株式会社谷口製陶所様では、不要時の空調や照明の消灯、高効率照明の導入などを実施していましたが、今回は更なる省エネ対策を希望されました。診断の結果、焼成炉の空気比改善・立ち上げ時間短縮・保温強化および廃熱利用、給水ポンプの稼働数削減、バーナーファンや冷却水ポンプ・冷却ファンへのインバータ導入などをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 740 | 600 | 1.5 |
改善後 | 618 | 513 | 1.5 |
提案1
工業炉
焼成炉の空気比の改善
省エネ効果 | 38.3kL/年 |
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削減金額 | 2,384千円/年 |
設備概要 | 焼成炉(LPG消費595千kg/年) |
キーワード
空気比の改善
内容
焼成炉の排ガス中の酸素濃度は11%だが、5%で運転可能。予熱帯の温度分布に大きく影響すると考えられるため、第一ステップとして9%で燃焼調整を実施することにより、LPG消費量を削減することを提案。
提案2
工業炉
焼成炉の立ち上げ時間の見直し
省エネ効果 | 9.7kL/年 |
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削減金額 | 606千円/年 |
設備概要 | 焼成炉(LPG消費595千kg/年) |
キーワード
予熱時間の短縮
内容
焼成炉は年3回停止され、その都度105時間かけて立ち上げている。立ち上がり温度特性を見ると75時間で炉の温度は安定している。立ち上げ時間を安全を見て80時間とすることにより、LPG消費量及びファンの電力消費量を削減することを提案。
提案3
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 4.1kL/年 |
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削減金額 | 267千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(37kW+22kW=59kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
現在、コンプレッサは吐出圧力0.69MPaで運転されているが、圧縮の使用機器の設定圧より、吐出圧力を0.59MPaに下げることが可能。吐出圧力の低減により、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
工業炉
焼成炉の保温対策
省エネ効果 | 64.1kL/年 |
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削減金額 | 3,990千円/年 |
設備投資額 | 2,500千円(回収0.6年) |
設備概要 | 焼成炉(LPG消費量595千kg/年) |
キーワード
保温対策、熱ロスの低減
内容
焼成炉の外壁は130℃ある。未保温の部分、保温の破損部及び上部で保温の劣化した部分等が、散見される。その部分の保温を強化することにより放熱量を削減し、LPG消費量を低減することを提案。
提案5
工業炉
焼成炉の廃熱利用
省エネ効果 | 2.4kL/年 |
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削減金額 | 149千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収3.4年) |
設備概要 | 焼成炉(LPG消費595千kg/年) |
キーワード
排熱の回収
内容
焼成炉の廃熱は一部釉薬塗布後の乾燥炉に利用されているが、ほとんどは大気に放出されている。一方整形後の乾燥機では、LPGを燃焼させている。整形後の乾燥機の温度は50~70℃と低い為、焼成炉の廃熱を利用することによりバーナーを停止することを提案。
提案6
コンプレッサ
吸気温度の低減
省エネ効果 | 2.4kL/年 |
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削減金額 | 160千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収2.5年) |
設備概要 | コンプレッサ(37kW、22kW) |
キーワード
吸気温度の低減
内容
コンプレッサおよびドライヤーの排気を直接室内に出しているため、室内温度が高い。コンプレッサおよびドライヤーの排気をダクトで室外に排出し、窓を開けて運転することにより、吸気温度を下げ、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案7
冷却設備
給水ポンプの稼動数削減
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 11千円/年 |
設備投資額 | 30千円(回収2.7年) |
設備概要 | ポンプ1.5kW |
キーワード
稼働台数の削減
内容
井戸設置の加圧給水ポンプで直接工場に送水し、工場の受水槽の供給ポンプを停止することを提案。
提案8
換気設備
冷却ファン・バーナーファンへのインバータ導入
省エネ効果 | 17.4kL/年 |
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削減金額 | 1,140千円/年 |
設備投資額 | 1,500千円(回収1.3年) |
設備概要 | 冷却ファン(3.7kW、5.5kW)、バーナーファン15kW |
キーワード
インバータの導入
内容
冷却ファンはダンパー開度75%に絞り、バーナーファンはダンパー開度40%に絞って送風している。ダンパー開度100%としてインバータを導入して風量を絞ることにより、ファンの電力消費量を削減することを提案。
提案9
冷却設備
インバータの導入
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 23千円/年 |
設備投資額 | 150千円(回収6.5年) |
設備概要 | ポンプ1.5kW |
キーワード
インバータの導入
内容
油圧プレスのオイルクーラー用冷却水ポンプにインバータを導入し、中間期及び冬期にインバータで流量を低減し、電力消費量を削減することを提案。
提案10
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 5.4kL/年 |
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削減金額 | 355千円/年 |
設備投資額 | 1,440千円(回収4.1年) |
設備概要 | 水銀灯、蛍光灯→Hf蛍光灯、LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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水銀灯400W | Hf蛍光灯45W | 25→63 | 1,260 | 321 | 3.9 |
蛍光灯78W | LED灯40W | 15 | 180 | 34 | 5.3 |
提案11
受変電設備
受変電設備の統合
省エネ効果 | 0.9kL/年 |
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削減金額 | 215千円/年 |
設備投資額 | 1,200千円(回収5.6年) |
設備概要 | 変圧器24kVA |
キーワード
受変電設備の統合
内容
同一構内で2か所での受電となっている。第1工場の受電設備に統合し第2工場へは低圧配電にすることで、第2工場の変圧器の無負荷損を削減し、同時に1契約とすることで基本料金(156,000円)を低減することを提案。
提案12
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入
削減金額 | 81千円/年 |
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設備投資額 | 300千円(回収3.7年) |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
デマンド監視制御装置を導入して目標設定値を超過する前に警報を発し、予め定めた機器(照明や空調機等)の運転停止等の対策により、契約電力の低減を図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。