A食品工業様では、省エネ対策として不要時の消灯等を実施されています。今回、重油使用量と電力使用量の低減による省エネを目的に受診されました。診断の結果、ボイラ蒸気圧の適正化、蒸気配管・バルブの保温、ドレンー回収、排水処理曝気ブロワーのインバータ化等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
A重油 (kL/年) |
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改善前 | 910 | 0.4 | 120 |
改善後 | 883 | 0.4 | 99 |
提案1
ボイラ
蒸気ボイラの蒸気圧力適正化
省エネ効果 | 2.6kL/年 |
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削減金額 | 201千円/年 |
設備概要 | A重油焚蒸気ボイラ(排ガス温度240℃で年間120kL消費) |
キーワード
蒸気圧力の適正化
内容
蒸気は0.75MPa-Gで製造されている。一方、蒸気の需要先での必要圧は0.45MP-G以下である。ボイラでの製造圧を0.2MPa下げ蒸気製造圧力を0.55MPa-Gにして、重油消費量を低減することを提案。
提案2
ボイラ
蒸気ボイラの空気比適正化
省エネ効果 | 2.6kL/年 |
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削減金額 | 199千円/年 |
設備概要 | A重油焚蒸気ボイラ(排ガス温度240℃で年間120kL消費) |
キーワード
空気比の適正化
内容
蒸気ボイラ2缶は空気比1.6で運転されている。空気比を省エネ法判断基準の1.35まで絞ることで燃料使用量を削減することを提案。
提案3
コンプレッサ
コンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 31千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(3.7kWx2台+7.5kWx2台+11kWx2台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
複数のコンプレッサが0.79MPa-Gで稼動している。需要先では減圧弁で圧力を調整し0.5~0.6MPa-Gで使用されている。コンプレッサの吐出圧を0.1MPa下げ0.69MPa-Gにして、電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
蒸気配管
蒸気配管、バルブの保温
省エネ効果 | 8.6kL/年 |
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削減金額 | 659千円/年 |
設備投資額 | 1,400千円(回収2.1年) |
設備概要 | バルブ(65A×11個等)、フランジ(50A×10個等)、<br /> 配管(50A×100m) |
キーワード
保温対策
内容
蒸気配管(表面温度は90~138℃)の一部のバルブ、減圧弁、フランジが未保温である。未保温部に40(消費先)および50(ボイラ室)mmの保温を行うことで燃料使用量を削減することを提案。
提案5
ボイラ
蒸気式加熱器からのドレン回収
省エネ効果 | 7.0kL/年 |
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削減金額 | 534千円/年 |
設備投資額 | 600千円(回収1.1年)<br /> 小型貫流ボイラと炉筒煙管ボイラの価格差 |
設備概要 | A重油焚蒸気ボイラ(排ガス温度240℃で年間120kL消費) |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
現状蒸気式加熱器からのドレンは回収されず、全量排出されている。スチームトラップを取り付けドレン回収を行うことで燃料使用量を削減することを提案。
提案6
排水処理
曝気ブロワーにインバータ導入
省エネ効果 | 3.9kL/年 |
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削減金額 | 255千円/年 |
設備投資額 | 1,000千円(回収3.9年) |
設備概要 | 曝気ブロワ(11kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
曝気ブロワー1台が設置され、操業状態を問わず定速で昼夜連続運転を行っている。曝気ブロワーにインバータを導入し、DO(溶存酸素量)計を活用し、DO値によりインバータ制御することで電力消費量を低減することを提案。
提案7
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 252千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収1.6年) |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
デマンド監視装置を導入してピーク電力を監視し、設定値に近づいた場合には予め定めた機器を停止することによりピーク電力を抑制し、契約電力を低減(320kW→300kW)することを提案。
提案8
コンプレッサ
コンプレッサの統合
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 87千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収4.0年) |
設備概要 | コンプレッサ(3.7kWx2台+7.5kWx2台+11kWx2台) |
キーワード
コンプレッサの統合、台数削減
内容
エア配管が製造ライン別に独立しているため、負荷の大小にかかわりなくコンプレッサが常時運稼動している。エア配管を連結することで、エア負荷の平準化とコンプレッサ運転台数の削減することを提案。
提案9
受変電設備
変圧器の統合
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
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削減金額 | 75千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収4.0年) |
設備概要 | 変圧器(3φ200kVA×2台) |
キーワード
変圧器の統合
内容
2台の動力用変圧器の負荷率が低いため1台に統合することで、変圧器の無負荷損を減らし、電力消費量を約47%低減することを提案。
提案10
換気設備
排気ファンの運転時間短縮
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 18千円/年 |
設備投資額 | 20千円(回収1.1年) |
設備概要 | ①室排気ファン(0.255kW×1台)、<br /> ②室排気ファン(0.255kW×3台) |
キーワード
非生産(不要)時・休日の稼働台数削減
内容
2室の排気ファンが休日や非生産時も運転されている。そこで、①室の排気ファン1台は夜間・休日の運転停止(現状運転時間2,928h/年→改善後運転時間1,020h/年)し、②室の排気ファン3台は操業前後の運転停止(現状運転時間3,060h/年→改善後運転時間2,295h/年)をすることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。