鳥取缶詰株式会社 第二工場様では、省エネ対策として空調設定温度の適正化、不要な空調の停止等を実施されています。今回、夏季のピーク電力の突発的上昇防止等を目的に受診されました。診断の結果、デマンド監視装置の導入によるピーク電力の抑制と削減、殺菌機の高温排水からの熱回収、コンプレッサの節電対策等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
C重油 (kL/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 1,100 | 5 | 582 | 1 |
改善後 | 987 | 5 | 463 | 1 |
提案1
ボイラ
冬季の単独運転化による電力削減
省エネ効果 | 2.5kL/年 |
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削減金額 | 173千円/年 |
設備概要 | ボイラ2台(4t/h、6t/h) |
キーワード
運転台数の削減
内容
冬季はボイラ2台運転を行っているが、燃料使用実績から1台運転でも余裕がある。1缶停止により給水ポンプや補機類等の電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案2
換気設備
排気ファンへのインバータ導入
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 97千円/年 |
設備投資額 | 185千円(回収1.9年) |
設備概要 | ファン(3.7kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
排気ファンの入口ダンパー開度は30%程度で、能力に余裕がある。ダンパを全開にして、ファンにインバータを導入して排気量を削減することで、電力消費量を低減することを提案。
提案3
蒸気配管
返送ドレン配管径の適正化
省エネ効果 | 9.9kL/年 |
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削減金額 | 550千円/年 |
設備投資額 | 510千円(回収0.9年) |
設備概要 | 配管100m(100A→40A) |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
即席麺工程フライヤー熱交換器のドレンをボイラに返送しているが、ドレン流量1.5t/hより主要部分(屋外)の配管サイズが大きい。適正なサイズ(100A→40A)に更新することにより放散熱量を削減し、燃料消費量を低減することを提案。
提案4
蒸気配管
保温対策
省エネ効果 | 7.2kL/年 |
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削減金額 | 400千円/年 |
設備投資額 | 970千円(回収2.4年) |
設備概要 | 蒸気配管、バルブ |
キーワード
保温対策
内容
改善案 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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①ボイラ室:配管(50A×4m)、フランジ型玉形弁(100A×3個、65A×1個) | 160 | 110 | 1.5 |
②工場内:配管(40A×38m)、フランジ型玉形弁(100A×3個、50A×12個) | 810 | 290 | 2.8 |
提案5
蒸気配管
ドレン返送方法の変更
省エネ効果 | 4.6kL/年 |
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削減金額 | 316千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収0.9年) |
設備概要 | ジェットポンプ(7.5kW) |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
フライヤー熱交換器ドレンはボイラに返送し、ジェットポンプで高圧給水ラインに供給している。今回、熱交換器近傍にフラッシュタンクを設置し、発生蒸気を近接の蒸気に送気する。ドレンは給水タンクに返送することで、ジェットポンプの運転を停止し、節電を図ることを提案。
提案6
コンプレッサ
節電対策
省エネ効果 | 13.1kL/年 |
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削減金額 | 894千円/年 |
設備投資額 | 1,500千円(回収1.7年) |
設備概要 | コンプレッサ(7台、計80kW) |
キーワード
吐出圧力の低減 台数制御 コンプレッサの統合、台数削減
内容
改善案 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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①吐出圧の低減(0.70→0.60MPa) | 200 | 217 | 0.9 |
②即席麺工程:コンプレッサ3台の台数制御(消費電力47.3→37.0kW) | 1,200 | 409 | 2.9 | ③殺菌機: レシーバタンク2台への送気法変更(直列送気→並列送気)、 タンク出口配管のサイズアップ等により、コンプレッサの台数減(2台で計18.9kW→1台11kW) | 100 | 268 | 0.4 |
提案7
排水処理
非生産時に曝気用ブロワーの運転台数削減
省エネ効果 | 4.5kL/年 |
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削減金額 | 309千円/年 |
設備投資額 | 20千円(回収0.1年) |
設備概要 | 曝気用ブロワー(11kW×2台) |
キーワード
非製造時(不要)時・休日の稼働台数削減
内容
排水処理用曝気ブロワーは年中2台運転であるが、非生産時(土日曜)に運転台数を1台に減らすことで電力消費量を低減することを提案。夜間にもBOD流入がない場合、この時間帯も運転台数の削減を検討する。この場合、曝気漕内の好気性細菌が死滅しないように短時間での停止とし、DO(溶存酸素量)値を測定し管理値以上とすることが必要。
提案8
生産設備
レトルト工程の殺菌機の高温排水からの熱回収
省エネ効果 | 110.8kL/年 |
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削減金額 | 6,172千円/年 |
設備投資額 | 3,000千円(回収0.5年) |
設備概要 | 高温排水(95℃→55℃、10.7m3/h) |
キーワード
排熱利用
内容
殺菌機の1次高温排水(120℃)は、現状地下ピットに排水されている。今回、地下ピットから排水処理槽への送水ラインの途中に熱交換器を設置しては排熱を回収し、殺菌機用給水の加温に活用することで、ボイラ燃料消費量を削減することを提案。
提案9
生産設備
即席麺工程の油循環ポンプへのインバータ導入
省エネ効果 | 3.0kL/年 |
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削減金額 | 208千円/年 |
設備投資額 | 930千円(回収4.5年) |
設備概要 | 油循環ポンプ(18.5kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
油循環ポンプ能力に余裕があるため、バルブで流量調整をしている。今回、バルブを全開して、ポンプにインバータを設置して必要油量に低減することで、モータ消費電力を軽減することを提案。
提案10
デマンド管理
デマンド監視装置の設置
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 302千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収1.3年) |
設備概要 | 受変電設備 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
デマンド監視装置の導入により最大電力を監視し、設定値に近づいたときには警報を出す。また、時刻別に電力使用量を測定・記録し、ピーク発生時間帯の実態把握を行い最大電力を低減し、契約電力を削減(26kW減)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。