A社様では、省エネ対策として蛍光灯のHf化や間引き、給排気の夜間停止、変圧器の統合等を実施されています。今回、空調機やコンプレッサの省エネ、工業炉の保温等を目的に受診されました。診断の結果、トップランナー空調機への更新、空調設定の適正化、空調の分散起動による契約電力低減、全熱交換機の導入、加熱炉の保温等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 4,800 | 8 | 1 |
改善後 | 3,857 | 1 | 1 |
提案1
空調設備
分散起動による契約電力の低減
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 4,458千円/年 |
設備概要 | 空調機 |
キーワード
その他(契約電力の低減)
内容
冬季始業時、一斉にエアコンを運転し電力ピークを記録している。建屋別に運転時間を30分~1時間ずらすことにより、契約電力を低減(1,514→1,261kW、▲280kW)することを提案。
提案2
空調設備
設定温度の適正化
省エネ効果 | 64.2kL/年 |
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削減金額 | 3,171千円/年 |
設備概要 | 空調機の電力消費量<br /> (冷房:1,000千kWh/年、暖房:700千kWh/年) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
設定温度を緩和すると室内外の温度差が小さくなるので、熱負荷、壁・窓・開口等からの熱損失が小さくなり省エネとなる。 設定温度を緩和(冷房:26℃→27℃、暖房:24℃→22℃)により、電力消費量を低減(▲10%)することを提案。
提案3
照明
照明の間引き
省エネ効果 | 2.7kL/年 |
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削減金額 | 195千円/年 |
設備概要 | 照明 |
キーワード
照明の間引き
内容
①A棟1階工場壁際通路:必要以上の照度(床面で420 lx)があるため、間引きして照度を下げる。
照度基準(JIS Z91110):営業・設計750~1500lx、事務所・会議室・作業場300~750lx等
②工場作業エリア:過度な照明となっている。個別キャノピースイッチ設置済みのため、個別消灯して適正照度まで下げる。
項目 | 効果 (千円/年) |
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①工場通路:蛍光灯の間引き(64W×11台) | 25 |
②工場作業エリア:照度の適正化(対象:64W/台、75台) | 170 |
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
空調設備
トップランナーの高効率空調機への更新
省エネ効果 | 105.8kL/年 |
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削減金額 | 7,653千円/年 |
設備投資額 | 100,000千円(回収13.1年) |
設備概要 | 空調機49台の消費電力<br /> (現状、冷房:700千kW/年、暖房:500千kW/年) |
キーワード
高効率空調機への更新
内容
空調機は年々効率が向上しており、更新時はトップランナーの高効率空調機に更新することでCOPが改善(COP2.5→3.3)され、電力消費量を削減(▲35%)することを提案。
提案5
空調設備
全熱交換器の導入
省エネ効果 | 34.4kL/年 |
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削減金額 | 2,247千円/年 |
設備投資額 | 15,000千円(回収6.7年) |
設備概要 | 全熱交換器<br /> (外気導入量:17千m3/h、COP:冷房2.5、暖房3.0) |
キーワード
全熱交換換気設備の導入、有効活用
内容
室内への外気取入れ時に全熱交換器を採用し、導入外気の熱負荷を軽減することにより、電力消費量を削減(▲35%)することを提案。
提案6
空調設備
室外機への”よしず”の取り付け
省エネ効果 | 5.7kL/年 |
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削減金額 | 412千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収0.5年) |
設備概要 | 空調機(39台、計874kW) |
キーワード
室外機への散水、日射対策、移設
内容
空冷式空調機の屋外機は夏季には直射日光により吸い込み温度が上昇して効率低下を招き、消費電力が増加する。そのため、”よしず”などで日陰を作ることで効率低下を防ぎ、電力消費量を削減(▲4%)することを提案。
提案7
換気設備
局所排気ファンのインバータ化
省エネ効果 | 4.9kL/年 |
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削減金額 | 357千円/年 |
設備投資額 | 460千円(回収1.3年) |
設備概要 | 局所排気ファン(2台、3.7kW+5.5kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
局所排気ファンの負荷は、モータ定格能力よりやや低い。インバータを導入して風量を低減し、電力消費量を削減することを提案。
提案8
コンプレッサ
高効率機種への更新
省エネ効果 | 5.1kL/年 |
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削減金額 | 372千円/年 |
設備投資額 | 2,500千円(回収6.7年) |
設備概要 | コンプレッサ(22kW) |
キーワード
高効率機への更新
内容
現在のコンプレッサはスクリュータイプでロード/アンロード方式のため、電力の無駄が多い。そのため、スクリュータイプでインバータ方式のコンプレッサに更新することで、電力消費量を低減することを提案。
提案9
エア機器
除電ブローノズルへのレギュレータ取付
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 36千円/年 |
設備投資額 | 80千円(回収2.2年) |
設備概要 | エア消費量(電力換算6,8kW) |
キーワード
その他(エア機器へのレギュレータ取付)
内容
エア機器にはレギュレータがなく、すべてにエアを0.5MPaで供給し、過剰供給状態。各機器毎にレギュレータを設置して必要圧力に下げることで、エア消費量を削減(▲50%)することを提案。
提案10
工業炉
加熱炉の保温対策
省エネ効果 | 16.9kL/年 |
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削減金額 | 1,222千円/年 |
設備投資額 | 850千円(回収0.7年) |
設備概要 | リフロー炉(表面積20m2)、エージング装置(表面積620m2) |
キーワード
保温対策、熱ロスの低減
内容
保温対策により、電力消費量を削減することを提案。
①リフロー炉:表面温度がやや高い(:表面50℃、周囲25℃)ため、さらに保温対策を行う。
②エージング装置:カバーやダクトの表面温度がやや高い(表面40℃、周囲25℃)。カバーを断熱性の良いものに交換、ダクトの保温対策を行う。
分類 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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①リフロー炉の保温 | 200 | 661 | 0.3 |
②エージング装置の保温 | 650 | 561 | 1.2 |
提案11
工業炉
高温排気の屋外排気
省エネ効果 | 1.7kL/年 |
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削減金額 | 122千円/年 |
設備投資額 | 210千円(回収1.7年) |
設備概要 | ①リフロー炉の排気量(30m3/h)、<br /> ②ハンダ槽スポットクーラーの排気量(200m3/h) |
キーワード
その他(工業炉排気の屋外放出)
内容
リフロー炉やハンダ槽スポットクーラーから高温排気が屋内に放出され、空調負荷が増大している。屋外に放出することで、空調の電力消費量を削減することを提案。
①リフロー炉からの高温排気(表面60度)
②ハンダ槽スポットクーラーからの高温排気(表面60℃)
分類 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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①リフロー炉からの高温排気対策 | 10 | 16 | 0.6 |
②ハンダ槽スポットクーラーから高温排気対策 | 200 | 106 | 1.9 |
提案12
給湯設備
ガス給湯器の更新
省エネ効果 | 1.2kL/年 |
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削減金額 | 159千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収2.5年) |
設備概要 | ガス給湯器3台(LPG消費量、計12kg/h) |
キーワード
高効率機への更新
内容
現在のガス給湯器は一般タイプで、熱効率がやや低い。熱効率の高い排熱回収タイプのガス給湯器に更新することで、ガス使用量を低減(▲11%)することを提案。
提案13
受変電設備
変圧器の更新
省エネ効果 | 4.8kL/年 |
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削減金額 | 347千円/年 |
設備投資額 | 3,000千円(回収8.6年) |
設備概要 | 変圧器3φ500kVA(無負荷損+負荷損:7,750kW→3,160kW、▲60%) |
キーワード
高効率変圧器への更新
内容
設置後25年経過の変圧器を更新(アモルファス)して、電力損失を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。