南丹市国際交流会館様は会議室・ホール等を持つ建物ですが、地域への24時間放送やデータ通信を運用しているため電力が全電力使用量の50%を占めています。省エネ対策としては、不要な空調の停止や不要照明の消灯等を実施されています。今回、空調機の更新等のため受診されました。診断の結果、灯油焚吸収冷温水機の電動HPチラーへの更新、室内温度の適正化、外気取入れ量の削減、コンピュータ室の局所間仕切りによる空調負荷低減等をご提案しました。
提案1
空調設備
温度設定の適正化
省エネ効果 | 2.6kL/年 |
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削減金額 | 209千円/年 |
設備概要 | 冷温水発生機(140RT×2台) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
設定温度を緩和すると室内外の温度差が小さくなるので、熱負荷、壁・窓・開口等からの熱損失が小さくなり省エネとなる。設定温度を適正化(省エネ率10%、冷房期+1℃、暖房期-1℃)することで、燃料消費量を低減することを提案。
提案2
空調設備
運転時間の短縮
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
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削減金額 | 56千円/年 |
設備概要 | 空調機(9台、定格電力計67kW) |
キーワード
運転時間の短縮(待機時)
内容
空調時間は8:00~22:00となっているが、入出館記録等から基準空調時間の短縮が可能。時間外については、当日の入館状況を見て調整するものとし、全体の運転時間を前後30分ずつ短縮することにより、電力消費量を低減することを提案を提案。
提案3
照明
誘導灯設備:不要時の消灯
省エネ効果 | 2.1kL/年 |
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削減金額 | 140千円/年 |
設備概要 | 誘導灯設備(54台、計990W) |
キーワード
不要照明の消灯(昼休み時の消灯)
内容
避難誘導設備の避難誘導灯には、誘導灯信号装置が設置されているのも関わらず常時点灯している。連動に設定することにより不要時に消灯させ、省エネを図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
空調設備
灯油焚吸収冷温水機を電動HPチラーに更新
省エネ効果 | 12.5kL/年 |
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削減金額 | 1,225千円/年 |
設備投資額 | 7,000千円(回収5.7年) |
設備概要 | 灯油焚吸収冷温水機(140RT×2台)<br /> →電気式空冷HP(30HP×6モジュール) |
キーワード
高効率空調機への更新
内容
灯油焚吸収冷温水機は設置後20年を経過し、更新時期に来ている。更新に当たっては高効率吸収冷温水発生機やヒートポンプ等が考えられる。不定期なホール等での使用を考慮し、機動性に優れかつ冷却塔の別置を不要とする電動ヒートポンプチラーへの更新により、エネルギー消費量を削減することを提案。但し、電動化によるデマンド増加への考慮も必要。
提案5
空調設備
外気取入れ量の削減
省エネ効果 | 6.0kL/年 |
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削減金額 | 489千円/年 |
設備投資額 | 2,000千円(回収4.1年) |
設備概要 | 冷温水発生機(140RT×2台) |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
空調における外気取入れは空気清浄度の維持するために実施するが、現状ではダンパ調整がCO2濃度に応じて行われておらず過剰な状態(平均769PPM)。冷・暖房期に外気取入れ量を減らすことでCO2濃度を適正化(900PPM)し、燃料消費量を低減することを提案。(炭酸ガス濃度を測定するために、センサの設置が必要)
提案6
空調設備
コンピュータ室 局所間仕切りによる空調負荷低減
省エネ効果 | 2.5kL/年 |
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削減金額 | 164千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収0.6年) |
設備概要 | 空調機(定格電力11kW) |
キーワード
その他(部屋の間仕切り)
内容
コンピュータ室内をパッケージエアコンで空調しているが、発熱源のサーバが占有している面積は少ない。サーバのサイズに合った空間とするように間仕切りを行い、余分な空調負荷を削減することで、電力消費量を削減することを提案。
提案7
空調設備
室外機の日射遮蔽
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 11千円/年 |
設備投資額 | 20千円(回収1.8年) |
設備概要 | 空調機(9台、定格電力計67kW) |
キーワード
室外機への散水、日射対策、移設
内容
室外機に太陽光が直接当たる熱交換器が日光により加熱され、熱交換効率が低減することにより増エネとなる。室外機を「よしず」等で覆うことにより、室外機に直接日射が当たることを防止するとともに、周辺温度の低減が期待でき運転効率が向上し、電力消費量を削減することを提案。但し冬季にはよしずを外すことが肝要である。
提案8
衛生設備
女子トイレに擬音装置の導入
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 141千円/年 |
設備投資額 | 320千円(回収2.3年) |
設備概要 | トイレ数16個 |
キーワード
トイレに擬音装置を設置
内容
女子トイレでは1回当たり平均2.5回水を流すという観察結果がある。女子トイレに擬音装置を導入することにより、使用水量を削減することを提案。
提案9
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 0.6kL/年 |
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削減金額 | 44千円/年 |
設備投資額 | 290千円(回収6.6年) |
設備概要 | 白熱電球(40W×100個)、マルチハロゲン灯(250W×22個) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現在使用されている40W直管型蛍光灯、白熱電球、マルチハロゲン灯を高効率な省エネ型蛍光灯、LED電球、セラミック型メタルハライドランプに更新するように提案。提案は発光管のみの交換で省エネが実現できるものとした。
現状→改善案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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①白熱電球(36W)→LED球(6W) | 100 | 200 | 29 | 6.9 |
②ハロゲンランプ(250W)→セラメタランプ(220W) | 22 | 90 | 15 | 6.0 |
提案10
デマンド管理
デマンド監視装置の導入
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 653千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収0.6年) |
設備概要 | 契約電力(188kW→150kW) |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
9月に最大デマンドが出ている。施設の稼働率は制限できないが、利用者への啓発や職員等への教育により7、8月実績程度までデマンドを抑えることができる。このためにはデマンドの見える化を行う必要があり、デマンド監視装置を導入を提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。