ミタニ マイクロニクス株式会社様では、製品が温湿度に敏感であるため、品質管理で温湿度管理を優先されています。診断の結果、品質管理と省エネを両立できる方策として、クリーンルームの非作業時における空調設定温度適正化、空調用の外気導入量削減、空調循環ファンの風量低減、コンプレッサの吐出圧低減、ボイラの空気比の適正化などをご提案しました。
提案1
空調設備
非作業時の設定温度適正化
省エネ効果 | 10.5kL/年 |
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削減金額 | 511千円 |
設備概要 | チラー(電力85.4kW、76.8kW) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
クリーンルームの設定温度は、夜間などの非作業時も日中と同じとなっている。冷房期間の7か月(210日)においても、非作業の夜間12時間は現状の22℃から24℃(2℃緩和)の設定にして、空調の電力消費量を削減することを提案。
提案2
空調設備
非作業時の外気導入量低減
省エネ効果 | 2.7kL/年 |
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削減金額 | 131千円 |
設備概要 | チラー(電力85.4kW、76.8kW) |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
クリーンルームは、24時間、同じ条件で運転している。非作業時(夜間)は外気導入量を削減し、空調の電力消費量を削減することを提案。
提案3
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 5.5kL/年 |
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削減金額 | 270千円 |
設備概要 | コンプレッサ(11kW×2台、15kW×1台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
現状のコンプレッサの吐出圧力が過剰であるため、生産に支障がない範囲で低減(0.9MPa→0.6MPa)することで、電力消費量を削減することを提案。
提案4
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 3.1kL/年 |
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削減金額 | 180千円 |
設備概要 | ボイラ(温水ボイラ4.4kW、蒸気ボイラ2.0kW) |
キーワード
空気比の適正化
内容
温水ボイラと蒸気ボイラが排ガス酸素濃度6%(空気比1.4)で運転されていたため、4%(空気比1.25)に削減し、損失を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
空調設備
冬季外気冷房の活用
省エネ効果 | 15.3kL/年 |
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削減金額 | 745千円 |
設備投資額 | 100千円(回収0.1年) |
設備概要 | チラ-(85.4kW、76.8kW)、冷水循環ポンプ(18.4kW)、<br /> 冷却塔(5.5kW)、冷却水ポンプ(15kW) |
キーワード
外気冷房活用
内容
クリーンルームは一定の温湿度(22℃±1℃、湿度50%(RH±10%)を24時間維持するため、冬期(150日)もチラーで冷却した空気を温水ボイラで加温して温湿度調整を行っている。チラーを通過しないバイパス回路を設置して冬期冷却は外気冷房のみとし、冬期のチラーと温水ボイラの負荷低減を行うことを提案。
提案6
空調設備
ファンにインバータを導入し、非作業時の風量低減
省エネ効果 | 54.9kL/年 |
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削減金額 | 2,667千円 |
設備投資額 | 3,000千円(回収1.1年) |
設備概要 | ファン(55kW、22kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
クリーンルーム用の送風ファンにインバータを導入し、夜間等の非作業時にファン回転数を低減して風量を下げ、電力消費量の削減を図ることを提案。
提案7
冷却設備
冷却塔循環水ポンプにインバータ導入
省エネ効果 | 9.7kL/年 |
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削減金額 | 473千円 |
設備投資額 | 1,000千円(回収2.1年) |
設備概要 | ポンプ(7.5kW×2台) |
キーワード
インバータの導入
内容
冬季や中間期に、冷却塔循環種ポンプにインバータを導入して流量を削減し、電力消費量を低減することを提案。
提案8
照明
高効率蛍光灯への交換
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 22千円 |
設備投資額 | 135千円(回収6.1年) |
設備概要 | 蛍光灯(233台、40W/台→36W/台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
40W蛍光灯を36W蛍光灯に交換し、電力消費量の削減を図ることを提案。
提案9
受変電設備
変圧器の更新と負荷統合
省エネ効果 | 9.4kL/年 |
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削減金額 | 458千円 |
設備投資額 | 7,120千円(回収15.5年) |
設備概要 | 変圧器300kVA×3台、100kVA×2台 → 750kVA×2台、<br /> 150kVA×1台 |
キーワード
変圧器の統合 高効率変圧器への更新
内容
動力用変圧器300kVA×3台、電灯用変圧器100kVA×2台を稼働している。動力用変圧器のうち1台は需要率97%と高く電圧降下が発生する可能性があり、電灯用変圧器2台は需要率10%と負荷が非常に軽い。そのため、動力用変圧器を新設の750kVA×2台に、電灯負荷を新設の150kVA×1台に集約することで、電圧変動の問題解決と損失を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。