K社様では、省エネ活動としてポンプの運転時間短縮、コンプレッサの夜間運転停止、待機電力の削減等を実施されています。今回、空調設備の更新や更なる省エネ対策等を目的に受診されました。診断の結果、空調機の更新、高架水槽オーバーフロー水の有効活用、空調負荷の低減対策、電気炉の予熱時間短縮等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
灯油 (kL/年) |
上水 (千m3/年) |
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改善前 | 2,330 | 18 | 1 | 6 |
改善後 | 2,214 | 0 | 1 | 5 |
1 提案5にて、「LPGガス吸収式冷温水機をEHP式冷熱チラーに置換」によりLGPが全廃されるが、
その代わり電力が増える。
2 提案5が実施されると灯油の削減は無くなるため、提案4・提案6・提案9は灯油の削減量合計の
対象外とした。
但し、省エネ対策としては空調機全般に有効であるため、効果金額・原油量削減効果はそのままとした。
(正確には、電力量削減効果として計算が必要)
提案1
工業炉
電気炉の予熱時間の短縮
省エネ効果 | 3.1kL/年 |
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削減金額 | 280千円/年 |
設備概要 | 電気炉の削減予熱電力量(50kW×1h/日×240日/年) |
キーワード
予熱時間の短縮
内容
電気炉を始業開始前の約7時間前から予熱しているが、始業前まで一定の電力量となっていることから1時間予熱の投入時間を遅らせることで、電力消費量を低減することを提案。
提案2
照明
作業室通路の消灯
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
---|---|
削減金額 | 98千円/年 |
設備概要 | 蛍光灯(100W×2灯/台×10台) |
キーワード
不要照明の消灯(昼休み時の消灯)
内容
大型水道メータ作業室の通路の照度を測定すると、4~500Lxと明るい状況である。JISの照度基準では通路は100Lxであり、周りの照明の明るさから判断して、この通路の照明灯を消灯し、電力消費量を低減することを提案。
提案3
照明
省エネ型蛍光灯に置換
省エネ効果 | 0.1kL/年 |
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削減金額 | 5千円/年 |
設備概要 | 蛍光灯:FLR40S・W/M-X(40W)<br /> →FLR40S・W/M-X36(36W) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
荷捌室の照明30台は、従来の40Wの一般型蛍光灯が使用されている。寿命による交換時に高効率の36W蛍光灯に置換することで、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
空調設備
空調負荷の低減対策
省エネ効果 | 4.0kL/年 |
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削減金額 | 459千円/年 |
設備投資額 | 3,000千円(回収6.5年) |
設備概要 | 換気負荷▲20%減、発熱負荷▲20% |
キーワード
その他(空調負荷の低減)
内容
無駄な冷気供給の停止、不要な排気の停止、天井カセットエアコン付近での扉封鎖、空調エリアで工業炉の熱放出防止対策等により、燃料消費量を削減(▲17%)することを提案。
提案5
空調設備
LPGガス吸収式冷温水機をEHP式冷熱チラーに置換
省エネ効果 | 23.4kL/年 |
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削減金額 | 1,793千円/年 |
設備投資額 | 15,000千円(回収8.4年) |
設備概要 | LPGガス吸収式冷凍機(COP:0.7、LPG消費量:17.8千kg/年) |
キーワード
高効率空調機への更新
内容
LPGガス吸収式冷凍機は15年経過していることから、高効率な電気ヒートポンプ(EHP)式の冷熱チラーに交換することにより、燃料消費量を削減することを提案。 (EHP用電力消費量が増加するが、差し引きすると省エネ効果あり)
提案6
給湯設備
手洗い用給湯設備の小型分散化
省エネ効果 | 1.5kL/年 |
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削減金額 | 200千円/年 |
設備投資額 | 240千円(回収1.2年) |
設備概要 | 大型ボイラ(LPG消費量:1,988kg/年)<br /> →小型給湯器(電力消費量:4.327kWh/年) |
キーワード
その他(給湯設備の小型分散化)
内容
手洗い用に大型ボイラを設置し、循環給湯しているが、使用時間が短く損失が大きい。小型給湯機を分散して設置することで、燃料消費量を削減することを提案する。
提案7
給排水
35m高架水槽オーバーフロー水の有効利用
省エネ効果 | 35.5kL/年 |
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削減金額 | 3,215千円/年 |
設備投資額 | 9,000千円(回収2.8年) |
設備概要 | 大型ポンプ(29.4m3/h×3台)、小型ポンプ(8.3m3/h×2台) |
キーワード
その他(オーバーフロー水の有効利用)
内容
35m高架水槽からのオーバーフロー水は、廃棄している。これを20m高架水槽に送ることにより、20m高架水槽への給水を削減(オーバーフロー水の位置エネルギーの有効利用)し、電力消費量の削減(707→569千kWh/年、▲138千kWh/年)と節水を行うことを提案。
提案8
衛生設備
女子トイレに擬音装置を設置
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 100千円/年 |
設備投資額 | 160千円(回収1.6年) |
設備概要 | 女子39名、トイレ8個 |
キーワード
トイレに擬音装置を設置
内容
女子トイレに擬音装置を設置することで、使用水量の削減を図ることを提案。
提案9
工業炉
電気炉の扉付近から熱漏洩対策
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
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削減金額 | 103千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収1.0年) |
設備概要 | 電気炉(2台)、放熱面積(0.15m2/台)、<br /> 漏洩熱量(3,932kWh/年) |
キーワード
排熱漏れ対策
内容
電気炉の扉付近からの熱漏洩(漏洩部300℃)があり、加熱炉のエネルギー損失と空調負荷の増大が生じている。セラミックファイバーで開口部を遮蔽することで、加熱用燃料消費量と空調用電力使用量を削減することを提案。
提案10
照明
天井照明灯位置の適正化
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 27千円/年 |
設備投資額 | 240千円(回収8.9年) |
設備概要 | セラメタHランプ(290W)→セラメタHランプ(190W) |
キーワード
その他(照明灯位置の適正化)
内容
ライニング室の照明灯(セラメタHランプ290W、6台)は、天井8mの高さから点灯している。クレーンの無いエリアにおいては照明灯の光源を作業面に近づけることで、消費電力の少ない照明灯(セラメタHランプ190W、6台)に交換し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。