マルイ食品株式会社 米ノ津工場様では、エネルギー管理規定を整備され、省エネ活動に取り組んでいます。今回、冷凍機など設備の適切な運転方法、保守点検の方法と更新アドバイスを得るために受診されました。現状のエネルギー消費は、熱量比率でみると、電力が86%、燃料が14%です。特に電力消費量が多く、この設備としては、冷凍機とポンプ・ブロワーがあります。冷凍機では性能に差があることから性能調整、ポンプ・ブロワーのインバータ化、また、ボイラでは空気比の改善、保温対策などの改善ポイントが見られ、これらをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 810 | 44 |
改善後 | 655 | 29 |
提案1
冷凍冷蔵設備
急速冷凍システム冷凍機の運転見直し
省エネ効果 | 2.7kL/年 |
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削減金額 | 156千円/年 |
設備概要 | 冷凍冷蔵設備 |
キーワード
その他(性能調整)
内容
同一仕様の2台の冷凍機が並列運転されているが、常に1台の冷凍機の電流値が高い(約4%)。もう1台の冷凍機についても、効率の良い冷凍機の性能となるように運用改善を行い、電力使用量を削減(年間10,000kWh)することを提案。
提案2
ボイラ
ボイラ空気比の適正化
省エネ効果 | 0.6kL/年 |
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削減金額 | 53千円/年 |
設備概要 | ボイラ(1t/h) |
キーワード
空気比の適正化
内容
現状のボイラ(年間燃料消費量は44kL)の排ガス酸素濃度は7.9%(空気比として1.6)であり、省エネ法の判断基準による基準空気比の1.4に比べ高い。空気比を1.4まで適正化することで1.6%の省エネが図られることから、空気比調整により灯油消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
ボイラ
ボイラからの廃熱回収
省エネ効果 | 8.0kL/年 |
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削減金額 | 662千円/年 |
設備投資額 | 1,500千円(回収2.3年) |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
現状のボイラ排ガス温度は250℃であり熱回収の余地がある。そこで、160℃まで熱回収を行うエコノマイザーを設置し(年間熱回収量は249GJ)、灯油消費量を削減することを提案。
提案4
デマンド管理
エコモニター(多回路計測装置)導入による省エネルギー
省エネ効果 | 10.4kL/年 |
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削減金額 | 607千円/年 |
設備投資額 | 3,000千円(回収4.9年) |
設備概要 | デマンド |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
電力需要側では電力使用量が計測されていないため、エコモニター(多回路計測装置)を導入し、リアルタイムに設備の運転状態を把握し、ムダ・ムリ・ムラを抑制し電力原単位を改善する。目標として総電力使用量の5%を削減することを提案。
提案5
排水処理
高効率省エネモーター(IPMモーター)に更新
省エネ効果 | 8.9kL/年 |
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削減金額 | 517千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収0.8年) |
設備概要 | 給水、排水処理 |
キーワード
その他(高効率モーター)
内容
現在、排水処理施設モーター(3台の定格合計10.1kW、負荷率90%、稼働時間8,760h/年)や動力噴霧機モーター(定格7.5kW、負荷率90%、稼働時間1,460h/年)が使用されている。これらのモーターを永久磁石を使った高効率省エネモーター(IPMモーター)に更新し、電力使用量を削減することを提案。
提案6
排水処理
曝気ブロワーのインバータ化
省エネ効果 | 8.4kL/年 |
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削減金額 | 491千円/年 |
設備投資額 | 3,500千円(回収7.1年) |
設備概要 | 排水処理(曝気ブロワー、2台;合計7.1kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
ルーツブロワー(2台で合計容量は7.1kW)にインバータを導入して、曝気槽内汚水の溶存酸素濃度を連続測定し、それを所定管理値に維持するように回転数制御する。現状の風量一定運転に比べ風量が溶存酸素濃度により変動することで、消費電力消費量を30%(年間33,000kWh)削減することを提案。
提案7
ボイラ
ボイラの保温
省エネ効果 | 5.1kL/年 |
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削減金額 | 411千円/年 |
設備投資額 | 750千円(回収1.8年) |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
保温対策
内容
洗浄殺菌用ボイラ本体とダクト(合計で15.9m2)に50mmの保温を施工し、缶体表面からの熱放散を現状の170GJ/年から13GJ/年までに削減し、灯油消費量を削減することを提案。なお、缶体外部に保温を行うと金属製外板の温度は保温前に比べ高温となるため、実施に際しては耐熱強度と熱伸び対策を確認する必要がある。
提案8
冷凍冷蔵設備
急速冷凍機の内1台をインバータ化
省エネ効果 | 5.5kL/年 |
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削減金額 | 321千円/年 |
設備投資額 | 1,100千円(回収3.4年) |
設備概要 | 冷凍冷蔵設備 |
キーワード
インバータの導入
内容
急速冷凍庫用冷凍機2台の内1台をインバータ化し、冷凍庫負荷変動に対応することで電力消費量を削減することを提案。ここで、冷媒量70%での吐出弁絞り機構での動力比が91%であるのに対し、同じ冷媒量でのインバータ機の動力比は74.5%であり、差分が省エネとなる。
提案9
照明
FLR蛍光灯をHf蛍光灯にユニット更新
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 82千円/年 |
設備投資額 | 105千円(回収1.3年) |
設備概要 | 照明(40W×2灯、117台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現在、銅鉄型安定器を用いたFLR40W2灯式蛍光灯が事務室や工場で使用されている。より高効率なHf安定器を用いた蛍光灯に更新することで省エネが図られる。そこで、現状の蛍光灯照明器具のランプ、安定器、ランプソケットをユニットで更新することを提案。
提案10
冷凍冷蔵設備
冷凍機用冷却水ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 82千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収2.4年) |
設備概要 | 冷凍冷蔵設備(冷却水ポンプ2.2kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
現状ポンプは能力が2.2KWであり、バルブを絞って運転している。そこでインバータを設置し、バルブを全開としたまま、モーターの回転数を変え必要水量が流れるようにする。結果、必要電力は1.5kWとなり、電力使用量を年間5,500kWh削減することを提案。
提案11
給排水
井水ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
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削減金額 | 66千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収3.0年) |
設備概要 | 給水(井水ポンプ5.5kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
現在、井水ポンプ(定格5.5kW、負荷率38%)はON,OFF制御で運転しているため動力損失が大きい。ポンプをインバータ化し、負荷に応じて回転数制御を行うことで、電力使用量を現状の20%までに削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。