株式会社須部商店様では、従来、冷却工程に対して夜間電力を活用する「氷蓄熱システム」導入を行うなど、積極的に省エネに取り組まれていますが、ボイラや照明の高効率化など、さらなる省エネを指向されていました。診断の結果、非製造時の豆乳製造用冷却装置の停止、豆腐用冷却槽の設定温度適正化、蒸気配管系の保温徹底、高効率蛍光灯への更新、デマンド監視装置の導入などをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
灯油 (kL/年) |
A重油 (kL/年) |
---|---|---|---|---|
改善前 | 650 | 18 | 10 | 110 |
改善後 | 594 | 18 | 10 | 95 |
提案1
排水処理
休日・夜間における排水処理用送風機の間欠運転
省エネ効果 | 4.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 261千円/年 |
設備概要 | ルーツブロワー2台(3.7kW、5.5kW) |
キーワード
間欠運転
内容
排水処理装置の曝気用送風機(ルーツブロワー)は、休日・夜間も定格運転されている。休日・夜間は操業時と比較して排水負荷が小さく過大に送風しているため、設置済みのタイマーを利用してインターバル運転を行い、送風機の電力消費量を低減することを提案。この場合、曝気漕内の好気性細菌が死滅しないように短時間での間欠運転とし、DO(溶存酸素量)値を測定し管理値以上とすることが必要。
提案2
冷却設備
非製造時における豆乳製造用冷却装置の停止
省エネ効果 | 2.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 170千円/年 |
設備概要 | チラー(3.9kW)、ブラインポンプ(0.58kW) |
キーワード
非製造時(不要)時・休日の稼働台数削減
内容
豆乳製造で使用する冷却装置(チラー及びブラインポンプ)は、生産が週3~4日にもかかわらず、24時間連続運転している。生産開始1時間前からの運転で循環水(ブライン)が設定温度に達するため、(生産開始1時間前+生産時間)以外では冷却装置を停止することで、運転時間を短縮することを提案。
提案3
冷却設備
豆腐用冷却水槽の設定温度の適正化
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 11千円/年 |
設備概要 | チラー(60kW)、ブラインポンプ(8.25kW)、<br /> 循環ポンプ(3.7kW) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
3次冷却水槽の温度は、管理温度5℃以下に対し2.5~3.5℃で運用されている。製品の品質に影響がないことを確認した上で設定温度を1℃上げ、電力消費量を低減することを提案。
提案4
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 2.6kL/年 |
---|---|
削減金額 | 195千円/年 |
設備概要 | ボイラ(0.75t/h、0.5t/h) |
キーワード
空気比の適正化
内容
空気比が1.6と高く、排熱によるエネルギー損失が大きい。省エネ法の判断基準に基づき、適正範囲1.3程度に下げることで、燃料消費量を削減することを提案。
提案5
空調設備
エアコンのフィルターの清掃強化
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 17千円/年 |
設備概要 | 業務用エアコン(25.2kW) |
キーワード
空調換気設備の清掃(熱交換器、フィルタ等)
内容
工場内及び事務所にはエアコンが多数設置されている。5S活動の一環としてフィルター清掃を毎月1回実施し、省エネを図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
蒸気配管
保温対策
省エネ効果 | 4.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 316千円/年 |
設備投資額 | 368千円(回収1.2年) |
設備概要 | ボイラ(0.75t/h、0.5t/h) |
キーワード
保温対策
内容
蒸気配管とバルブの一部の保温が行われていないため、保温対策により放熱を低減し、ボイラの燃料消費量を低減することを提案。
提案7
ボイラ
高効率ボイラへの更新
省エネ効果 | 8.1kL/年 |
---|---|
削減金額 | 612千円/年 |
設備投資額 | 5,800千円(回収9.5年) |
設備概要 | ボイラ(0.75t/h) |
キーワード
高効率機への更新
内容
ボイラの効率化も、省エネの大きなポイント。更新時には、適正規模の高効率ボイラを導入することを提案。
提案8
コンプレッサ
豆腐プレス機の押板戻し圧の低減
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 23千円/年 |
設備投資額 | 80千円(回収3.5年) |
設備概要 | コンプレッサ(7.5kW) |
キーワード
空圧機器の設定圧力適正化
内容
豆腐用プレス機の押板の戻し圧が押圧と同じであるため、戻し用の空気圧を低減することで、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案9
換気設備
工場排気ファンへのインバータ導入
省エネ効果 | 2.7kL/年 |
---|---|
削減金額 | 162千円/年 |
設備投資額 | 700千円(回収4.3年) |
設備概要 | 排気ファン(14kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
現状は、常時定格運転し調節器具(ダンパ)で風量を絞っていたため、ファン駆動動力のロスがある。ファンにインバータを導入して回転数を下げることで風量を低減し、ファンの電力消費量を削減することを提案。
提案10
照明
高効率蛍光灯への更新
省エネ効果 | 3.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 234千円/年 |
設備投資額 | 2,248千円(回収9.6年) |
設備概要 | 蛍光灯85W、44W→Hf型蛍光灯65W、34W |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
---|---|---|---|---|---|
蛍光灯85W | Hf蛍光灯65W | 166 | 2,248 | 234 | 9.6 |
蛍光灯44W | Hf蛍光灯34W | 20 |
提案11
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入
削減金額 | 195千円/年 |
---|---|
設備投資額 | 400千円(回収2.1年) |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
デマンド監視制御装置を導入して目標設定値を超過する前に警報を発し、予め定めた機器(照明や空調機等)の運転停止等の対策により、契約電力の低減を図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。