N社様では、省エネ推進体制が整備され、省エネのPDCA活動に意欲的に取り組まれています。今回の診断では、空調機の運転管理と制御の見直し、照明機器等へのアドバイスを希望されました。診断の結果、外調機の暖房時送風温度の適正化、空調機のCO2濃度制御導入、高効率照明への更新、残業時間帯での事務室内の部分消灯等をご提案しました。併せて、各階の給湯室等の換気ファンの間欠運転、冬期以外での中央給湯方式の停止等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
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改善前 | 6,400 | 140 |
改善後 | 5,991 | 111 |
提案1
空調設備
外調機の暖房時送風温度の適正化
省エネ効果 | 10.5kL/年 |
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削減金額 | 845千円/年 |
設備概要 | 空調機外調機(定格送風量:29km3/h+28km3/h) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
中央方式の空調システムが構築されており、外調機は2F~9F系統と10F~17F系統に分かれている。10F~17F系統は全空調機が暖房運転をしていないため、外調機の送風温度を現状の18℃から14℃程度に緩和することで、温水負荷を低減して燃料消費量を削減することを提案。
提案2
空調設備
冷却塔ファン制御用の冷却水温度設定の適正化
省エネ効果 | 7.4kL/年 |
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削減金額 | 539千円/年 |
設備概要 | 冷温水機および冷専水冷チラーの冷却塔 |
キーワード
設定温度の適正化
内容
冷温水機および冷専水冷チラーの冷却塔では、冷却水温度設定によりファンの制御を行っている。現状では冷却水温度は30℃設定に固定されているが、中間期や冬期は外気温が低いので冷却水設定温度を20℃程度まで下げてファンを稼働させることで、省エネになる。そこで、冷却塔ファン発停用サーモスイッチおよびバイパス制御弁の設定温度を毎月変更することにより、冷却塔ファン動力と冷温水機燃料消費量を削減することを提案。
提案3
空調設備
換気ファンの間欠運転化
省エネ効果 | 12.7kL/年 |
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削減金額 | 835千円/年 |
設備概要 | 換気ファン(5.5kW×2台、2.2kW×5台) |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
各階の給湯室はガス湯沸器から電気温水器に更新され、ガス燃焼空気相当の換気が不要である。各階EPS(電気設備および電気通信設備用の配線を通すスペース)に設置されていた低圧トランスは電気室に統合され、EPS内の換気も不要である。そのため換気ファンは1~3h/日の間欠運転とし、換気ファンの電力消費量を削減することを提案。
提案4
給湯設備
冬期以外は中央給湯方式の給湯停止
省エネ効果 | 11.5kL/年 |
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削減金額 | 913千円/年 |
設備概要 | 貫流ボイラ(1.5t/h、7.2kW)、循環ポンプ(0.4kW×2台) |
キーワード
高効率機への更新
内容
給湯設備として、ボイラによる中央給湯方式と、湯沸室の電気温水器による個別給湯方式を併設している。冬期以外は中央給湯方式の給湯を停止することにより、ボイラの燃料消費量とボイラおよび給湯循環ポンプの電力消費量を削減することを提案。
提案5
照明
事務室の昼休み時間および残業時間帯の部分消灯
省エネ効果 | 35.1kL/年 |
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削減金額 | 2,306千円/年 |
設備概要 | 蛍光灯(36W×3灯式×280台、36W×2灯式×56台、<br /> 32W×3灯式×2632台、32W×2灯式×392台、<br /> 16W×3灯式×848台) |
キーワード
不要照明の消灯(昼休み時の消灯)
内容
事務室において昼休みの消灯や残業時間帯に部分消灯を行うことで、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
空調設備
空調機のCO2濃度制御導入
省エネ効果 | 28.7kL/年 |
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削減金額 | 2,030千円/年 |
設備投資額 | 9,600千円(回収4.7年) |
設備概要 | 空調機(2,540kW/6台) |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
空調機にCO2濃度制御を導入し、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法)」の上限値1,000ppmを超過しない範囲で外気導入量を低減し、外気負荷および送風機駆動動力を削減することを提案。
提案7
換気設備
換気ファンへのインバータ導入
省エネ効果 | 3.9kL/年 |
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削減金額 | 258千円/年 |
設備投資額 | 825千円(回収3.2年) |
設備概要 | 排気ファン(7.5kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
厨房の排気ファンは風量が過大であるため、吸込ダクトのダンパーにより風量調整を行っている。換気ファンにインバータを導入し、必要風量にあわせた回転数制御を行うことで、ファン駆動電力削減することを提案。
提案8
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 6.2kL/年 |
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削減金額 | 441千円/年 |
設備投資額 | 1,150千円(回収2.8年) |
設備概要 | 白熱灯(15台)、ハロゲンランプ(100台)→LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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白熱灯100W | LED灯8.7W | 15 | 150 | 95 | 1.6 |
ハロゲンランプ50W | LED灯7.5W | 100 | 1,000 | 316 | 3.2 |
提案9
照明
初期照度補正Hf蛍光灯に更新、および昼光センサー制御の採用
省エネ効果 | 14.4kL/年 |
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削減金額 | 945千円/年 |
設備投資額 | 4,644千円(回収4.9年) |
設備概要 | 蛍光灯(36W×3灯式×280台、36W×2灯式×56台等) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
2階および17階の事務室内の従来型蛍光灯を初期照度補正機能付Hf型蛍光灯に更新し、さらに窓際照明は昼光センサーで明るさを制御することで、照明用電力を削減することを提案。
提案10
OA・事務機器
パソコンの待機電力の削減
省エネ効果 | 8.6kL/年 |
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削減金額 | 567千円/年 |
設備投資額 | 360千円(回収0.6年) |
設備概要 | パソコン(100W×1,200台) |
キーワード
節電モード設定(待機電力の削減)
内容
帰宅時は、通常のシャットダウンによるパソコンの終了に加えて、スイッチ付きのコンセント等により主電源を遮断することで、待機電力を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。