鳥羽市相差浄化センター様では、省エネ対策として空調設定温度の適正化、休み時間の消灯等を実施されています。今回、エネルギー消費の大きい設備の省エネを目的に受診されました。診断の結果、曝気・撹拌ブロワーへのインバータ導入、逆洗時間の短縮、電力平準化による契約電力の低減と電力消費量の削減等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
上水 (千m3/年) |
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改善前 | 460 | 0.43 |
改善後 | 236 | 0.04 |
提案1
排水処理
逆洗時間の短縮
省エネ効果 | 0.7kL/年 |
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削減金額 | 40千円/年 |
設備概要 | 逆洗ポンプ(18.5kW)、空洗ブロワー(30kW) |
キーワード
その他(逆洗時間の短縮)
内容
下水の処理量に対して浄化装置を通過する水量が1.65倍程度あることから、浄化装置の入口部に還流する水量の90%以上が逆洗排水量と推定される。逆洗時間を10%短縮することにより、浄化装置還流水量の削減、および逆洗関係機器及び汚水ポンプ等の処理プロセス全体の電力消費量を削減することを提案。(逆洗時間は試行して適正量の検討が必要。今回は、10%短縮するとして試算)
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案2
排水処理
曝気・撹拌ブロワーへのインバータ導入
省エネ効果 | 14.0kL/年 |
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削減金額 | 749千円/年 |
設備投資額 | 850千円(回収1.1年) |
設備概要 | 曝気ブロワー(7.5kW×2台)、<br /> 貯留槽攪拌ブロワー(2.2kW×2台) |
キーワード
インバータの導入
内容
下水処理量は、計画の30%程度と余裕がある。処理水の水質は非常に良く、例えばBOD濃度は基準値に比較して極めて低い。そのことから、曝気用及び撹拌用の空気供給量の大幅削減が可能。曝気・撹拌ブロワーにインバータを導入し、回転数制御による空気供給量の最適化(当面▲10%減)を行うことで、電力消費量を削減することを提案。
提案3
排水処理
汚水処理のポンプ・ファンへのインバータ導入
省エネ効果 | 6.8kL/年 |
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削減金額 | 369千円/年 |
設備投資額 | 825千円(回収2.2年) |
設備概要 | 汚水ポンプ(5.5KW×2台)、脱臭ファン(5.5kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
ポンプやファンにインバータを導入して回転数制御することで、電力消費量を削減することを提案。
現状→更新案 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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①汚水ポンプ:沈砂池の水位による間欠運転(A:5.5kW×2台、B:11kW×2台) →稼働時間の長いポンプAにインバータ導入し、揚程を調整(15→12m) |
550 | 88 | 6.3 |
②脱臭ファン:ダンパー調整(開度80%)→インバータ制御 | 275 | 281 | 1.0 |
提案4
排水処理
汚水処理のポンプのインペラカット
省エネ効果 | 1.7kL/年 |
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削減金額 | 93千円/年 |
設備投資額 | 600千円(回収6.5年) |
設備概要 | ポンプ(電力消費量34千kWh/年) |
キーワード
ポンプのインペラカット
内容
逆洗ポンプ、逆洗排水ポンプ及び原水ポンプは吐出バルブを絞って運転しており、ポンプ能力に余裕がある。ポンプのインペラ(羽根車)の外径を小さくし、吐出バルブ全開での運転することでポンプの流量を削減(▲20%)し、電力消費量を低減することを提案。
提案5
排水処理
ポンプ井の攪拌機へのインバータ導入
省エネ効果 | 0.9kL/年 |
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削減金額 | 48千円/年 |
設備投資額 | 24千円(回収0.5年) |
設備概要 | 攪拌機(2.4kW×2台) |
キーワード
インバータの導入
内容
ポンプ井の攪拌機(プロペラ式)は、沈砂池水位により定格値で間欠運転している。攪拌機にインバータを導入し、汚水量に見合った回転数制御(攪拌量▲20%減)することで、電力消費量を低減することを提案。
提案6
排水処理
下水処理水の活用による節水
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 307千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収1.0年) |
設備概要 | 上水(433→390m3/年、▲390m3/年の削減) |
キーワード
その他(下水処理水の活用による節水)
内容
上水使用量の90%程度は、下水浄化処理プロセスで使用される薬品の溶解用として使用されている。浄化処理水の水質が比較的良質であることから、薬品の溶解用として再利用が可能と考える。薬品溶解用として浄化処理水の再利用することで、上水使用量を削減することを提案。
提案7
照明
高効率照明への交換
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
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削減金額 | 62千円/年 |
設備投資額 | 774千円(回収12.5年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状→更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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①FLR形蛍光灯(85W/台、200W/台)→Hf形蛍光灯(65W/台、134W/台) | 3、5 | 136 | 16 | 8.5 |
②蛍光誘導灯(15W)→LED誘導灯(2W) | 29 | 638 | 46 | 13.9 |
提案8
デマンド管理
電力平準化による契約電力の低減と電力消費量の削減
省エネ効果 | 11.8kL/年 |
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削減金額 | 699千円/年 |
設備投資額 | 520千円(回収0.7年) |
設備概要 | 電力モニター装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
月平均電力は契約電力の1/2程度である。機器別・回路別に1時間毎の電力消費状況を通年計測し、設備機器の運転タイミングの変更、不要機器の停止による電力平準化を行うことで、契約電力の低減(101kW→91kW)と電力消費量の削減を行うことを提案。
提案9
受変電設備
変圧器の統合と高効率化
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
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削減金額 | 44千円/年 |
設備投資額 | 843千円(回収19.2年) |
設備概要 | 変圧器(3φ300kVA×1台、単相50kVA×1台<br /> →灯動共用200kVA×1台) |
キーワード
変圧器の統合 高効率変圧器への更新
内容
動力用変圧器の二次側に電灯用変圧器を設置しており、変圧器損失が大きい。負荷に見合った容量の高効率動灯変圧器1台を新設し、その二次側に動力用負荷と電灯用負荷の移設することで、変圧器の損失を低減(負荷損3,596→2,220W、無負荷損928→365W)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。