株式会社ホテルきよ水様では、空調設定温度の変更や、不要な照明の消灯、高効率照明の導入などの省エネ対策を実施されています。今回省エネを更に進めるためのきっかけとして受診されました。現状のエネルギー消費の特徴は、夏季に電力、冬季に燃料の消費割合が大きいことです。電力では、冷房用熱源チラーと照明など、燃料では暖房用給湯ボイラなどに改善余地が見られました。また診断先からの要望、「チラーのデマンド対策と給湯ボイラの排湯利用ヒートポンプへの切り替え」も踏まえて、以下をご提案しました。なおチラーのデマンド対策については「深夜電力による水蓄熱方式」を推奨しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
A重油 (kL/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 2,060 | 26 | 368 | 7 |
改善後 | 2,052 | 26 | 319 | 7 |
提案1
ボイラ
給湯用ボイラの空気比の適正化
省エネ効果 | 17.4kL/年 |
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削減金額 | 1,326千円/年 |
設備概要 | 給湯用ボイラ |
キーワード
空気比の適正化
内容
給湯用ボイラ1000Mcal/hが4台ある、夫々の給湯ボイラの排ガス酸素濃度は、ばい煙実測データによると、4台平均で10.5%(空気比=2.0)と高い値であった。燃焼用空気を必要以上に供給すると、排ガス量が増えエネルギー損失が増大するので、空気量を適正値(空気比=1.4)に下げることでA重油使用量を削減することを提案。
提案2
照明
節電型蛍光ランプへの交換
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
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削減金額 | 51千円/年 |
設備概要 | 蛍光灯ランプ |
キーワード
高効率照明への更新
内容
バックヤードである事務所、厨房等には、従来型直管型蛍光灯40Wランプが使用されている。省電力の36Wランプに交換することで、電力消費量を削減することを提案。
提案3
その他
省エネ自動販売機への更新
省エネ効果 | 0.7kL/年 |
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削減金額 | 44千円/年 |
設備概要 | 自動販売機 |
キーワード
省エネ自動販売機の導入
内容
自動販売機が、5台(年間消費電力:1,500kW/台)設置されているが、いずれもヒータによる加熱方式のものである。これをヒートポンプ方式で加熱するトップランナー機器(年間消費電力:960kW/台)に更新して電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
給湯設備
温泉排湯利用ヒートポンプ給湯機の新規導入
省エネ効果 | 13.3kL/年 |
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削減金額 | 1,406千円/年 |
設備投資額 | 12,600千円(回収9.0年) |
設備概要 | 給湯機 |
キーワード
高効率機への更新
内容
温泉排湯を利用するヒートポンプ給湯機(加熱容量:49.3kW)を新規に導入して給湯ボイラ燃料(A重油)を削減することを提案。温泉排湯温度37℃、給水温度11.9℃、ヒートポンプ給湯機からの給温水温度65℃とし、全量を貯湯槽に貯め消費する。その年間給湯量は、2,920m3/年である。なお効果試算は、この年間給湯量が給湯ボイラからすべて供給されたとして燃料削減量を試算した。
提案5
給湯設備 給排水
大浴場のシャワーヘッドを節水型へ交換
省エネ効果 | 5.5kL/年 |
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削減金額 | 844千円/年 |
設備投資額 | 105千円(回収0.1年) |
設備概要 | シャワーヘッド |
キーワード
その他(節電型シャワーヘッドへの交換)節水機器の取り付け
内容
大浴場のシャワーヘッドを節水型シャワーヘッドへ交換することで、用水および給湯用ボイラ燃料を削減することを提案。
提案6
その他
浴槽温水面の保温
省エネ効果 | 10.0kL/年 |
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削減金額 | 762千円/年 |
設備投資額 | 150千円(回収0.2年) |
設備概要 | 浴槽 |
キーワード
その他(浴槽温水面の保温)
内容
当ホテルには、大浴槽2槽と露天浴槽2槽があり、非入浴時間帯も浴槽温水面のカバーがないため湯気が放散している。この湯気の蒸発潜熱(気化熱)を抑えることで、温水供給源である給湯ボイラの燃料(A重油)を削減することを提案。
提案7
照明
白熱灯、誘導灯をLEDへ更新
省エネ効果 | 4.6kL/年 |
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削減金額 | 294千円/年 |
設備投資額 | 1,083千円(回収3.7年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①廊下に設置された客室表示灯には、白熱灯(ミニクリプトン電球)60Wが57台使用されている。この電球をLEDランプ(消費電力:7.8W/台)に交換して電力消費量を削減することを提案。
②従来型誘導灯(蛍光灯)は、銅鉄安定器を使用しているため効率が悪い。効率の高いLED誘導灯に更新して電力消費量を削減することを提案。
提案8
照明
トイレ照明に人感センサー設置
省エネ効果 | 1.0kL/年 |
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削減金額 | 62千円/年 |
設備投資額 | 280千円(回収4.5年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
人感センサーの設置、照度センサーの設置
内容
1階、2階のトイレ(7箇所)の照明は、点灯している時間が長い。そこで、人感センサーによる自動点滅機能をつけ、トイレ不使用時には、照明を自動消灯して電力消費量を削減することを提案。
提案9
給湯設備
温水循環ポンプの間欠運転
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 17千円/年 |
設備投資額 | 30千円(回収1.8年) |
設備概要 | 温水循環ポンプ |
キーワード
その他(間欠運転)
内容
温水循環ポンプ(750W×1台、外気処理用)は、冬季夜間の凍結防止のため連続運転を行っていた。凍結防止のための運転では、タイマーによる間欠運転(夜間時間帯1時間に10分程度の運転)で特に支障はない。そこでポンプの間欠運転を行うことで電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。