株式会社T食品様ではISO活動の一環として省エネに取り組まれていますが、計画的で具体的な活動となっていないとの認識があり、今回受診されました。現状のエネルギー消費は、熱量比率でみると、電力が63%、燃料が37%です。そして、夏季に、生産繁忙期と冷房需要が重なることで電力のピークを迎えます。診断の結果、空調設定温度の緩和、空調熱交換器の清掃、外気導入量の削減、コンプレッサの台数制御など運用改善提案に加え、人感センサによるトイレ照明等の点消灯などの比較的小額の設備改善提案と上水使用量の削減についても、ご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
上水 (千m3/年) |
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改善前 | 860 | 110 | 2.7 |
改善後 | 822 | 90 | 2.0 |
提案1
空調設備
空調設定温度の緩和
省エネ効果 | 10.4kL/年 |
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削減金額 | 839千円/年 |
設備概要 | 空調設備 |
キーワード
設定温度の適正化
内容
現状、冷房は27℃、暖房は21℃で設定され、冷房期は78千m3、暖房期は11千m3の都市ガスを消費している。この設定を1℃だけ緩和(冷房28℃、暖房20℃)することで10%の省エネ効果が得られることから、都市ガス消費量を削減することを提案。
提案2
空調設備
空調熱交換器の清掃
省エネ効果 | 10.4kL/年 |
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削減金額 | 839千円/年 |
設備概要 | 空調設備 |
キーワード
空調換気設備の清掃(熱交換器、フィルタ等)
内容
現在、室内外機の熱交換器が長期間清掃されず、塵埃が付着し熱交換効率を低下させている。清掃により10%程度の効率回復が見込めることから、室内外機の熱交換器の清掃による都市ガス消費量を削減することを提案。(なお、都市ガス使用量は冷房期で78千m3、暖房期で11千m3。)
提案3
コンプレッサ
コンプレッサの台数制御
省エネ効果 | 7.4kL/年 |
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削減金額 | 510千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(4台、合計31.7kW) |
キーワード
台数制御
内容
現在、4台のコンプレッサ(定格容量は合計で31.7kW)が稼動しているが、いずれも50%程度の吐出量でしかない。定格容量の大きい11kWコンプレッサ1台は高負荷時のみ手動で電源投入し、通常時は残り3台(合計容量で20.7kW)を高負荷運転することで効率を高め、電力使用量を削減することを提案。
提案4
換気設備
外気導入量の削減
省エネ効果 | 3.1kL/年 |
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削減金額 | 248千円/年 |
設備概要 | 換気設備 |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
現在、室内CO2濃度は600ppm程度であり、ビル管理法の基準値(1,000ppm)に比べ低い。過剰な外気導入量を抑制することにより空調エネルギー量を低減することができる。そこで、室内CO2濃度を900ppm程度となるように外気導入量を現状の40%とすることで、GHPの都市ガス消費量を年間2,600m3削減することを提案。
提案5
コンプレッサ
コンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 88千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(3台、合計20.7kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサは、現状、吐出圧力は0.70MPa-Gで運転されているが、使用目的とフィルタの汚れ改善により吐出圧力を0.10Mpa下げることが可能と思われる。そこで、吐出圧力を0.60MPa-Gとして電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 376千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収0.8年) |
設備概要 | デマンド管理 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
デマンド監視装置を導入してピーク電力を監視し、設定値に近づいた場合には予め定めた機器を停止することによりピーク電力を抑制し、契約電力を低減(321kW→300kW)することを提案。
提案7
衛生設備
女子トイレに擬音装置の導入
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 255千円/年 |
設備投資額 | 240千円(回収0.9年) |
設備概要 | その他(トイレ) |
キーワード
トイレに擬音装置を設置
内容
女子トイレに擬音器を設置することにより、消音のためのフラッシュ回数(11L/回)を減らし、上水使用量を削減することを提案。
提案8
エア機器
エアガンのノズルサイズ変更
省エネ効果 | 0.6kL/年 |
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削減金額 | 44千円/年 |
設備投資額 | 15千円(回収0.3年) |
設備概要 | エア機器 |
キーワード
その他(エア量削減)
内容
現在のエアガンはノズル口径が3.0mmであるが、ノズル口径2.0mmで充分切粉は除去できる。ノズル口径を小さくすることで必要吐出量が削減できる(現状39m3/h → 改善後18m3/h)ため、同目的のノズル30個を2.0mmのものに交換することでエア使用量の削減を図り、電力消費量を削減することを提案。
提案9
給排水
手洗い水洗に泡沫節水器取付
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 37千円/年 |
設備投資額 | 40千円(回収1.1年) |
設備概要 | 給水設備 |
キーワード
節水機器の取り付け
内容
手洗い水栓の水量がやや多めであるため、泡沫節水器を取り付けて1回あたりの使用量の削減(現状2L/回 → 改善後1L/回)を図り、上水使用量を削減することを提案。
提案10
コンプレッサ
コンプレッサのエア漏れ防止
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 20千円/年 |
設備投資額 | 50千円(回収2.5年) |
設備概要 | コンプレッサ(3台、合計20.7kW) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
現状、空気配管からの漏れが懸念されるため、一般的な工場での漏れ率を適用し、漏れ対策により電力使用量を削減することを提案。(現状の漏れ率10%→対策後の漏れ率2%、負荷率70%)
提案11
照明
トイレの照明と換気扇を人感センサーで制御
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 11千円/年 |
設備投資額 | 50千円(回収4.5年) |
設備概要 | 照明(12W、2個所)、換気設備(30W) |
キーワード
人感センサーの設置、照度センサーの設置 高効率照明への更新
内容
現状、工場トイレは蛍光灯と換気扇が設備され、個別手元スイッチで各々制御されている。スイッチ周りはどうしても汚れるので、灯具更新(現状:蛍光灯照明12W/箇所 → 改善後:LED照明6W/箇所)と消し忘れ防止、さらに汚れ防止と衛生面を兼ねて人感センサーと遅延タイマーで制御することで、電力消費量(600kWh/年)を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。