備概要 | ボイラ:2.5t/h、4台 |
キーワード
蒸気圧力の適正化
内容
蒸気は0.60MPa-Gで製造されている。一方、蒸気の需要先では減圧弁等で減圧し使用している。ボイラでの製造圧を0.10MPaだけ下げ、都市ガス消費量を削減することを提案。
提案3
デマンド管理
デマンド監視制御装置の活用
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 344千円/年 |
設備概要 | デマンド管理 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
デマンド監視装置を活用してピーク電力を監視し、設定値に近づいた場合には予め定めた機器を停止することによりピーク電力を抑制し、契約電力を低減(830kW→810kW)することを提案。なお、候補機器は、①事務所用空調機、 ②工場用空調機, ③排水ポンプ 、④集塵機、 ⑤給・排気ファン類、⑥冷蔵・冷凍庫類 (短時間に限る)等。
提案4
コンプレッサ
コンプレッサのエア漏れ防止
省エネ効果 | 3.8kL/年 |
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削減金額 | 196千円/年 |
設備概要 | エア配管 |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
工場では、空気配管からの漏れが懸念される。そこで、一般的な工場での漏れ率を適用し、漏れ対策により電力使用量の削減を提案。(現状の漏れ率10%→対策後の漏れ率2%、コンプレッサの年間電力消費量190千kWh)
提案5
コンプレッサ
コンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 73千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ:5台、合計35.5kW |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
現状、圧縮空気は、0.83MPa-Gの吐出圧力で供給されているが、シリンダ駆動用であり余裕がある。そこで、吐出圧力を0.78MPa-Gまで0.05MPaだけ下げ、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
蒸気配管
茹で麺ライン槽での蒸気ドレン回収
省エネ効果 | 140.4kL/年 |
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削減金額 | 8,765千円/年 |
設備投資額 | 2,000千円(回収0.2年) |
設備概要 | 蒸気配管 |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
現状、蒸気ドレンが回収されていない。そこで集中的に清浄ドレンが発生する茹で麺ライン(全蒸気使用量の約80%を消費)でドレン回収を行う。具体的には、全蒸気使用量の54%に相当するドレンを80℃で回収することで、都市ガス消費量を削減することを提案。
提案7
生産設備
茹で麺ライン槽からの廃棄温水の有効活用
省エネ効果 | 38.0kL/年 |
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削減金額 | 2,372千円/年 |
設備投資額 | 4,000千円(回収1.7年) |
設備概要 | 生産設備 |
キーワード
排熱利用
内容
茹で麺ラインは2ラインあり、20m3と17m3容量の茹で槽を有し、湯温は98℃設定である。茹で麺ラインの洗浄後、茹で槽の温水は廃棄されている。この廃棄温水の保有熱(熱放散を考慮し、回収温度を75℃、回収温水量を15m3/日と想定)をボイラの給水予熱として熱回収し、都市ガス消費量を削減することを提案。
提案8
換気設備
給排気ファンの風量適正化
省エネ効果 | 40.0kL/年 |
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削減金額 | 2,040千円/年 |
設備投資額 | 3,400千円(回収1.7年) |
設備概要 | 換気設備:4台、合計44kW |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化 インバータの導入
内容
現状、茹で室用と冷却室用の給気ファン・排気ファン(全4台で合計の定格容量44kW)が24時間連続で稼働している。操業停止時間帯(毎日5時間)での稼働停止や換気回数の見直しを実施するとともに、インバータを導入による風量の適正化により、電力消費量を削減(年間160千kWh)することを提案。
提案9
蒸気配管
蒸気配管・バルブの保温
省エネ効果 | 3.3kL/年 |
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削減金額 | 207千円/年 |
設備投資額 | 250千円(回収1.2年) |
設備概要 | 蒸気配管 |
キーワード
保温対策
内容
現状、蒸気配管(蒸気圧力0.60MPa-G)のバルブ、フランジと配管の一部に保温がされていない。バルブと配管に35mmの保温を施工することで、蒸気配管・バルブ表面からの熱放散を年間で110GJ削減し、都市ガス消費量を削減することを提案。
提案10
照明
FLR蛍光灯に節電型蛍光灯の採用
省エネ効果 | 1.6kL/年 |
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削減金額 | 83千円/年 |
設備投資額 | 273千円(回収3.3年) |
設備概要 | 照明:FLR40W、合計19kW |
キーワード
その他(節電型蛍光灯)
内容
工場の蛍光灯器具(FLR40W照明器具で合計容量19kW)にはFLR40W蛍光灯が使用されている。FLR40W蛍光灯を安定器、ソケットがそのまま使える節電型のFLR36W蛍光灯に交換することで、消費電力を年間6,400kWh削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。