株式会社O社様では、ISO9001やHACCP認定を取得し品質向上と安全性確保に努めると共に、各製造機器の仕様や運転時間を把握することにより省エネルギー活動に取り組まれています。ただ、エネルギー使用量については工場全体での管理になっているため、個々の省エネルギー対策の効果が不明確な状態になっているとの認識から、設備レベルでの省エネを更に進めることを目的として受診されました。診断の結果、照明機器の更新、蒸気配管のバルブの保温施工、熱風乾燥炉の運用改善等をご提案しました。
提案1
乾燥炉
乾燥炉空気比の適正化
省エネ効果 | 2.7kL/年 |
---|---|
削減金額 | 218千円/年 |
設備概要 | 乾燥炉 |
キーワード
空気比の適正化
内容
現状の乾燥炉(年間燃料消費量73ton)の排ガス酸素濃度は9.0%(空気比として1.75)と推定され、省エネ法の判断基準による空気比の1.3に比べ高い。空気比を1.3まで適正化することで2.9%の省エネが図られることから、空気比調整によりLPG消費量を削減することを提案。
提案2
ボイラ
ボイラ空気比の適正化
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 32千円/年 |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
空気比の適正化
内容
現状のボイラ(年間燃料消費量68kL)の排ガス酸素濃度は5.1%(空気比として1.32)であり、省エネ法の判断基準による目標空気比の1.25に比べ調整の余地がある。空気比を1.25まで適正化することで0.6%の省エネが図られることから、空気比調整によりA重油消費量を削減することを提案。
提案3
コンプレッサ
コンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 18千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(7.5kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサ(定格容量7.5kW)から0.7MPa-Gの吐出圧力で供給されているが、需要先のエアシリンダーには余裕がある。そこで、吐出圧力を0.6MPa-Gまで0.1MPaだけ下げ、電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
乾燥炉
乾燥炉の保温
省エネ効果 | 5.6kL/年 |
---|---|
削減金額 | 461千円/年 |
設備投資額 | 780千円(回収1.7年) |
設備概要 | 乾燥炉 |
キーワード
保温対策
内容
現状、対象とする乾燥炉はボイラからの蒸気を使用し、約30℃で炉内乾燥を行っているが、乾燥炉は保温がされていない。20mmの保温を施工することで、乾燥炉表面からの熱放散を年間で173GJ削減し、ボイラでのA重油消費量を削減することを提案。
提案5
蒸気配管
蒸気配管・バルブの保温
省エネ効果 | 1.6kL/年 |
---|---|
削減金額 | 135千円/年 |
設備投資額 | 250千円(回収1.9年) |
設備概要 | 蒸気配管 |
キーワード
保温対策
内容
現状、蒸気配管(蒸気圧力0.58MPa-G)のバルブと配管の一部に保温がされていない。バルブと配管に40mmの保温を施工することで、蒸気配管・バルブ表面からの熱放散を年間で55GJ削減し、A重油消費量を削減することを提案。
提案6
冷凍冷蔵設備
冷凍庫入口の外気侵入抑制
省エネ効果 | 2.0kL/年 |
---|---|
削減金額 | 124千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収0.8年) |
設備概要 | 冷凍冷蔵設備 |
キーワード
冷気漏れ対策
内容
庫内温度-5℃のプレハブ冷凍庫は前室が無いため原材料の搬入時に入口から外気が侵入している。そこで、入口にビニールカーテンを設置し(高さ2m×幅2m)、外気侵入を防止して冷凍機の使用電力量を削減することを提案。なお、プレハブ冷凍庫の年間入口扉開放時間は10,400分で冷凍機のCOPは2.0である。
提案7
蒸気配管
ドレン配管の保温
省エネ効果 | 1.0kL/年 |
---|---|
削減金額 | 85千円/年 |
設備投資額 | 250千円(回収2.9年) |
設備概要 | ドレン配管 |
キーワード
保温対策
内容
現状、ドレン回収配管(配管表面温度100℃)は保温がされていない。ドレン回収配管に20mmの保温を施工することで、ドレン回収配管表面からの熱放散を年間で35GJ削減し、A重油消費量を削減することを提案。
提案8
照明
水銀灯をメタルセラミックハライドランプに更新
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 47千円/年 |
設備投資額 | 270千円(回収5.7年) |
設備概要 | 照明(水銀灯400W、6台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状、400W水銀灯が6台倉庫照明として、年間2,340時間点灯している。同じ光束で高効率なセラミックメタルハライドランプ(消費電力190W/台)に加え安定器とセード(反射笠)を更新することにより、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。